平成26年路線価が発表されました・・・

全国平均は6年連続の下落となりましたが、三大都市圏では上昇に転じてきています。

2極化の傾向は、まだまだ、続きそうです。

東京は、東京五輪のインフラ整備の期待感から投資目的の不動産購入の人気が高まっているようです・・・

この大都市圏を中心とした不動産市況の回復がどの程度まで地方に広がりを見せていくのか・・・興味の湧くところではあります。

アベノミクスによる円安・株高効果と東京五輪の期待感も相まって・・・

この機会とばかりに不動産への投資熱が高まってきたようです。

この不動産市況を始めとした景気の盛り上がりは東京五輪の直前に一つのヤマを迎えるといった意見も耳にしますので、今後の動向は気になるところです・・・


さて、来年からは、相続税の基礎控除額の減額などの増税路線がスタートします。

個人的には、相続税という税金は、他の所得税や法人税などのように一定期間の営業活動のなかから得られた財産の増加(利益)に対して超過累進税率を乗じて課税されるものとは違って、相続がおきて親等の親族から無償で財産が承継され、財産が増加したことに対して税金が課されますので、その納税には多いに苦慮される場合があります。


その財産のなかには、換金できないもの・・・例えば住宅・・・住むために必要不可欠なものです。

この住宅も相続税の課税対象となることが納税資金の工面に苦慮する一つの要因となってきます。

財産は引き継いだものの、それは、単に住むためのもの・・・

昔から、代々、その家で住むための不動産であった・・・

この財産に税金が課されるとすると・・・

最悪、売却して換金するしか納税できる方法が見当たらないといった事態に陥りかねません・・・

税務当局は、こうした住宅については、さすがに相続税の対象からは外していこうといった特例を設けています。

さすがに、住んでいる家まで税金で没収するようなことまでは、考えていないようです。

それが、小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特定の規定です。

被相続人や被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住の用に供していた住宅を、被相続人の配偶者や被相続人の親族(一定の要件を満たしていることが必要です)が、相続または遺贈で取得した場合に適用が受けられる規定です。

ちなみに、この特例の規定の適用がを受けられると・・・

来年からは住宅敷地の評価額のうち、330㎡(今年は240㎡)までの面積の部分は80%まで減額されることとなります。

都心部では、この特例の規定が使えるのか否かで、大きく、相続税額は変わってくることになります。

この適用は、配偶者が取得すれば細かい適用要件に関係なく適用が受けられます。

これは、配偶者としての税法上の特典でもあるわけです。

問題は、配偶者以外の親族が取得する場合です。

基本的には、相続開始の直前にその住宅に居住していること、かつ、相続開始の時から申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ、その建物に住んでいること等他の一定の要件が必要です。

同居していない場合の要件としては、その親族が相続開始前3年以内に自分の持ち家もしくは自分の配偶者の持ち家に住んでいないこと、かつ、相続開始の時から申告期限まで引き続き所有していること等他の要件が必要です。(ちなみに、相続の開始の直前において、この住宅に被相続人の法定相続人に該当する他の親族が住んでいる場合は除かれます)

この小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例の規定の適用が受けられるか否かが、来年からの相続増税時代に向けての大きなポイントなるべき項目です。

また、住むための住宅のほかにも相続人にとって必要不可欠な財産があります。

それは、被相続人の事業の用に供していた財産です。

被相続人の事業を親族が引き継ぐといった場合に、事業用の財産に相続税が課せられてしまっては、その事業承継にとって大きな障害となってきます。

小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例の規定には、事業用の宅地、アパート等の貸付用の宅地、同族会社の事業用の宅地等も対象となっています。

そのほかにも、農地や非上場株式、山林、医業経営者などの納税猶予の規定もあります。

このように、生活に必要なもの(事業承継も含めて)については、それなりに税法の特典ともいえる特例措置が設けられていますので、このような特例措置は、見落としがないように生前のうちに整理して確認しておくべきでしょう。

また、生活していくうえで、必要不可欠なもの・・・

生命保険金もその一つでしょう・・・

働き盛りでなくなてしまったご主人が遺してくれた生命保険金、これからの暮らしを考えていくと、この生命保険金から税金を徴収するのは過酷でしょう・・・

そこで、生命保険金等の非課税の規定の適用があります。

500万円×法定相続人の数が非課税限度額です。

この非課税限度額までの死亡保険金には、相続税は課されないこととなってきます。

ただし、その死亡保険金の保険料を被相続人以外のものが負担していると、根本的に相続税の対象ではなく、贈与税や所得税とばってしまう恐れがありますので注意が必要です。

相続対策として、3社くらいの生命保険会社が、高齢(85歳~90歳までOK)で、かつ、無告知に近い形で加入できる生命保険も販売されています。

ほとんど、投資効果は期待できませんが、生命保険金の非課税の枠に余裕のある方にとっては、現預金等の金融資産を非課税にすることができるメリットが生じてきます。


都心部やその近郊では路線価も上がり調子です・・・

来年からの相続増税時代に向けて、まずは、自宅の相続税評価額、小規模の特例がが受けられるのか否か、受けた場合と受けなかった場合とで、相続税にどの程度の影響が出てくるのか・・・

または、相続開始の時点で金融資産がどの程度、残りそうなのか・・・

納税資金は大丈夫なのか・・・

とりあえず、生命保険に加入して非課税枠を確保しておくべきなのか・・・

このような、判断は、全ての財産の目録と評価額を作成して、各税法の特例や不動産の特性などを考えながら判断するほかありません・・・

路線価も上がり調子となってきました・・・

まずは、財産棚卸と調査から始めてみましょう・・・