中古住宅とリノベーション・・・
投稿日時:2014年03月15日土曜日 10時09分13秒
ブログ投稿者:荒木不動産コンサルティングFP事務所 カテゴリー: General
普段は、余り読み込んでいない『FPJournal』2月号を、病院の待ち時間中に目を通していました。
今回の記事は、『中古・リノベーション物件活用のポイント』となっています。
最初の記事は、国土交通省の住宅局の方の記事が掲載されていました。
中古住宅の流通促進や活用に感ずる政策についての記事でした。
まず、中古住宅の流通シェアについての記述がありました。
日本の全住宅流通に占める中古住宅の流通シエアは約13.5%であり欧米諸国と比較すると約6分の1程度と低い水準にあるようです。
その要因としては、建物評価と住宅金融上の担保評価にあるようです。
中古住宅の建物評価においては、流通市場サイドと担保評価する金融サイドという2つの目線があるとあります。
例えば、日本では木造戸建住宅は約20年で価値がゼロにつという常識が横たわっていますが、流通住宅市場サイドでは『金融機関が担保評価してくれないので、築20年超の戸建住宅は思うように売れない』といい、反して金融サイドは『流通市場サイドで評価されないので担保として十分な評価ができない』といったような負のスパイラルに陥っているようです・・・
ここで、建物の評価について、日本と欧米の違いはというと・・・
まず、欧米諸外国では、住宅をメンテナンスをすると資産価値が経年でさほど下落しない形で評価されるとあります。
日本では、経年で一律減価する建物評価となっているようです・・・
このことはどういうことに繋がっていくのか・・・
欧米では、住宅に投資した額の減価が少ないことから、住宅が資産としてストック化されることから、住宅投資額の累計額と住宅資産額が一致しているようです・・・
日本では、新築住宅を作って20年で価値が減退し、取り壊して新築するというプロセスを繰り返すため、住宅が資産としてストック化されないことから、住宅投資額の累計額と住宅資産額の間に500兆円の差が開いてしまっているようです・・・
この対策として考え始められているのは・・・
理論的裏付けをもって建物の評価方法である原価法を抜本的に改善し、建物評価の適正化を図る必要があるとしています。
この具体策として、いま、あがっているのは・・・
リフォーム等による建物の価値向上を・・
①リフォーム等による価値増分が建物価格の上昇につながると考える方法・・・
②リフォーム等により時計の針が戻る(実質経過年数が短くなる)ことが建物価格の上昇につながると考える方法・・・
が、あるようです・・・
①は、日本の鑑定評価の原価法に基づく方法で、100万円のリフォームをしたら価値の向上分を70万円~80万円にするという考え方だそうです。
②は、米国の鑑定評価の考え方で、実質的な経過年数が戻るという方法で、リフォームをするたびに年数が若返ることになり、理論上ではリフォームを繰り返せば長期的に価値の維持ができるもののようです。
その他、経年劣化のリスクに伴うコストの原価については、これを、明確に区分しkもの部分は一律20年で減価する方法も考えているようです。
さらには、金融機関の担保評価においては鑑定評価の在り方が重要となってくることから、上記の指針を反映した既存住宅評価の鑑定評価の環境整備を、今後、行っていくこととしているようです・・・
また、宅建業者(不動産業者)の評価については、2014年度に建物評価の指針を踏まえた化買う査定マニャアルを改訂し、新たな評価手法を参考地として取引の現場に活かすことも検討に入っているようです・・・
他には、検査済証を取得していない中古住宅は、金融機関から融資を受けにくい状況にあることから、民間の検査機関(指定確認検査機関)等が認証を出せるように平成25年中にガイドラインを出すことを検討しているようです・・・
以上、ながながと・・・要点をご紹介させていただきましたが、なにせ、原文の文章が難しく書かれており、要点をまとめるのに苦心しましたが、そんなには、外れていないと思いますので、ご参考にしてみてください・・・
日本は、人口減少と高齢化の問題が深刻化しています・・・
このまま、新築住宅を建て続けると、相当数の住宅が余ってくることでしょう・・・
20年はおろか、築10年は、もう古い・・・となって10年で価値が無くなるといった事態が起こってしまうかもしれません・・・
賃貸住宅も同様に、節税対策とばかりに新築物件が林立してくると、築10年はもう古いといって、賃料の大きな下落となるかもしれません。
それでも、駅に近い、小中学校に近い、大型ショッピングセンターに近いなど、立地に恵まれていれば、空室のリスクは少ないでしょう・・・
駅から歩いて10分以上かかる等の条件の落ちてくる場合の土地活用は、要注意でしょう・・・
いま、所得税の税制改正が検討されているようです・・・
配偶者控除を無くして、世帯課税にするということのようです・・・
詳細は、未確認ですが、TVのニュースによると、子供が2人以上いれば、現状の配偶者控除と比較して減税となるようです。
子供が5人いれば、所得税は0円となるそうです。(年収がいくら位かは、覚えていないのですが・・・)
これで、子どもの学費の負担が少なくなること(例えば、超低金利の奨学金の創設等)、子どもの学童保育等の預り施設の充実、老人介護施設の充実等、がなされれば、少子対策となるかもしれません・・・
昔、ハウスメーカーに勤務していたころ、他社研究として、旭化成のへーベルハウスを研修したことがあります。
もう、15年くらい前のことですが、当時から『ロングライフ住宅』を謳っていたへーベルハウスは、末長く安心に、安全に、快適に住める住宅を目指していたようです・・・
そして、その中古となった住宅を安心してご購入いただけるように『ストックへーベルハウス』という仕組みを作っていました。
旭化成が、その中古のへーベルハウスの品質を保証するといった内容のものであったと記憶しています。
今にして思えば・・・時代の流れを先読みしていたかなと感じます・・・
私の在籍していた三菱地所ホームは、入社当時から『アセットホーム』という商品名でツーバイフォー住宅を販売していました。
今から、15年くらい前に、金融商品でアセットという名がつく商品が増えてきたことから、『三菱ホーム』に改名しましたが・・・
アセット・・・資産という名称です・・・資産性の高い、いつまでも資産性の落ちない高品質な住宅を供給するといったことでつけられたネーミングと・・・新人研修で教えられました。
そう意味では・・・ロングライフ住宅と同じコンセプトであるような感じもします。
両社とも、欠点は、少し高い住宅であったことでしょう・・・
目に見えない、構造部分の品質を、丈夫で長持ち、資産性が高いといっても、どうせ、築20年で建てもの価値は0円、そして当時(今でもそうでしょうが)築30年の物件は中古住宅というよりは、古家付き土地での売買・・・建替え前提で土地を購入するといったものでした・・・
そういった環境では、高品質といわれても・・・そんなにお金をかけられるものではありません・・・
中古住宅の評価システムが見なおされることで、高品質の優良な住宅の供給が後押しされるかもしれません・・・
これからは、一度、建てた住宅は、長く使うことが重要かも知れません・・・
広い家が必要となくなった高齢者の方から、安心して、若い子育て世代が購入できるといったような仕組み作りが重要かもしれません・・・
これからは、中古市場とリノベーションが、住宅業界の主役となるような気がしてきました・・・
リノベーションのノウハウでも・・・勉強しようかと思うこのごろです・・・
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