明日23日(土)につくば国際会議場で午後2時50分から住宅取得のためのライフプランのセミナーを行います。

内容は、概ね、次の通りです。

是非、ご来場ください・・・


1.住宅取得のためのライフプランと消費増税のお話

ダイヤモンド社に掲載されていた記事に消費税があがってもマンションは絶対値上がりしません。そのわけは・・・というくだりの記事がありました。

某大手デベロッパーの社員の方が書かれた記事です。

内容は、まず一点目として『分譲マンションはあらかじめ消費税を決めるのが難しい商品』とあります。

この理由は、マンションの価格とは税込に価格を決めてから、消費税を算出するからだそうです。

マンションの価格は土地価格+建物価格+建物にかかる消費税の3つで構成されています。

土地の価格には消費税がかかりません。

消費税のかかる商品でその一部には消費税がかかって、その他の部分には消費税がかからない、このような商品は分譲マンションか分譲戸建住宅ぐらいのものではないでしょうか・・・

このように分譲マンションや分譲戸建住宅は価格の内訳が面倒であり、1戸1戸価格も違うのであらかじめ土地と建物と諸費税を分けることが難しいこととなります。

そしてケースによってはモデルルームのオープンの時点ではあくまで予定価格としておき、決定した価格は後日発表するという場合があります。

これは、モデルルームオープン時はあくまでも、税込の総額でいくらまでついてこれるかを見極めるためで、予定価格を提示する理由は少しでも高く売りたいからです。

そしてこの予定価格を参考にして売れる価格をきめて税込み価格を決定します。

この税込み価格が決定したら、土地と建物の価格に分けるのですがデベッロパーは、国に納付する消費税を抑えるためになるべく高く土地の価格を設定します。

そして残ったのが税込みの建物価格です。

その建物価格を消費税率で割戻す(現状であれば÷1.05)と建物本体価格となります。その残りが消費税額となるわけです。

このように、消費税が何%であろうと税込の総額は変わらないケースが多いようです。

要は、消費税が上がった分はデベロッパーが負担することとなります。

消費税の駆け込み需要は、分譲マンションの土地+建物の価格が決定した後に消費税がかかるので、消費税増額分が高くなりますよとのデベロッパーの営業マンやマスコミの煽りにもよるものでしょう。

そして、消費増税後の駆け込み需要の後には、消費増税前と比べ買いたい人が減ってくるでしょう。

マンションの価格を決めるのは受給バランスとなりますので、買いたい人が減れば価格は下がることとなります。

巷で言われる消費増税後の景気の落ち込みとつながってきます。

政府は、この反動を恐れて、消費増税後は住宅ローン減額の拡充やすまい給付金などの策を講じて消費増税後の反動の影響を、抑えようとしています。

このように考えますと、消費増税前に自分の希望を完全に満たしていない物件は、無理して購入することはなさそうです。

消費増税に振り回されずに、じっくり、選んで物件購入を決めた方が得策のようです。

気にすべきは、住宅ローンの金利の上昇でしょう。

低金利のうちに購入できるか否かによって大きく住宅ローンの返済額は変わってきます。

住宅ローンの金利情勢は、要チエックです。

消費増税に話を戻しますと、住宅購入にとって大事なのは、物件購入時に払う消費税の増額云々よりも、むしろ、消費増税後の消費増税が与える家計への影響でしょう。

大手の経済研究所の試算では、消費税が5%から10%になった時に与える家計の影響度として、年収500万円、家族4人、専業主婦家庭で、年間おおよそ17万円が家計に影響を与えそうとしています。

つまり、現状と同じ生活を維持するためには、年間17万円のコストが余計にかかることとなります。

これが、住宅ローンの返済期間を30年とすると、その30年間で実に、おおよそ510万円もの負担増となってきます。

土地の値上がりも期待できない、消費税の負担も増えていく、・・・このような現状を考えると、これから、住宅の購入を考えている人は、一度、ライフプランのキャッシュフロー表を作成して、老後の生活の準備資金や子どもにかけられる教育資金、さらには必要な生活資金とじっくり向き合ったうえで、住宅にかけられる資金を考えてほしいなと思います。

住宅を購入したものの、老後の生活に窮するようでは本末転倒です。

一般の給与所得者で老後のために準備しておきたい金額は、おおよそ2000万円から3000万円といわれています。

老後に使う生活費やレジャー費等の合計額から老後にもらえる公的年金を差し引いた分がその準備資金となってきます。

老後の準備資金、子どもの教育費、日々の生活費、を計算して、その残りを住宅購入可能金額と考えることが無難でしょう。

そして、最も大事なのは、健康です・・・

体を壊してしまっては元も子もありません・・・

保険金もでない・・・だけど、就業不能・・・そうなってくると医療保険の給付金等ではお話にはなりません・・・

生命保険金には給付される条件があります、死亡や高度障害等々・・・

給付される条件に適合しない・・・だけど就業不能状態になってしまった・・・

住宅ローンの団信の生命保険も同様で、給付されない・・・

健康リスクは、確率は非常に低いでしょうが、一番大きなリスクかもしれません・・・

煙草は止める・・・塩分は控える・・・熱いものは取り過ぎない・・・等々、先ずは生活習慣病を回避するための生活改善が重要かも知れません。

ライフプランを考える・・・健康に気をつける・・・これが、住宅取得に備えて欲しいことと思います。

この内容のセミナーを11月23日(土)につくば国際会議場で開催される『FPの日フォーラム』のミニセミナーでお話させていただきます。

これから、住宅の購入を考えている人は、是非、ご来場ください。

他にメインセミナーとして、伊藤元重東京大学教授のセミナーもあります。

詳しくは、日本FP協会茨城支部のHP(http://www.jafp.or.jp/shibu/ibaraki/) をご覧ください。


2.住宅取得のためのライフプランと相続税改正のお話

今年の税制改正で相続税の基礎控除額が現状の60%に減額されることとなりました・・

実施されるのは再来年の平成27年からです・・・

再来年といっても今年も残りわずか・・・実質、あと一年と迫ってきました・・・

基礎控除額が60%になるというのは・・・どういうことか・・・と申しますと・・・

一次相続で相続人が母と子ども2人の合計3人の場合、現状の相続税法の基礎控除額は、5000万円+1000万円×3人=8000万円となりますが、改正後の基礎控除額は、3000万円+600万円×3人=4800万円となり、実に、その差額は3200万円となります。

つまり、再来年からは、相続人が3人の場合、相続財産の課税価格が4800万円を超えてくると、相続税がかかってくることになってきます。

相続税の課税価額とは、被相続人が相続開始の時に所有していた財産を、相続税法の財産評価基本通達に基づく計算方法で評価した金額の合計額から、債務(住宅ローンや事業用のローン、敷金や預り金の将来返済義務のあるもの等)や葬式費用を控除した残額となります。

相続税がかかってきそうな場合は、相続税対策として相続税の課税価格を下げていく手段を講じていくわけです・・・

が・・・大事なことは相続人間の遺産分割と納税対策となってきますので、相続税の課税価格を下げることばかりに気を取られ相続財産のほとんどを、相続税の課税価格を下げやすい不動産に集中させてしまうと本末転倒の結果となりかねません。

遺産分割で思うように分けられない・・・いざ、納税という時に、結果、不動産を売却しなければならなったが思うように売れない・・・等々・・・

特に、平生18年から物納要件が厳しくなったことにより、延納によっても金銭で納付することが困難でなければ物納は認められなくなりましたし、他には隣地や道路との境界が確定していること、土壌汚染がされていないことなどの条件も厳格に求められています。

これは、平成18年にファンドに対する不動産融資が厳格に規制(信託受益権化する不動産の融資については法令順守や土壌汚染リスクの対策などをきちんと抑えておくことが義務付けられた)されてきたときと同時に決めらたものです。

高額な不動産の取引が厳格化されたことに伴っての処置であったようです。

このように、相続対策は相続人での分割方法を考えて、納税の方法を考えて、そして節税できる方法を考えていくこととなります。

優先順位が相続税の節税でも構わないとは思いますが、あくまでも分割のしやすさと意識して納税のしやすさを考えていきながら進めていくべきでしょう。

現預金や多くの金融資産は相続開始時の額面が相続税評価額となりますが、土地の場合は路線価という国が算定した相続税の財産評価の基準となる数値をつかって求めます。(市街化調整区域内の多くは路線価が付されていませんので固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します)

この路線価は、公示価格か基準地価格(いわゆる時価・・に近い金額)の8割程度で設定されますので、例えば現金5000万円で土地を購入すれば相続税評価額は何をせずとも4000万円近い評価額となってきます。

さらに、この土地に現金で5000万円のアパートを建てた場合(この土地の借地権が60%、借家権が30%として)4000万円×(1-借地権70%×借家権30%)=3160万円の評価額となります。

さらに、さらに、建物の相続税の評価額については固定資産税評価額となりますので時価のおおよそ60%程度が目安となってきます。

つまり、何をしなくても5000万円×60%=3000万円となり、アパートのような貸家の場合は借家権相当分が控除されますので、3000万円×(1-30%)=2100万円となってきます。

これを土地と建物で考えた場合、5000万円+5000万円=10000万円が3160万円+2100万円=5260万円となりその差額4740万円相当の相続税評価額の減額効果が得られることとなります。

この場合に、現金が準備できなければ銀行から借り入れしてその対価にあてることとなります。

その借入金が債務として相続税の評価額を下げる役割を担うこととなります。

この対策から得た相続税の評価額の減額分4740万円は相続人が3人の場合の基礎控除額の減額分3200万円を上回ってきます。

一見、よさげに見えますが、注意をしなければいけないのは、そのアパートの計画がシビアな事業計画書によって検討されたものかでしょう。

アパート等の建築業者は、まず、契約ありきとなりますので事業リスクにはあまり触れない事業計画書を提出してくる場合があります・・・

金利の変動を何も考えていない計画、あろうことかそれを指摘すれば銀行がお金を貸してくれるということは金利上昇によるリスクはない・・・だって、銀行が貸すのだからと言い切ったアパート建築の営業のかたもいたくらいです。

また銀行も、アパートの事業収支も・・もちろん重要な判断基準となりますが、担保がしっかりしている場合や、その他の不動産に根抵当権がつけられるなど、いざというときの回収に不備を残さないような案件であればその融資は通るでしょう。

要は、銀行の判断そのもは、100%の信頼は置かない方がよろしいでしょう・・・最後に何かしらの方法で回収出来ればよいわけです。

相続税の減額を狙っての土地活用であっても、事業としてきちんと成り立つものを行うべきでしょう・・・

そして、その事業収入のストックで納税資金を貯めていく方法もあります。

もっとも、多くの不動産を所有しているかたの場合は、単独の土地活用の検討よりも優先して大事なことは不動産の現状分析を行って、残すものと、活用するものと、納税用にするものと、処分する土地、等に分類することでしょう。その分類をしてからでないと、遺産分割や納税対策、さらには節税対策の検討には着手できませんので、まずは・・・相続に詳しい不動産コンサルタント等に相談してみるべきでしょう。

そして、自分の希望通りの分割を考えてみる、希望通りの土地活用を考えてみる、納税の方法を考えてみる・・・そして出来得る限りの節税を考えていく・・・生前贈与なども効果的です・・・

また、不動産は自宅しかないというかたも安心ではありません・・・

再来年の相続税の基礎控除額の減額により都市部や都市近郊の路線価の高い地域に住宅を所有しているかたは相続税の納税の対象となる可能性が高まってきます・・・

一次相続は配偶者の優遇措置(配偶者の税額軽減)がありますので相続税のかかるケースは少なくなりますが、問題は2次相続でしょう・・・

2次相続でのポイントは『小規模宅地等の相続税の課税価格計算の特例の適用の適用』が受けられるか否かとなるでしょう。

基本的には親との同居が前提です・・若しくは相続開始前3年以内は持ち家を持たなくするとか・・・

この要件をきちんと確認して、今後のライフイベントを考えていくという方法もあります。

将来、実家に住むのであれば、今の住居は賃貸でいいのか・・・賃料を払い続けて大家さんだけが儲かるのに抵抗があれば持ち家とするか・・・どっちの選択がいいのかということになってきます。

このような後半部分の・・・不動産は自宅しかないような場合の住宅取得をどう考えるのか・・・

この内容のセミナーを11月23日(土)につくば国際会議場で開催される『FPの日フォーラム』のミニセミナーでお話させていただきます。

これから、住宅の購入を考えている人は、是非、ご来場ください。

他にメインセミナーとして、伊藤元重東京大学教授のセミナーもあります。

詳しくは、日本FP協会茨城支部のHP(http://www.jafp.or.jp/shibu/ibaraki/) をご覧ください。