生命保険の解約返戻金を埋蔵金に例えた記事が、日本経済新聞に掲載されていました。

埋蔵金という見出しに・・・これは何・・・?と、興味本位で一気に読みふけってしまいました。

非常に興味深い記事でしたので、原文のまま紹介させていただきます。


先日、40代のご夫婦から相談を受けました。1990年代後半と2000年代初めにかんぽ生命の養老保険に加入していますが、最近人気の医療保険とがん保険に新規加入を考えている、とのことです。私は現状の契約内容を確認し「その必要はないのでは」とアドバイスしました。養老保険の「埋蔵金」で十分対応できると判断したからです。

保険の埋蔵金と聞くと「保険会社に『隠し金』でもあるのか?」と思われるかもしれませんが、私が埋蔵金と呼んでいるのは、お客様の「自己資金」のことです。終身保険や養老保険、個人年金保険、学資保険など、中途解約や満期時に相当額のお金が払い戻される契約の中に蓄えられているお金です。

例えば一生涯の死亡保障が約束されている終身保険では、中途解約しても契約後の経過年数に応じた額のお金が払い戻されます。保険会社がお客様からいただく保険料のうち、相当部分が、将来必ず発生することになる保険金支払いに備えて積み立てられているため、解約時には積み立て分のお金が払い戻されるのです。

同様に養老保険でも満期時に契約期間中の死亡保障額と同額の「満期金」を支払うための積み立て分が、個人年金保険や学資保険にも将来の年金や進学資金を支払うための積み立て分がそれぞれあります。したがって、これらの保険では契約期間中に相当額の自己資金が蓄えられている状態なのです。

冒頭のご夫婦の例を詳しくみてみましょう。養老保険2本分の月払い保険料は3万円弱。満期は2027年と2032年でまだまだ先ですが、これらをいま解約すると約300万円のお金が払い戻されます。既にそれだけのお金が積み立てられているわけです。

加入を検討していた医療保険は主に入院に備える保険ですが、見込める給付金の額は一般に10万円単位だと思われます。もう一つのがん保険で最もありがたみがあるのは診断時の給付金ですが、売れ筋プランの場合100万円です。

ご夫婦には養老保険で既に300万円ほどの「埋蔵金」があるわけですから、いざとなったらかんぽ生命の契約を解約したり、保険金を「減額」したりする手があります。いつでも300万円の現金を用意できる人が、入院日額1万円や診断時の給付金100万円にこだわる必要はないはずなのです。

もちろん「治療が長引いたら、解約時に払い戻されるお金では足りなくなるのではないか」「がんが再発したらどうなるのか」「もともと加入している保険の満期金は老後資金用であって、大病などに備えるものではない」といったご意見もあるかもしれません。お気持ちは分かります。とはいえ、そもそも保険はあらゆる可能性をイメージして利用すべきものではありません。イメージは無限ですが、お金は有限だからです。

このご夫婦が医療保険やがん保険に新たに加入し直し、老後の保険料負担を減らすために60歳までに保険料を払い込んでしまうと仮定しましょう。商品にもよりますが、800万円程度の買い物をすることになります。老後資金うんぬんと絡めれば、持ち家のリフォーム資金や生活費を「あらかじめ取り崩すことになる」といった視点も必要でしょう。

加入している保険を解約した場合に払い戻される「埋蔵金」の額については、その保険会社で随時確認できます。例えば学資保険でも、満期金等の受取総額が払い込み保険料の総額を下回るケースなどが散見されるため、積み立て部分がある保険は「すべて継続すべき」とはなりません。それでも、確認は必ずしておくことをお勧めします。
【日本経済新聞WEB版(2/2ページ) 2013/2/15 】

保険の加入での悩みどころは、医療保険や介護保険かもしれません。

がん保険の保険料は、それほどの負担にもならず、万が一の保障を用意しておくという点では、悩みが少ないものと思います。

医療保険は・・・確かに入院給付金1万円として、払い込み保険料分の入院給付金を受けるためには・・・何日間の入院が必要となることか・・・

逆にいえば、保険会社にとっては、優良な収益源となるものでしょう・・・

とはいえ、万が一の病気に備えて・・・長期入院となったらどうしよう・・・入院中の子供の面倒はどうしよう等々・・・の心配はつきないものと思います。

医療や介護の保険の判断は・・・

上記の記事にあったように、お金は有限です。

どこかで、優先順位を整理しての決断が必要となってきます。

こんな時は、ぜひ、ライフプランを作成してみてください。

ライフプランを造りながら、あれこれ、考えていると、優先順位が見えてきて、すっきりとした気分で決断がつくかもしれません。

大事なことは、解約返戻金を、随時、確認する。

都度、ライフプランを修正しながら、検討していく・・・

当たり前のことを・・・

当たり前にやっておくことこそが、一番重要な資産防衛法かもしれません・・・。



本日は、『どういう場合に遺言が必要ですか』についてお話させていただきます、

相続をめぐるお話を受けたとき、『遺言さえあれば争いは生じなかったのに』とか『遺言さえあればこのように不当な結果にならなかったのに』と感じることは、多々、あることです。

遺言は誰もが遺しておくことが望ましいのですが、とりわけ遺言を必要とされる方は次のような方です。

◇法律で定められている相続人に遺産を分けてやりたくない場合

親不幸で浪費癖のある子どもや、離婚訴訟中の配偶者、離縁訴訟中の養子などには財産をやりたくないと思っても、遺言なしに死亡すると、これらの人も当然に相続してしまいます。そこで遺言で他の人に相続させる必要があります。

◇子どものいない夫婦や内縁の夫婦の場合

法定相続では、子供のいない夫婦の場合、どちらかが死亡すると相続人は配偶者と被相続人の親または兄弟姉妹になります。

しかし遺言さえしておけば、自分の配偶者にすべて相続させることができます。特に相続人が兄弟姉妹の場合には、遺留分もないので、一切口出しをさせずにすみます。

また実質は夫婦として生活してきながら、婚姻届を出していないいわゆる内縁関係の場合、内縁配偶者に相続させたければ遺言をしておかなければなりません。

そうでないと、他に相続人がいる場合、内縁配偶者は何も相続できないことになります。

以上、『どういう場合に遺言が必要ですか』について、お話させていただきました。

次回は、また今回の続きとして、遺言の必要なケースについてお話させていただきます。