昨日の日経新聞WEB版で、『農業再生へ農地法を大胆に見直すべきだ』という記事が掲載されていました。

日本の農業は、後継者不足もあって、一部、瀕死の状況となりつつ側面があると感じています。

日経新聞WEB版では、そんな日本の農業の再生にとって必要な農地法の見直しについて、次の様に述べていました。

『農業政策の柱である農地法は時代遅れになった。経営規模の拡大を阻むだけでなく、耕作放棄地を増やす要因にもなっている。政府は農林水産業を成長戦略の重点分野に位置づける。これを契機に農地法は大胆に見直し、農業再生に結びつけてほしい。

1952年に施行された農地法は、475万の農家が新たに農地を所有するようになった農地改革の成果を維持することが目的だ。そのため農地の売買や賃貸借を制限し、農地の集約や規模拡大を難しくしている。2010年までの50年間で、コメ農家の生産規模拡大は2倍に満たない。

政府は09年に農地法を改正し、所有者と合意すれば一般企業も農地を借りられるようにした。しかし、企業は依然として農地の所有を認められず、農地を所有できる農業生産法人への出資も50%未満に制限されている。

農地の所有や利用制限は耕作放棄の増加も招いている。耕作放棄地の面積は40万ヘクタールと20年間で1.8倍に増えた。中でも農家でない親族が相続し、手つかずになった農地が2.7倍に増えている。

251万人いる日本の農業人口は65歳以上が6割を占める。今後は引退する人が増え、このままでは耕作放棄地が急激に拡大してしまう。もはや小手先の利用促進策では間に合わない。

企業や意欲のある生産者が規模を拡大できるように思い切った規制緩和がいる。どの農家が農地を貸そうとしているか、だれでも知ることができる情報公開も欠かせない。耕作放棄地に農地としての優遇税制はいらない。

農地の売買や貸借で許可権限を握る全国の農業委員会のあり方も抜本的に考え直すべきだ。

また、農地法は農地を耕してコメや麦などをつくる耕地に限定している。耕作地としての条件が悪く放棄地となった場所を利用して野菜工場や養鶏施設などを建てる場合でも、マンションを建てるのと同じような農地からの転用許可を求められる。

政府は農業と食品製造、販売を融合して地域を活性化する「6次産業化」政策も推進するのだから、農地はひろく農業経営のための場所ととらえて支援すべきだ。

農地法とともに細分化された農家を前提にし、原則として独占禁止法の適用除外となる農協制度も、消費者の視点をとり入れて改革を進めてほしい。』

以上【日本経済新聞WEB版 H25.1.25 】

そもそも論としましては、現行の農地法は、戦後の農地改革により誕生した小規模農家を保護する目的があったようです。

大規模農家に吸収されないように、売買や賃借の制限を、かけてきたということでしょうか・・・

そのつけとして・・・

小規模農家であるがゆえの効率の悪さ・・・例えば、設備投資一つとっても、各農家に一台の耕運機やトラクター・・・地域全体としての生産性を考えれば・・・過剰投資では・・・と思えなくないこともありません。

そして、大きな農業法人を設立し、大規模な農業生産を行っていくうえでの、各種規制の壁・・・決定的には・・・農地を借りるしかない・・・所有できない等々・・・

さらには、耕作不向きな農地を加工工場にすることもできない等々・・・

農業に関しては・・・

まさに規制緩和・・・緩和というよりも、今までの無理難題のおかしな規制を排除し、まともな状態にすることが重要なのではと・・・個人的に思います。

そもそも、戦後の農地改革は、米国は何を目的としていたのでしょうか・・・

大地主の資産家をなくし、小作で働いて人達にも、農地を分け与え、皆、平等とする・・・

財閥解体しかり・・・

産業についていえば、戦後に勃発した朝鮮やベトナム戦争等により・・・

昔の財閥の形態ではありませんが、企業グループとして、復活を遂げました。

大きな違いは、創業家による支配はなくなったということでしょうか・・・

農業は、そのまま、大規模化することなく、小規模農家主体の、そのとりまとめをJAが担うという図式が確立され、そのまま推移してきています。

人口の増加にあわせて、都市近郊の農地は、住宅に生まれ変われ、農業所得から不動産所得へ転換していく農家さんも増えることとなってきました。

JAさんは、その時代の流れに乗って、いつしか、金融機関や不動産管理の役割を担うことが多くなってきました。

そして、現状では・・・後継者不足もあり・・・耕作放棄地があふれるようになってきました。

これからの、世界的な人口増加を考えると・・・今まで通り、世界の食料を売ってもらえるとも、限りません・・・

戦後の農地改革にあわせて考えられた農地法は・・・

今となっては・・・

時代に適合したかたちに・・・

変えるべきと考えてしまいます・・・


本日は、『寄与分②』について、ご紹介させていただきます。

1.寄与分の主体と寄与の範囲

①共同相続人
民法904条の2第1項に『共同相続人中に』と規定されていること、及び寄与分が相続分の修正要素とされていることから、寄与分を主張することのできる者は、現実に遺産分割に参加する共同相続人に限られます。
よって、第1順位の相続人が共同相続人である場合に、第2順位以下の相続人(配偶者と子が共同相続人である場合の直系尊属や兄弟姉妹)に特別の寄与分が存したとしても、それらの者は寄与分の請求をすることはできません。
また共同相続人でも、欠格者、被相続人により廃除された者、相続放棄をした者は、相続資格を失うことになりますから、寄与分を請求することはできません。

②代襲相続人
代襲相続人も、『共同相続人』である以上、寄与分を主張することができます。ただし、その主張する寄与が代襲者自身のものか、あるいは被代襲者によるものかによって、次のような問題があります。

.代襲相続人自らが財産の形成に寄与した場合に、その寄与分を主張することが許されるか。
この点につきましては、寄与者の『共同相続人』という資格を重視する立場からは、代襲原因が生じる以前の寄与行為につきましては代襲相続人に相続人たる資格がなかったことを理由に、寄与分の主張を否定する見解が存します。
しかし、遺産分割時点で相続人であれば資格要件を充たしていると考えられる上、共同相続人間の実質的衡平を図るという寄与分制度の目的を重視すれば、代襲相続の原因の前後で区別する必要はなく、すべての寄与分を主張できるものと解する立場が有力のようです。

.被代襲者が財産の形成に寄与した場合に、代襲相続人がその寄与分を主張することが許されるか。
この点も肯定する立場が実務上有力です。理由としましては・・・
ィ.代襲相続人が被代襲者の地位を承継し、得べかりし相続分をそのまま取得すべきであること、あるいは代襲者の取得すべかりし相続分は寄与分が一体として含まれていること。
ロ・代襲相続が代襲相続人の不利益を回避し相続人間の衡平を図る制度であるので、肯定した方が相続人間の衡平に適すること。
ハ.肯定しても一身専属制を持たない財産権である寄与分の性質に反しないこと。
等が挙げられています。

以上、『寄与分②』についてを、ご紹介させていただきました。

次回は、『寄与分③』についてを、ご紹介させていただきます