アベノミクスの効果もあってか、不動産投資への人気が高まりそうな感じです。

不動産投資でのリスクは、何といっても空室リスクでしょうか・・・

人口減少傾向にあるなか、賃貸物件の供給は増えてきています。

立地他にもよりますが、新しいうちは入居率がよいものの、築10年を超えてくると入居率
は一気に下がってくる傾向があります。

無理して不動産投資をすると、投資のための借入金の返済おぼつかなくなり、最悪は、競売にかけて、その残債務だけが残ったということにもなりまねません。

今日は、そんな不動産投資に参考となりそうな日本経済新聞WEB版の記事を原文のまま、紹介させていただきます。

『不動産投資は楽じゃない、勝ち組大家」の汗と涙』と題したこの記事は、非常に参考になるものと思いますので、是非、ご覧になってみてください。

個人がマンションなどの不動産投資に動いている。株高による資産効果に加え、日銀が物価上昇目標を掲げたことで価格上昇期待が高まっている。ただ、成果をあげるのは容易ではない。汗と涙にまみれて生き残る大家たちの取り組みを追った。

「自ら行動しない限り空室は埋まらない」。東急田園都市線の青葉台駅(横浜市)から徒歩40分の住宅地にアパートを所有する林浩一さん(52)はそうつぶやく。元はホテルマン。父親の物件を継いだ3年前、大家になった。

■小まめに掃除

アパート3棟のうち2棟は築20年以上。もう1棟は2011年に建てた木造。「駅から徒歩10分以内」などの条件で絞り込まれれば「目にとまる可能性は限りなく低い」(林さん)。それでも全60戸が埋まるのは努力と着想の成果だ。

物件資料を持ち込んだ仲介業者は150社以上。資料はカラー写真を使いラミネート加工までしている。地元のカフェや居酒屋にパンフレットを置き、動画投稿サイト「ユーチューブ」でも物件を紹介。ペット可にして賃料下落を防ぎ、掃除も管理会社に任せず小まめにする。林さんいわく「大家はサービス業」だ。

東日本不動産流通機構(東京・千代田)がまとめた3月の首都圏の中古マンション成約件数は7カ月連続で前年を上回った。不動産経済研究所(東京・新宿)によると3月の首都圏の新築マンション発売戸数も前年同月比で約5割増となった。背景には内外の個人が日本の不動産に熱い視線を注いでいることがある。

■相続増税で関心

米系不動産大手ジョーンズ・ラング・ラサール(東京・千代田)が12年11月、シンガポールで開いた東京・新宿の高層マンションの商談会は140組もの夫婦らでにぎわった。その後の商談会も「毎回、物件の3~4割が成約する」(同社)。海外の富裕層には、円安の進行で日本の不動産が従来以上に割安に映る。賃料上昇への期待も大きい。

国内でも投資用不動産の検索サイト「健美家」の月間の利用者数は昨年9月の15万人が今年3月時点で22万人に増えた。15年からの相続増税に備え、節税目的で賃貸住宅の建設に関心を持つ人も増えている。

ただ、現実の不動産運用では甘い見通しは通用しない。06年に静岡市の物件を継ぎ、会社を辞めて専業大家になった落合淑彦さん(53)の経験が参考になる。

当初の空室率は1.3%。「実情を知らず、左うちわだと思っていた」。しかし、リーマン・ショックが起きた08年に空室率は8.5%まで急上昇。借り手探しの営業努力をせざるを得なくなった。

内見に来た人にアピールするため、各部屋に「朝日が入らず、安眠できます」などと特徴を書いた店頭販促(POP)を貼付。地域住民の年齢構成など、周辺環境の情報も提供した。チラシは捨てられるため「物件うちわ」を作成した。

だが、10年には空室率が9%近くまで上昇。そこで今度は入居者の希望通りの間取りにするリノベーションの仕組みを設けた。改装コストはかかるが、家賃を維持できる。空室率はようやく0.8%に下がった。

■空室率なお上昇

不動産投資家にとって、空室率の抑制が年々厳しくなっているのも確かだ。総務省の調査によると、賃貸住宅の空室率は上昇を続け、08年は18.8%(グラフA)。人口減にもかかわらず物件数が増えているためだ。

さらにみずほコーポレート銀行の試算では、10年に12.6兆円の規模があった賃貸住宅市場は、30年に30%減の8.8兆円にまで縮む(グラフB)。今、不動産投資を始めようという人は、短期間で転売しない限り、この現実と向き合わざるを得ない。同行産業調査部の宿利敬史氏は「将来需要が限られる以上、立地や利便性にこだわった方がいい」と強調。不動産コンサルタントの長嶋修氏も「長い目では、市場全体として逆風が吹き続けることを踏まえるべきだ」と話す。

もちろん、それでも不動産投資ならではの魅力があるのも確かだろう。「株式など市場と向き合うしかない投資と違い、自分好みに物件自体を変えたり、営業を工夫したりして、リターンを大きくできるのがいい」と話すのは東京都の兼業大家、渡辺よしゆきさん(39)。10年に購入したのは埼玉県小川町の「廃虚寸前」のアパートで、空室率は75%。しかも直後に床下浸水が見つかったり、入居者が亡くなったり、厳しいスタートだった。

そこから部屋を家具、家電付きに一新。「出会った人全員がお客さんだと思って」営業を続けた。全8室が埋まった今も2週に1度は小売店勤務を終えた後、往復3時間かけアパートの掃除に行く。現在は別の築30年の物件も検討中。「家から近いので、もっと手を掛けて満室にできるはず」

「成功者は100人に2、3人。通帳の残高だけに興味がある人は絶対に嫌になる」と渡辺さん。長い目で見れば大家受難の時代。個人で勝ち組になるのは、資産運用にとどまらない事業感覚と、汗をかく覚悟を持つ人に限られるだろう。
【日本経済新聞WEB版2013/4/27 】

いかがでしたでしょうか・・・

不動産投資、つまりは賃貸経営も、年々厳しものとなっているようです。

駅に近いとか、陽当たりが抜群にいいとか、生活利便施設に近いとか、小学校に近いとか、何か強みとなる条件があるものを求めることが無難でしょう。

あとは、自分で、汗をかくことが大事なのかもしれません。

これからの賃貸経営は、本当に、難しいものかもしれません。

くれぐれも・・・慎重に考えてみてください。


本日は、『賃貸借に係わる金銭②』について、お話させていただきます。

1 共益費、付加使用料とは・・・

貸ビルやアパートを借りる場合には、賃料のほかに共益費を支払います。
共益費とは、共同で使用するエレベーター・廊下・階段などの電気料および清掃保守料等に充てるためのもので、名称としては、ほかに共通費、管理費などが使われます。

本来は、月々にかかった実費を清算すべきものとなりますが、計算が面倒なため、毎月一定額と決められるのが一般的となります。実際よりも多い額を共益費の名目で徴収し、実質的には賃料の上乗せとなっていることもあります。

付加使用料とは、借りた部屋の中で使う電気・水道・冷暖房・部屋の清掃費などで、賃借人が使った分の実費を支払うのが原則となります。

以上、『賃貸借に係わる金銭②』について、お話させていただきました。

次回は、『賃貸借に係わる金銭③』について、お話させていただきます。