昨日の東京株式市場で、日経平均株価の終値が、10,322円62銭となりました。

昨年の東日本大震災後の最高値となったようです。

又、東京外国為替市場の円相場は一時、約2年3ヵ月ぶりの円安・ドル高水準となる1ドル=85円87銭をつけました。

これにより、輸出関連企業などの業績改善期待が高まっています。

この平均株価の上昇率は、実に、衆院解散が決まってから19%にも昇るようです。

安倍相場とも言われている、株高・円安ですが・・・・

よくよく、考えてみると、新政権への期待感から何の実績も上がっていない中での株高・円安の現象です。

大胆な金融緩和の方針が首相就任後もぶれていないことから、堅調に推移しているのでしょうか・・・

反して、株式市場への資金流入により債権は売られているようです。

昨日の東京債券市場では、長期金利の代表的な指標となる新発10年国債の流通利回りが前日終値比0.015%高い年0.800%と、約3ヵ月ぶりの水準に上昇しました。

株価上昇の裏で、長期金利の上昇圧力が懸念されています。

日本の国債残高を考えると・・・金利の上昇は財政悪化に繋がっていきます・・・

この株高・円安が・・・果たしていつまで続くのでしょうか・・・

このまま、推移してくれるのでしょうか・・・

税制改正や規制緩和も未発表の段階です・・・

来年は・・・どんな一年となるのでしょうか・・・

皆が笑顔で暮らせるいい一年でありますように・・・


本日は、『代償分割』についてお話させていただきます。

1.代償分割

(1)1人もしくは数人の共同相続人にその者の相続分を超える遺産を現物で取得させ、代わりにその相続人に、相続分に満たない遺産しか取得しない相続人に対する債務を負担させる分割方法です。

代償分割は、一部を代償分割の対象とするなど現物分割と併せる方法によって相続人間の調整が容易になり、その実益は大きいものとなります。


(2)代償分割が認められる場合

家事審判規則109条は『特別の事情があると認めるとき』に代償分割することができる、と規定していますが、『特別の事情』についての明文の規定はありません。

現物分割が、相続人の数や遺産の個数・種類・価格などの関係から著しく困難である場合、現物分割により細分化したのでは遺産の価格(社会的価値を含む)が著しく失われるというような場合が特別の事情であろうと言われています。

典型的な事例としましては、農地の相続において農業経営の継続を相当とする場合や特定の相続人が居住利用している土地建物の利用の継続を相当とする場合、あるいは会社経営の安定化のために会社の社員権を特定の相続人に帰属させるなどの場合です。

なお過去に大阪高決で、次の様な要件が挙げられています。

①相続財産が細分化を不適当とするものであること
②共同相続人間に代償金支払いの方法によることについて争いがないこと。
③相続財産の評価が概ね共同相続人間で一致していること
④相続財産を取得する相続人に債務の支払能力があること。


(3)現物を取得する相続人の債務支払いに関する問題

①代償金の分割払い、支払猶予の可否の協議、調停の場合には当事者間の合意を基礎としますから問題はないのですが、後日に債務不履行あるいは解除などの紛争を残さないためにはできるだけ一括払いを考慮すべきと言われています。

審判においては、代償額が多額であるなどの現実に一括払いが困難な場合には分割払いも支払猶予も可能であるとするのが実務の大勢です。

分割金、分割期間、あるいは猶予期間などの具体的内容は当事者間の公平を考慮して判断されるべきと言われています。

②代償金の支払の確保(抵当権等の担保権設定の可否)

①において分割払い、支払猶予を認めた場合、その履行を確保するために審判で利息の決定や担保権の設定などがなしうるかについて議論が分かれるようなのですが、現物を取得する者と代償金の支払いを受ける者との公平を考慮してこれを可とするのが大勢のようです。

もっとも現物を取得する相続人固有の財産に対する担保権の設定は許されずに、担保権の目的物は、分割対象の遺産(結局は取得する現物)に限られるべきであり、審判例でも同様となっているようです。

分割払い、支払い猶予の場合の利息については、民事法定利率の年5分とされることが大勢のようです。

なお、代償金についての連帯保証人等の人的担保については、協議、調停では可能でありますが、審判においては認められないよです。

以上、『代償分割』について、お話させていただきました。

次回は、『換価分割』について、お話させていただきます。

(12月29日から1月3日までは、『相続の事が少しずつ分かるいいお話』は、お休みとさせていただきます。)