近年まれに見る経済・雇用情勢の悪化!
これから進学を考える学生や、その親にとって、
不安を与える今日この頃ですが、
奨学金と言う頼もしい助け合いの制度があることは、
皆さんもよくご存じでしょう。

色々な団体がこの制度を提供していますが、
一番多く利用されているのが、
日本学生支援機構の奨学金です。

どんな仕組みかと言うと
学生期間中毎月幾らかのお金を給付して頂き
卒業後、そのお金を返済していくというものです。
(無利子の一種と有利子の二種があります。)

そして、その返済されるお金は
次の世代の学生達の奨学金ために活用される事になります。
分かりやすく言うなら次の世代から、次の世代へと
学生たちを助けあうシステムと言うわけです。
もちろん政府もこの仕組みのために
資金を出しています。


この経済危機の中、政府は今年度
この仕組みのために支援を拡充すると発表しています。
無利子奨学金の対象者を2000人増やすほか、
これまで固定額だった奨学金の額を
いくつかの選択肢から選べるようにするなど
学生の返済負担を軽くし、
対象者のすそ野を広げる計画を持っています。

これは、うれしい発表ですよね!

ただ、気になる報道もされています。
学校を卒業した人達が卒業後、
借りたお金を返済しないケースが続発しているようです。
そのため、この制度での2009年度の赤字見込み額は
300億円を超えると予測されています。
最近では毎年赤字増加傾向だそうです。

赤字の部分は税金によって賄われる構図になっています・・・。
このままでは、
制度そのもが立ち行かなくなってしまうかもしれません?


対策として、日本学生支援機構は3か月以上の延滞者は、
個人情報を全国銀行個人信用情報センターに提供する事を決めたそうです。
これにより場合によっては滞納者は、
クレジットカードや各種ローンの利用を断られる可能性が出てきます。
なんだか、悲しいニュースでした。

奨学金にせよ、金融にせよ本来は今使わないお金を、
今お金を必要としている人達との間で融通し助けあうシステム。
素晴らしいシステムのはず。
ただお金に対する正しい知識の欠如が
金融システムを乱用したマネーゲームに走ったり、
今の経済危機を巻き起こしたり、
自分さえよければと言った社会構造を生み出しているような気がいたします。


厳しさを増し加える経済状況の中、まさに今!
お金に関する正しい知識を皆が必要としているのではないでしょうか?


【遠藤FPオフィス 遠藤孝司 Takashi Endou】
http://www.moneybalance-clinic.com/stuff.html