先日の日経WEB版に相続の手続に関する記事が掲載されていました。

死亡届から始まって実に多種多様な手続が必要となります。

相続対策の話を良く耳にしますが、一番先にやっておきたい相続対策は、相続発生後の必要な手続かもしれません。

相続手続きとは・・・非常に参考となる記事ですので紹介させていただきます。

人が亡くなった後にしなければならない「相続手続き」と呼ばれるものは非常に数多く存在しています。しかもこれらの手続きには、期限が明確に定められているものも少なくありません。この期限を守ることができないと、ペナルティーや不利益をこうむることになる可能性も出てくるので、注意が必要だと言えるでしょう。

相続手続きが数多く存在することから、そもそも遺族として何をどこまでしておかなければならないのかの全体像がつかめなくなってしまうかもしれません。そうなると、どれかひとつくらいは漏れてしまって、手続きを失念してしまうということも絶対にないとは言い切れなくなってしまうと思います。

しかも、人が亡くなった後のタイミングというのは、こういった雑多な手続きの処理に「最適の時期」というわけでは決してないということも考慮しなくてはなりません。もちろん、遺族にとってはただでさえ悲しみや感情の落ち込みが激しい、非常に機微な時期です。

そんな折に、悲しみに追い打ちをかけるかのように、葬儀や法要などの行事が怒とうのように押し寄せてくることになるのです。近年は「家族葬」などの小規模な形式の割合が増えてきていると言われていますが、これもセレモニーとしては縮小傾向にあるというだけで、やはり法要の準備や会葬者への対応などで大変な思いをする遺族はまだまだ多いはずです。

そして、さらにそこにたたみかけるような形で、終えなければいけない大量の「相続手続き」が行列を作って待っているというわけです。手続きの期限のなかには、まさに葬儀や法要のさなかに覆いかぶさってくるものもありますから、悲しみに暮れている最中ではあるのですが、なかなかゆっくりとは待ってもらえない場合も出てきます。

こうなれば、遺族だけですべての手続きを処理して行くことは難しくなるという側面も生じてくることでしょう。そこで、相続のそれぞれの分野に存在している専門家のサポートを利用するということも生じてくるでしょう。ひとくちに「相続手続き」とはいいながら、専門家ごとに担当する分野が異なってきます。たとえば司法書士であれば、不動産の名義変更や、遺言書で執行者と定められていた場合の金融機関の名義変更などを「相続手続き」としてまず思い浮かべるでしょうし、税の専門家である税理士であれば、相続税の申告手続きや所得税の準確定申告を思い出すのではないかと思います。

通常の意味での「相続手続き」なら、そうした専門家のサービスを組み込むことによって一気に解決への手助けが図れることでしょう。しかしながら、非常に広い意味での「相続手続き」となると、そうした専門家が担当できる一連の手続きにはおさまらないようなケースも出てきます。細かなものまでを入れると、すべてを挙げるのが難しくなってしまうほど、非常に多岐にわたる手続きが存在しているのです。そうした膨大な手続きを漏れなく行っていくことは、普段そのような処理に慣れていない遺族からすると、少しハードルが高すぎるのではないか……と思えるような場面もしばしばでしょう。

ところで、そうした各種の相続手続きについて、忘れやすい部分や注意点などを簡単におさえていきたいのですが、便宜的に手続きをいくつかのカテゴリに分けてみたいと思います。別表の項目名にもなっているように、大きく分類すれば次の4つに分けられるでしょう。

(1)死亡に関する届け出
①死亡届        市町村役場で手続  7日以内
②火葬許可申請書    市町村役場で手続  7日以内
③世帯主変更届け    市町村役場で手続  14日以内
④運転免許書      警察署で手続   すみやかに 
⑤国民健康保険証    市町村役場で手続 すみやかに
⑥後期高齢者医療保険証 市町村役場で手続 すみやかに
⑦高齢者福祉サービス  福祉事務所    すみやかに
⑧障害者手帳他     福祉事務所    すみやかに

(2)お金の給付を受ける手続き
①生命保険       生命保険会社で手続
②簡易保険       郵便局で手続
③死亡退職金      会社で手続
④団体弔慰金      各種団体で手続
⑤医療費控除の還付請求 税務署で手続
⑥遺族共済年金     各共済会で手続
⑦損害保険       損害保険会社で手続

(3)名義の変更・解約手続き
(4)税、登記、裁判、年金などの手続き

まずは(1)の「死亡に関する届け出」の手続きについて見て行くことにしましょう。そもそもこの手続きが漏れるようなことは、一般的にはあまり考えにくいのではないかと思います。とはいえ仕事上で戸籍などを日常的に読み込んでいると、明治の初期頃の生まれなのに書類上ではいまだに生存していることになっているようなケースも、非常にまれとはいえゼロではありません。

しかしそれはあくまで例外であり、現在ではほとんどの相続手続きをすすめる大前提として、戸籍などに「死亡」の記載があることが必要とされています。そのためには、まずは死亡届を市役所に提出しなければ何も始まりませんから、故意に隠すというようなことがなければ死亡届が漏れるということは少ないように思います。

おそらくそれよりも漏れやすいのは、国民健康保険や後期高齢者医療保険に関する手続きのなかで生じてくる、加入者が死亡した際の「葬祭費」などの名目で支給される金銭の請求もれの方ではないでしょうか。自治体によって支給額が違う場合もありますが、一般的には5万円程度が支給されているようです。こうした付随的な支給のある金銭はそこまで多額ではないことが多いですが、その制度を知っているか知らないかという点だけで明暗が分かれることもありますから、できるだけ漏らさないようにしておきたいものです。

つぎに(2)の「お金の給付を受ける手続き」について見て行きましょう。生命保険や損害保険などの手続きについても、わかっているのに手続きを失念するということは少ないのではないかと思います。むしろ、亡くなった人がそもそもどの会社とどんな保険契約を結んでいたのかがわからずに、詳細を知らないで放置されているということの方がケースとしては多いのだろうと感じます。

また、各種団体からの弔慰金などの請求手続きについては、故人がどんな団体に所属していたのかを知らなかったとか、そうした団体に入っていたことは知っていても、団体の会則等に弔慰金の支給規程があることを知らなかった、などという理由から請求手続きを失念していることがありえます。このような規程については、団体の事務局などに問い合わせれば詳細に教えてもらえることもありますので、念のため問い合わせておいても損はないかもしれません。

いずれにしても、これらはすべて「請求すればお金を受け取ることができる」という種類のものです。行えば遺族にとってプラスになる可能性が高い手続きですから、あえて放置しておくということはないでしょう。ただ、請求にあたっては「時効」が存在しているものもありますから、この点には注意が必要です。例えば保険金の請求などは、3年などといった短い期間で請求できる時効が来てしまうケースの可能性もありますから、いつまでももらえるというものではない、というポイントだけはおさえておきたいものです。

次回は引き続き、(3)名義の変更・解約手続きと(4)税、登記、裁判、年金などの手続きについて「忘れると困る」ケースについて解説して行きたいと思います。
【日経WEB版2013/7/5】

いかがでしたでしょうか・・・

相続対策は遺産分割や納税や節税などの対策に目がいきがちですが、実は、手続が何が必要となってくるかをきちんとおさえておくことも非常に重要なこととなってきます。

当たり前の準備を当たり前のようにしておくことこそが、一番、大切なことかもしれません。


本日は、宅地建物業法の『無免許営業』について、お話させていただきます。

宅建業法の無免許営業とは、宅地建物取引業の免許を持たない人が、広い宅地を所有していたとして、その宅地を区画割りして利益を目的として不特定多数のかたに売却する行為は、『宅地建物取引業』に該当することから、その区画割りして不特定多数の方に分譲した行為は、無免許で『宅地建物取引業』を行ったとして、無免許営業に該当することとなります。

その売買を不動産業者に仲介で依頼したものであっても、無免許営業に該当するというものでした。

ただ、その無免許営業については、何区画分譲したらそれに該当するかなどの明確な基準の定めはなく、各都道府県で、その取り扱いは異なるようです。
一部、厳しい都道府県では、2区画から無免許営業に該当することとしているようですし、反して20区画でも何も言われない都道府県もあるようです。

この無免許営業については、売主の地主さんへの罰則の規定はあるのですが、売主の地主さんへの罰則よりは、その仲介を行った不動産業者に対して『無免許営業幇助』による宅建業法による罰則が適用されることが多いようです。

土地の時価が毎年下落しているなか、広い土地を一括購入して分譲する不動産業者が減っているなか、広い土地を処分しなければならない地主さんにとっては、面倒なことです。

もっとも、自分で『宅地建物取引業』の免許を取得すればいいわけですが、試験をうけて合格後に店舗を準備してそのほか登録費用で約200万円程、かかってきます。
とても、毎年、継続的に売却したい一団の土地があればともかく、数年に一度程度の売却行為であればそこまでの手間と費用の負担は厳しいものでしょう。

土地の地価が右肩上がりから下落基調にかわってきたこの時代において、相続税の納付のために土地を売却しなければならないといったときに、一括で購入してくれる不動産業者が少なくなってきたことから価格を競わせるような有利な価格交渉も出来なくなってきたりとか、なかなか一括では売れなくなってきたりとか、厳しい局面を迎えています。

このように考えてくると、そもそも、自分の土地を細かく区画割りして不動産仲介業者に売却を依頼することに、何の問題が生じてくるのかが、疑問となってきます。

この無免許営業は、宅地建物取引業の免許のない者は土地の分譲を行ってはいけないということですが、その分譲をプロの不動産仲介業者が行えば売買契約の取引上は、何らの問題は生じないと考えます。

昔のように、売り易い時代から、売却困難な時代に変わったなか、宅建業法の見直しも必要ではないでしょうか?