相続対策のスタートは全ての財産を理解するところから②・・・
投稿日時:2014年04月22日火曜日 11時21分52秒
ブログ投稿者:荒木不動産コンサルティングFP事務所 カテゴリー: General
先週の土曜日に参加したセミナーのお話です。
セミナーの内容は、相続に備えた不動産の資産防衛と活用に関するお話でした。
どちらかというと、土地を相当数、所有されている地主さん層向けのお話でした。
冒頭から約半分は、海外不動産の情報のお話でした。
シンガポールの不動産市場のお話が多く、当初は、中古アパート経営での相続対策の話であったはずなのに面食らって聞いていました。
海外不動産の情報は、それなりに楽しめて聞けました。
それにしてもシンガポール・・・いろいろと耳にしてはいましたが、活気ある開発が目白押しの感じがしました。
人口も増加(移民)しており、不動産相場も上昇中とのことでた。
昔から、海上通運の貿易の要衝の地であったことから、金融業やサービス業には強みがあるような感じがしました。
日本の湾岸エリアも、もと活発な開発があってもいいかもしれないと改めて思ってしまいます。
カジノの建設等々・・・いずれにしても、東京五輪の開発後の湾岸エリアが楽しみではあると思っていいますが・・・
シンガポールにドバイ・・・勢いがあります・・・が、バブルの崩壊のリスクもあるような気もしますが・・・
話は、もとにもどって、やっと、相続対策のお話となったわけですが・・・
将来の相続に備えた不動産対策として、まず、何をやっているか・・・
当たり前の事ですが、全ての不動産を現地で確認して調査することです。
それから、いわゆる現状分析と呼ばれる調査内容をこと細かに分析していく作業を行っているようでした。
かなり、詳細の資料をつくられることもあるようです。
調査報告書として、1冊の製本として提出されているそうです。
見本を見せてくれました(中身は見せてくれませんでしたが・・・)が、厚さは4cm弱はあろうというものでした。
(私の場合は、製本ではなく、ファイルとして提出しますが、厚さは8cmというときもあります。)
この調査や分析の内容は、プロジェクタ―で写し出されたもので見せて頂きましたが、見事なまでに詳細に調査されていました。
この講師の先生は、もと、ハウスメーカーで住宅の営業経験がある方でしたので、建築に絡んでくる調査はお手のもののような感じでした。
土地の調査は、住宅地図、公図、測量図、インフラ資料、道路図、始めとした関連資料の全てを取得し、道路の区分や制限、建築制限、等々、こと細かにレポートして纏めている感じです。
一つの事例として、自宅の奥にある生産緑地の土地(道路に接道していません)があったそうです。
自宅の奥にあるので、接道していない・・・
接道してないと隣家の方が購入することくらいしか望めませんので、相場はおおよそ坪5万円・・・
これが、道路に接道できて住宅用地として売却できるようになれば、坪40万円・・・
200坪はあろうという広さ・・・その差は8000万円強・・・
道路からその生産緑地には水路と赤道が続いている・・・
この水路と赤道を市役所や財務省の立会のもとに何度も調整を図って、道路としての許可を取得できたそうです。
道路の許可というか、その生産緑地には建物が建築可能となったそうです。
この交渉や手間は、かなりの難度のたかいものであったろうと想像できます。
さらに、この対策は、その他の不動産もすべて調査したうえでの導き出されたものでした。
その他の不動産には、古いアパートなどの貸家が、3つの地域に散在していました。
そのほか比較的、新しいアパートが、2つの地域に散在・・・
問題は、古いアパートの処遇、建て替えるか、更地にして売却か、リニューアルしてもう少し稼いでもらうか・・・
結論は、リニューアルにしたそうです。
その答えは、全ての不動産の調査や分析を行ったうえで、将来の相続税の納税資金や節税、そして現在の貸家の収支状況を分析しての答えだったそうです。
比較的、新しいアパートが老朽化するまで、もう少し老朽化するまで、リニューアルで稼いでもらって、時がきたら順次、建て替えていきながら競争力を高めていく方策をとったようです。
老朽化しているとはいえ、そのリニューアルは外観デザインや外構のデザインまでを見直す大がかりなものでした。
当然に、工事代金は、相当額かかったようですが、全ての賃貸物件の収支を将来にわたってシビアに予想しながらの計画でしたので、オーナーさんも安心して任せられたようです。
何のといっても、無道路の生産緑地の土地が、建物が建てられるようになっています。
いきなりの相続が発生しても、納税用にいつでも売却できる土地が新たに産まれたのは、心強いばかりでしょう。
相続の対策を立案する上では、全ての土地を見せて頂くこと、全ての活用物件の状況を教えてもらうこと、ある程度の精度の相続税シミュレーションが可能な情報(現預金、株式等の金融商品や生命保険等)がいただけることが、前提となるでしょう・・・
そして、調査、分析の報告をしたら、対策の提案です。
この提案で、土地活用の提案をするときに重要なのは、土地の価額もあわせての利回りを確認すべしのお話もありました。
私の場合も、建物の建築価格に土地の公示価格等の金額を加算しての利回りで確認するようにしています。
これは、土地を売却した金額に建物の工事代金を加算した同等の金額で、売りに出ている他の不動産の利回りと比較するためです。
あまりに低い利回りの場合、土地を売却して、貸家を建築した気になって、その分の借入金額をたして、優良な投資不動産を購入する方が得策ともいえます。
いわゆる、組替えの提案です。
これも、やはり全体の不動産、さらには金融資産等を含めた、全体の財産のバランスを見ながら考えていくべきでしょう。
5年後のキャッシュフロー、10年後、20年後、30年後のキャッシュフロー、そして相続対策、分割、納税、節税・・・
この全体像を、描きながら、自分の希望を満たせるような対策を練り上げていけば、よろしいかと思います。
やはり、入り口での、調査、分析が・・・相続対策のキーポイントとなるようです・・・
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