昨日、郵便で不動産流通近代化センターから不動産コンサルティング技能の新名称の案内が届きました。

新名称は、『公認 不動産コンサルティングマスタ―』で決まったようです・・・

発足して、早20年になるようですが、その20周年を迎えての新名称への改定だったようです。

そういえば・・・

昨年夏に、新名称を公募する案内が届いてました。

なかなか、いい名称も思い浮かばずに、申し込みもせずにいました・・・

頭につく公認は何を意味するのかと思いつつも、このように、改善していく姿勢はありがたいなと感じています。

日本FP協会もCMを流し始めたりと・・・

改善の方向性は、すごく、ありがたく感じています。

不動産流通近代化センターでは、新たに『相続対策専門士』の認定講座を始めるようです。

似たようなものは、『相続診断士』や『相続士』、『相続アドバイザー』等々、があります。

相続でのビジネス拡充のため、不動産業・保険業・金融機関・士業や独立系FP等々を対象とした相続講座が目白押しとなってきた感があります。

相続対策は民法、税法(相続のみならず、所得や法人消費も)、不動産、保険等の高度な知識が必要になると感じています。

相続財産の現状分析から分割対策、納税対策、税務対策(タックスプランニング)、不動産対策、保険対策・・等々・・・の総体的な提案が出来ないと相続のお客様の対応は難しいと感じています。

民法、税法、不動産はかなり、マスターしてきたと自負していますが・・・

いまは、保険や金融のブラッシュアップに励んでいます・・・

好きこそものの上手なれ・・・

なじみの無かった分野の理解は難しく、苦戦の日々を送っています・・・



本日は、『相続財産の範囲と評価②』について、お話させていただきます。

1.賃借権

①賃借権も財産上の権利である以上、相続財産に含まれます。

②賃借権の相続における問題点は、借家人が死亡した場合に、この賃借人と同居していなかった相続人がこの賃借権を相続し、この結果、借家人と同居していた内縁の配偶者が、住居を奪われるのではないかという点です。

この点に関しましては、判例は、あくまでも賃借権は相続人に帰属することを認めたうえで、内縁の配偶者などの同居人は、相続人が取得した借家権を援用し居住の継続を主張しうるとという見解に立っています。

実務上は、判例理論が定着していますが、この見解は、居住の利益は同居人に、賃借権に伴う権利義務は相続人に帰属することとなりますので、若干の問題は残ることとなりえます。

2.損害賠償請求権

①被相続人の有体財産についての損害賠償請求権は、財産上の権利であり、これが相続の対象となることは明らかです。

②これに対し、生命侵害による損害賠償請求権については、民法が被相続人の一身専属権を相続の対象からはずしていることから問題となります。

特に、生命侵害に伴う慰謝料請求につきましては、精神的苦痛が極めて主観的なものであることから、一身専属権として相続の対象とならないのではないかとも考えられます。
過去の判例では、最高裁の慰謝料請求権も相続の対象になるとしたものがあります。

3.生命保険金

①生命保険金請求権は、その取得が、死亡の原因とする点で相続と類似するが、保険契約で受取人を個別的に定めることができるという点で相続人が規定されている相続の場合と異なります。

②そこで、以下のとおり場合を分けて検討します。

.保険金の受取人として特定人(妻あるいは夫)が指定されている場合
この場合、生命保険契約は第三者のためにする契約であるから、その契約の効果として、受取人が生命保険契約請求権を自分の固有の権利として取得します。
したがって、この場合には相続財産に包含されないこととなります。

.保険金の受取人を単に『相続人』とした場合
この点につきましては、相続財産に含まれると考える見解もありますが、この場合の表示は、保険契約者の相続人たるべき個人を表示するものにすぎず、相続財産に包含されないと考えるべきです。

.このように、生命保険金請求権を生命保険金受取人の固有の権利であるとすると、保険金受取人は、これとは別個に、他の共同相続人と共に相続財産からも遺産分割を受けることとなります。こう解すると、生命保険金が高額になっている現在の状況から、生命保険金の受取人となった相続人があまりにも有利となり、相続人間の衡平を欠くこととなります。

これを、調整する方法が、持ち戻しであり、保険金を持ち戻しとした審判例もあります。
また、持ち戻しの対象とされたものは、当然遺留分算定の基礎財産に算入され、減殺の対象となります。

以上、『相続財産の範囲と評価②』についてを、お話させていただきました。

次回は、『相続財産の範囲と評価③』についてを、お話させていただきます。