本日は、遺産分割協議がある場合の不動産の所有権移転登記について、お話させていただきます。

不動産を法定相続分ではなく、任意に分割して相続登記するには、それを証する遺産分割協議書等の添付が必要となります。

【申請書類関係】

申請書類:相続を原因とする不動産所有権移転登記申請書
申請人 :相続により不動産を取得した者、または代理人
申請先 :登記する不動産の所在地を管轄する登記所(地方法務局、支局、出張所)
申請時期:特になし
申請費用:所有権移転登録免許税 相続の場合:不動産の価額(固定資産評価額)の1000分の4 司法書士報酬

【添付資料一覧】

ケース① 遺産分割協議がある場合

◇登記原因証明情報
・遺産分割協議書
・被相続人の戸籍、除籍記載事項証明書または戸籍、除籍謄本・・・市役所等
・被相続人の住民票除票または戸籍記載事項証明書もしくは戸籍の附票・・・市役所等
・相続人全員の戸籍記載事項証明書または戸籍謄本・・・市役所等
◇不動産を取得する相続人の住民票(住民証明書)・・・市役所等
◇登記識別情報または登記済証
◇相続人全員の印鑑証明書・・・市役所等
◇固定資産評価額証明書・・・市役所等
◇代理権限証書
◇相続関係説明図


ケース② 遺産分割の審判または調停があった場合

◇登記原因証明情報
・調停調書正本または審判書正本・・・家庭裁判所
◇不動産を取得する相続人の住民票(住所証明書)・・・市役所等
◇固定資産評価証明書・・・市役所等
◇代理権限証書
◇相続関係説明図


ケース③ 特別受益者を除いて遺産分割協議をした場合

◇登記原因証明情報
・遺産分割協議書
・被相続人の戸籍、除籍記載事項証明書または戸籍、除籍謄本・・・市役所等
・被相続人の住民票除票・・・市役所等
・相続人全員の戸籍記載事項証明書または戸籍謄本・・・市役所等
◇不動産を取得する相続人の住民票(住所証明書)・・・市役所等
◇登記識別情報または登記済証
◇相続人全員の印鑑証明書・・・市役所等
◇固定資産評価額証明書・・・市役所等
◇代理権限証書
◇相続関係説明図

【概要】

法定相続分(民900)ではなく、遺産を任意に分割して相続登記するには、遺産分割協議(書)が必要です。
遺産分割協議書には相続人全員の署名押印(実印)が必要です。

ケース① 遺産分割協議ある場合
遺産分割虚偽がある場合には、住民票は不動産を相続した相続人だけが必要となります。

ケース② 遺産分割の審判または調停があった場合
遺産分割が家庭裁判所の調停または審判による場合には、いずれも確定証明書付きの調停調書の正本または審判書の正本を添付します。
なお、この場合には、戸籍記載事項証明書または戸籍謄本および印鑑証明書の添付は不要です。

ケース③ 特別受益者を除いて遺産分割協議をした場合

特別協議者を除いて行われた遺産分割協議は有効とされます。
この場合、その特別受益者の印鑑証明書(期限の定めはありません。)と共に実印を押印した特別受益証明書を添付して相続登記を行います。


以上、不動産の遺産分割協議がある場合の所有権移転登記』について、お話させていただきました。