昨日の外国為替市場は円売りとドル買いが進み、円相場は2010年7月28日以来、約2年5カ月ぶりに1ドル=88円台まで値下がりしました。

米国の『財政の崖』問題がひとまず、回避されたこと・・・

安倍政権の主張する金融緩和強化による金利の低下を見込んだ円売りが続いていること・・・

が今回の円安の要因のようです。

この円安の追い風を受けて、自動車などの輸出産業を中心とする業績回復の期待感から株が買われ、株の終値は東日本震災前の1万600円台に回復しました。・・・

政権交代の市場に及ぼす影響は大きいようです。

この円安がこのまま堅調に持続してくれると、ありがたいと思う反面・・・

電気代は値上がりするのかな・・と思ったりもします。

結局は、円安、株高の恩恵が、一般市民まで下りてこないと、生活は楽にはなってきません。

円安、株高・・・で景気浮揚・・・

その次は、正規雇用に戻していって欲しいと思います。

一度、造り上げた経費のかからないシステムを打破できるのか・・・疑問はありますが・・・

いずれにしても、企業が利益をたくさんあげれば、社員には撥ねかえってくるのでしょう。

心配は・・・

この円安状態が・・・このまま続くのでしょうか・・・

金融緩和で市場に流出した資金を、企業や個人が借りる動きが増えなければ、経済の活性化につながらず・・・

結局は、安倍政権の成長戦略次第ということでしょうか・・・

円安に株高・・・いつまで続くというよりも・・・

まだまだ・・・いけいけ・・・どんどん・・・という思いです・・・。


本日は、『法定相続制と、遺言による遺産の処分』の予定でしたが『一部分割の可否』についてを、お話させていただきます。

1・遺産の分割は、遺産のすべてを一回で分割することが原則です。

しかし、現実の遺産分割にあっては、遺産の種類や性質、あるいは相続人の状況や感情などによって全遺産を同時に分割することが出来ないケースもあります。

例えば、ある不動産が遺産に属するかについての訴訟が継続中の場合、一方に簡易に分割できる現金がある場合で一部の相続人が早急に現金を欲している場合などが考えられます。

このような場合に、協議あるいは調停により一部分割をなすことは通説及び判例はこれを肯定しており、実務においてもしばしば行われています。

2.しかし、①一部分割が先行した後、残余財産の遺産分割が審判になった場合にどのような影響があるか、②審判において一部分轄がなし得るか、の2点が問題となります。

3.一部分割協議が先行した後、残余財産の遺産分割が審判となった場合に、遺産分割の協議(調停も含む)は、相続人による任意の合意のもとに行われたものであれば法定相続分と異なった分割でも有効となりますから、相続人全員が一部分割であることを認識している限り錯誤等の意思表示の瑕疵のない限り原則として有効と考えるべきであり、一部分割がなされた遺産は審判分割の対象から除外し、残余財産のみを審判の対象とすることとなります。

ただし、一部分割の対象財産と残余財産の分割との関係に独立性がない場合や遺産の大部分を占める物件が一部分割の協議の対象から脱落している場合や、あるいは残余財産の分配のみでは相続人間の公平がはかれない場合などには、一部分割が無効とされる余地があるようです。

また、一部分割の内容が全く審判に影響しないわけではなく、民法906条の分割基準から見て相続人間に不公平感が生じるような場合には、残余財産の分配に当たって一部分割により遺産を取得した相続人の取得分に影響を及ぼすものと考えられます。
以上のような観点から、一部分割をする場合には、残余財産の分割が控えていることを十分に考慮し、分割協議書または調停調書に、一部分割である旨及びその一部分割が残余財産の分割に際してどのような影響があるのか、ないのかを明確にしておくべきです。

4.審判において一部分割がなし得るのか?
前述の通り、遺産分割は一回で全遺産の分割を終えることが望ましく、ことに審判においてはこれを原則とすべきです。

しかしながら、一部の遺産について早い時期に分割審判が出来ない場合や一部分割をなすことによって紛争の解決が早期に実現出来る場合などのように、一部分割をすることによって合理性があって、一部分割によって遺産全体についての適正な分割が不可能とならないような場合には、審判による一部分割も認められるべきと考えます。

審判例では、①遺産の範囲に争いが有り、判決による確定を相当とする場合等やむをえない事情があり、かつ分割基準に従った総合的分割の実現に支障がないときに限るものとして厳格に考えるものもありますが、②一部分割をしても民法906条の分割基準による適正妥当な分割の実現が不可能になるような場合でない限り許されるとした例や、③遺産分割当時一部の遺産の存在自体が相続人全員に知られてなかった場合その他相当の理由がある場合には許されるとするものなど緩やかに解されるものあるようです。

以上、『一部分割の可否』についてを、お話させていただきました。

次回は、『相続人の確定』についてお話させていただきます。