先日のFP相談で、30歳前半の女性からマンション売却と戸建住宅新築の相談がありました。

この女性は、独り暮らしで、都内に1900万円の中古マンションを、購入して住んでいます。

相談の内容は、戸建住宅の新築を考えている・・・それにあたってマンションは売却(簡易査定2300万円)した方がいいものか・・・否か・・・

そして、建築資金は、祖母から1000万円位、贈与で貰えそうであるとの話しでした・・・

年収は400万円を少し下回る位、都内で事務の仕事をしているそうです・・・

そもそも、建築地の手当てはと尋ねたところ・・・祖母(現在85歳)から3歳の時に貰っているとの回答・・・

そして、いろいろな、質問をさせていただきました・・・

お祖母ちゃんは、母方ですか、父方ですか・・・母方ですとの回答・・・

母方で貰える・・・?お母さんの兄弟は何人ですかと尋ねたところ・・・弟が一人ですとの回答・・・

伯父さんがいるのに貰える?・・・従兄は何人ですかと尋ねたところ・・・10歳位年下の男の子の従兄が一人との回答・・・

すなわち・・・お祖母ちゃんの孫は2人で、あなたは初孫のただ一人の女の子の孫ですねと、当たり前すぎる質問をしました・・・

さらに、相当、可愛がられてきませんでしたかと尋ねたところ・・・溺愛状態だった様子・・・

さらに、過去にお祖母ちゃんから近くで住まないかと手招きされませんでしたかと尋ねたところ・・・20歳から実家(立川)を離れて都心で暮らしているが、何回か戻ってこい(お祖母ちゃんは多摩)と言われているとの回答・・・

そして、中古マンションの購入は、お祖母ちゃんが、がっかりするので秘密にしているとのこと・・・

中古マンションが駅近くで便利なことから、離れがたく、その悩みもあるようでした・・・

ここで、住宅取得資金の贈与税の非課税の規定のお話をさせていただきました・・・

今年一杯は、住宅取得を目的とした資金の贈与は1000万円(省エネ住宅等)まで非課税であること・・・その条件として、原則その資金をつかった住宅に来年3月15日までに住むこと、遅くとも来年中に住まないと非課税の適用にはならないと説明しました。

お祖母ちゃんは、この贈与の非課税を利用して自分の元気なうちに近くに住んで欲しいと思っているのではないですかと話ししました・・・

これは、住宅取得資金の贈与の非課税を利用したお祖母ちゃんからの最後のプレゼントのような気がしますねとお話しました・・・

相談に来られた本人は、そもそも、住宅取得資金の贈与の非課税の規定など知る由もなく、いきなり、1000万円の贈与があるらしいと伝えられ、訳もわからずに、いま建てたほうがいいのか、マンションはどうしたらいいかのアドバイスを求めたかったようです・・・

本人は、住宅取得資金の贈与の非課税のことを知って、すっきりした感じでした。

期限のあることもしり、戸建住宅の新築で考えるようでした・・・

そうなると、中古マンションの行方ですが・・・売るべきか、残すべきか・・・です・・・

私は、先ずは、維持できるか否かを検証したらと話しました。

セカンドハウスローンもしくは賃貸住宅のローンとしての組み換えが可能であるかを調べてみたらと奨めました・・・

こうなってきたら、銀行に直接、話を聞くのが一番、早いと・・・奨めました・・・

キャッシュフローは中古マンションを賃貸に出せば何とかなりそうですが、融資が組めなければ元も子も無い話ですからと・・・融資の承認が取れるとなったら考えてみるように話しました・・・

悩んでいるなら、その可能性を追求して、調べて調べつくしてから、結論を出した方が後悔は少ないでしょうと奨めました・・

もっとも、売却の方向で考えているような感じはしましたが・・・


昨年来より、教育資金の贈与税の非課税を利用するため、かなりの方がその利用のための手続を始めたそうです・・・

まさに、NISAか教育資金かといった感じです・・・

生前に、子や孫にまとまったお金を贈与してあげたい、または、出来る方、考えている方が、相当数いらっしゃるということでしょうか・・・

住宅取得や教育資金に該当する子や孫がいない場合は、暦年贈与を利用しての生前での財産継承となるでしょう・・・

ただ、80歳を過ぎてくると、生前贈与加算のことを考えなければなりません・・・

住宅取得や教育資金のような非課税は80歳をすぎても安心して利用できますので、この需要は大きくなっているのでしょう・・・

80歳をすぎると・・・不動産を購入しての相続対策も時価評価とってしまうリスクがあります・・・

何か、住宅取得や教育資金の非課税と代わりとなるいい手立てはないか・・・

生命保険の商品等を使って・・・と考えてみました・・

そんななか、解約返戻金の無いと言っていほど解約返戻金の低い商品で死亡時に一時金の出る商品がありました・・・

その保険料を、お祖父ちゃんかお祖母ちゃんが一時金で支払い、被保険者かつ契約者である親が死亡した時に、保険金受取人である孫に一時金が入るといった場合・・・

お祖父ちゃんかお祖母ちゃんは、保険会社にお金を払っていますので、その契約者である親には、お祖父ちゃんもしくはお祖母ちゃんの相続時には、契約者たる親が自由に使えることのできる解約返戻金相当額が相続税として課税されることとなります・・・

被保険者の親が死亡した時に、親が保険料を負担した者とみなされて、孫に相続税が課税されることとなります・・・

ここで、被保険者の親に生命保険の非課税枠に余裕があれば、非課税という結果となるでしょう・・・

これは、生命保険金の非課税枠に余裕がある親族の非課税枠を余すことなく利用できるといった効果が産まれるということでしょうか・・・

最も、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんが70歳代であれば、暦年贈与の生前贈与を利用すべきでしょうが・・・

あくまで、80歳代で暦年贈与は生前贈与の加算が心配といった場合にいかがでしょうといった程度のものでしょう・・・

この保険では、被保険者一人で一時金500万円が限度ですので、1000万円くらいの利用が目安となるでしょう・・・

たかが、1000万円、されど1000万円。超過累進税率が30%である場合、約300万円弱の相続税の削減効果となってきます(厳密には、ほんの少しの解約返戻金がありますので満額が対象とななりませんが・・・)。

80歳を過ぎて、住宅取得や教育資金の非課税が利用できないといった場合、その代わりになるものはと思い、調べてみたわけですが、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんの年齢や親の年齢等々・・・いろいろな条件次第での判断となるかなと感じています・・・

しかし、80歳を過ぎると相続対策に限界を感じます・・・やはり、相続対策は、早目、早目、に考えて手を打った方がいいなと・・・改めて感じ入りました・・・