今日の日経電子版に2013年度の法人税と贈与税の減税に関する次の記事が掲載されていました。

『政府・自民党が11日に決める緊急経済対策に盛り込む減税措置がまとまった。設備投資を拡大する企業や給与を増やす企業に対する減税措置を新設し、研究開発減税の拡大も打ち出す。企業の投資を後押しする狙い。祖父母が孫への教育資金をまとめて贈った場合に贈与税を非課税にする制度も導入する。いずれも2~3年の期限付き措置として2013年度税制改正で実施する。』    
【日本経済新聞電子版平成25年1月9日】

景気対策の後押しと孫世代への資金供与をしやすくし、タンス預金の活性化を目的としたところでしょうか・・・

法人税については・・・

何よりも・・・給与が増えるきっかけとなりうることから有効な手立てではないかと感じました・・・

贈与税については・・・

住宅取得資金の贈与の非課税が昨年と比して減額されていますが・・・

今回は、住宅だけでなく教育資金もその対象としたというところでしょうか・・・

住宅取得資金の非課税の減額をせずに昨年並みの非課税枠でも、よかったのでは・・・

とも、一瞬、思いましたが・・・

教育資金まで、その範囲を広げたことにより、より幅広く利用されることでしょう・・・

預金として眠っている資金を、いかに・・・

市場に流通させるか・・・

教育資金の贈与の非課税は、個人的には良策だなと・・・

思っています。


本日は、『相続人の確定③』についてを、お話させていただきます。

1.相続人の地位が争われる場合

(1)具体例

相続人の地位及び範囲について争いとなる場合には、相続欠格事由の存否や推定相続人廃除事由の存否が争いとなる場合や、婚姻や養子縁組、離婚、離縁、認知などの効力をめぐり、被相続人との身分関係が争点となる場合などがあります。

このようなときは、これらの前提問題が解決するまで、実施上、遺産分割協議を成立させられないことになります。

前提問題に争いがある場合は、次の二つに分けられます。

①戸籍関係書類によって相続人たることが証明できる者のほかに、のちに相続人が加わる可能性がある場合(離婚や離縁の無効を主張して自分が相続人たる地位にあることを主張する者がいる場合など。)

離婚・離縁無効の主張が認められないことが、誰の目からも明らかだというようなときには、その者を除いて分割協議を作成することも事実上、不可能ではないし、またそれに基づく移転登記などもできるでしょう。しかし、すでに、その者から相続人たる地位を前提に、遺産分割審判などの申立てをしている場合や相続人たる地位の確認を求める訴訟が提起されている場合には、必ずしもそうはいきません。

なお、相続開始後に認知によって相続人になった者は、すでに他の共同相続人により分割その他の処分がなされていた場合には、価格のみによる支払の請求権を有します。

そこで、相続人の地位や範囲に争いがある場合のうち、のちに相続人が加わる可能性がある争いのとき、とりあえず争いの対象者を除いて遺産分割協議を行い、問題が解決し、後に争いの対象者である相続人の資格が確認されたときは、民法910条を類推適用して価格による請求をさせられないかが問題となります。

この点について、母の死亡による相続につき、遺産の分割その他の処分後に、共同相続人である子の存在が明らかになった事実において、最高裁は民法784条但し書き、910条の類推適用を否定しています。したがって、当事者たるべき相続人の一部を除外してなされた遺産分割は、民法910条の場合を除いて無効となると言わざるを得ません。

②次に、戸籍関係書類によって相続人であることを証明できる者に対して、相続人たる地位にないことを主張する者がいる争いの場合、すなわち婚姻や養子縁組、認知の無効などを主張して、のちに相続人が減少したり後順位者が相続人になる可能性のある場合があります。この場合には、争いの当事者を含めて遺産分割協議が成立することはないと思われます。

以上、『相続人の確定③』についてを、お話させていただきました。

次回は、『相続人の確定④』についてを、お話させていただきます。