相続対策について前回は、相続が発生したあとのもろもろのやらなければならない手続関係についてお話させていただきました。

役所への届出や銀行や保険会社への申請等々、やるべきことは山のようにあります。

相続の前にやるべこことは頭にいれておくと・・・いざという時に慌てふためくことなく対処ができるでしょう。

できることであればエンディングノート等に纏めておきたいところです・・・

役所等への届出は、事前に何が必要か調べておけば、あとは粛々と手続を進めればいいわけですが、相続にとって一番重要かつ大変なのは遺産分割です。

民法で定められた相続人間で相続財産の分割を協議して分割する手続です。

遺産分割は、亡くなられた方が、遺言書を遺したか否かでその手順は多いに変わってくることとなります。

遺言書を遺されていた場合、その遺言が自筆証書遺言であれば、家庭裁判所に検認を依頼しにいくこととなります。

検認は家庭裁判所で相続人立会のもと遺言書を確認し家庭裁判所でそのコピーをとり保管しておく手続です。

目的は、遺言書ぼ書換や消失等の防止の様です。

家庭裁判所に控えが残っていれば、不正な行為が出来なくなるからです。

そして、その遺言書が公正証書遺言であれば、家庭裁判所の検認は必要ありません。

公証人役場に、遺言書の控えが保管されていることから、検認の必要性はないからです。

そして、遺言書に遺言執行者が定められていれば、遺言執行者がその遺言通りに分割手続きを進めればいいこととなります。

もっとも、遺贈の放棄(遺言書で相続財産をもらえる人がいらないと放棄する手続き)をすることもありますので、その場合は遺産分割の協議となってきます。

また、遺言書を遺しておいたとしても、その分割内容が一部の相続人にとって遺留分(法定相続分の2分の1)を侵害している場合で、その遺留分を侵害された相続人が遺留分の減殺請求(遺留分に満たない不足分を請求すること)をされた場合は、代償分割等でその不足分を補う必要があります。

相続人の地位を有しない老後の世話をしてくれた長男の嫁に特別に財産をのこしてあげたいといった場合、遺言書でその手続は可能ですが、もっとも手間のかからないのは自分を被保険者、嫁を保険受取人とした生命保険に加入しておく方法があります。

生命保険は保険受取人の固有の財産ですから、遺産分割の協議の必要もなく受け取ることができます。

要は、遺産分割の対象となる財産に含まれないといった特性があります。

生命保険は、遺産分割にとって有効な方法となりうるものですので、よく利用されています。

遺言署の記載のしかたも注意が必要です。

公正証書遺言であれば、プロの公証人役場が、ヒヤリングをしながら作成してくれますので、内容が無効となるようなことはありません。

しかし、自筆証書遺言の場合は、土地の表記の仕方(住所は不可、あくまで登記上の地番)や、日付の書き方等、せっかく遺した遺言書が法的に無効となってしまうこともよく耳にする話です。

もっとも、たとえ法的に無効な遺言書であってもその本人の意思は確認できますので、その後の遺産分割の協議はやりやすいものとなるでしょうから、全くの無駄ということは無いと思います。

また、遺言書を作成する場合には、相続人をきちんと確認しておきたいところです。

再婚していた場合、生き別れとなった前妻の子はいるか、前妻の子は立派な相続人です。

または、未婚のままの子供がいるか・・・いわゆる婚外子といわれている子供です。

昨年の裁判で婚外子の法定相続分が他の子供の2分の1となるのは違法であるとの判決がでました。

これからは、婚外子のかたも同党の権利をもった相続人となってきます。

このような相続人の確定は戸籍で確認して立証することとなります。

相続が発生するとこの戸籍を複数部、取得する必要があります。

この戸籍の取得がまた、面倒な手続となってきます。

相続人の他には相続財産もれなく把握する必要があります。

相続財産からのお話は、次回以降にさせていただきますが、このように、遺言署や相続人の確定だけでも、注意しなければならないことは、山ほどありますし、そもそも基本的な知識が身についていないと、何の作業も進みません。

相続対策は、事前に手続関連を調べておくことは、もちろん、相続に関連する法務や税務、不動産等の知識の拾得はかかせません。

相続対策に重要なことは・・・相続関連にする基本的なことを知ることです・・・

まずは、相続に関連する会計事務所や生保・証券会社等の無料セミナーを聴きに行って、言葉から馴染んでいってはどうでしょうか?

きっと、役立っていくことと思います。