今日の日本経済新聞のWEB版に昨年10月末時点での過去6ヵ月間の全公募投資信託の資金流入額の順位に関する記事が掲載されていました。

資金流入額の順位は、運用成績の影響を受ける純資産総額とは異なり、純粋に投信の“人気度”を示す指標といえるもののようです・・・

以下、日経WEB版から人気の投資信託の概要について一部、加筆修正のうえ抜粋させていただきます。

今回の人気の最大の特徴は、上位の大半が「毎月分配型」(分配金を毎月受けとれるタイプですが、ただし、運用成績が悪い時は資産を切り崩して支払われることもあるようです・・・)である点をあげていました。

人気の上位15投信は全て毎月分配型だったようです。

もう一つの特徴が上位を占める投信の投資対象があります。

先進国の株式や債券、いわゆる「伝統的資産」は少なく、海外REITや新興国債券、ハイイールド債券(低格付けだが高利回りの債券)などで運用する投信がほとんどとなっているようです。

高分配を求める投資家ニーズに合わせ、高いインカムゲイン(配当・利息などの収入)を得られる資産で運用するタイプを運用会社や販売会社が集中的に投入してきた結果といえるようです・・・

同様の目的で、デリバティブの一種であるオプションを使って利回りの上乗せを目指す複雑な仕組みの投信なども残高を増やしている高分配人気は健在といえるそうです・・・

【日本経済新聞 2013/1/14】

先進国の株式や債券などの『伝統的資産』ではなく、海外REATや新興国債権などの低格付け債券に流れていったようです。

欧州危機のように、先進国といえども安全な投資対象とはならなくなってきました・・・

程度の差はあれども、何らかのリスクを抱えるならば、ハイリターン狙い・・・

そう考えたくなるような気がします・・・

少しでも高い分配を早目に確実に・・・

結果・・・毎月分配型に集中してきているのでしょうか・・・

インカムゲインの他、キャピタルゲインも気になるところですが・・・

昨年末からの円安、株高で、投資信託の人気の矛先も変わってくるでしょうか・・・

昨年11月以後、半年間の動向も気になるところです・・・


本日は、『相続財産の範囲と評価③』についてを、お話させていただきます。

1.退職金

①労働者が労働契約の継続中に退職し、退職金を受領してから死亡した場合には、通常の相続財産として扱えば足ります。

問題となりますのは、労働者が労働契約の継続中に死亡し、退職金が支給される、いわゆる死亡退職金の場合です。

すなわち、死亡退職金は被相続人の死亡を契機として発生するところから、相続財産に包含されるかどうかが問題となります。

.受給権者が法律条例等によって定められている場合

この場合、死亡退職金も相続財産に含まれ、受給権者の指定は、あくまでも受取人代表者を定めたにすぎないとする見解もあります。

しかし、判例は、受給権者が法律等で定まっている場合、その物固有の権利であり、相続財産には包含されないとしています。

さらに、私企業の死亡退職金につき、退職金規定(内規)により受給権者が定まっている場合にも、その定められた者固有の権利であって、相続財産に包含されないとしています。

.退職金規定に受給権者が定まっていない場合

この場合は極めて問題であり、学説・判例ともまだ定説は無いようです。

ただ、規定がない場合でも、理事会の決議により配偶者に支給された場合には、受給権者固有の権利であるとする判例はあります。

通常、死亡退職金については法律等で受給権者が定められていますが、これは遺族の生活保護として定められているものです。この点からしますと、規定がなくても、相続財産とするのではなく、生計を共にしていた遺族固有の権利と解するのが、本来の趣旨にかうのではないかと思われます。

この点、受給権者が定まっていない以上は、相続人が取得するべきであるという見解もあります。

②次に、死亡退職金について受給権者固有の権利であると考えた場合に、持戻しが認められるべきかが問題となります。

この点につきましては、肯定する審判例と否定する審判例があります。

個々の事案によって、共同相続人間と受給権利者との生活保障の調和の観点から考えるべきと考えます。

2.遺族年金

これは、死亡退職金と同様に受給権者の固有の権利と考えられます。

そして、持戻しも認めるべきでないと考えらるようです。遺族年金は、死亡退職金よりもさらに受給権者の最低の生活保障という趣旨が強いものでありますから、上記のように考えるべきのようです。

以上、『相続財産の範囲と評価③』についてを、お話させていただきました。

次回は、『相続財産の範囲と評価④』についてを、お話させていただきます。