本日の日経WEB版に住宅ローンについての記事が掲載されていました。

消費増税とあいまってここにきての金利上昇傾向が、住宅購入に拍車がかかってくるでしょうか・・・

住宅ローンは、生涯かけて支払っていく債務ですので、住宅ローンの選定には慎重に気をくばりたいところです。

今日は、そんな住宅ローンについて、冒頭で申し上げました日経WEBの記事を、原文のまま、ご紹介させていただきます。

消費税が来春8%に上がるのをにらみ、それまでにマイホームを購入しようと考える人が増えている。今は金利が低くお金を借りるには都合がいいが、住宅ローンは金額が大きく、返済も長期にわたるだけに、生活に支障がでないプランを立てることが大切だ。住宅ローンの上手な組み方とは……。

東京都内の会社員Aさん(50)は週末、マンションのモデルルーム見学に忙しい。転勤が多く、これまで社宅住まいを続けてきたが、子ども(14)の学校のことを考え、マイホームを買うことにしたからだ。住みたいエリアで物件探しを進めているが、「部屋の広さと価格の折り合いが悩ましい」と打ち明ける。

物件探しでは、やはり価格が重要なポイントだ。不動産経済研究所(東京・新宿)の2013年4月時点の調査では、新規マンションの平均販売価格は首都圏で約4700万円、近畿圏で約3400万円だった。Aさんが探している都内のエリアも平均価格は4000万円台。ただ、望む広さを確保しようとすると、もう少し値が張る物件になる。どう判断すればよいか。

「マイホーム購入では、まず自分がいくらローンを返済できるかを考えて」。そう話すのはファイナンシャルプランナー(FP)の高田晶子さん。いきなり現金でポンと住宅を買える人は多くない。住宅ローンの返済可能額を想定して、物件を選ぼうということだが、その額はどうはじきだせばよいか。

■将来の経費考えて

購入の原資は貯蓄や運用で確保した本人の金融資産と住宅ローン。中には祖父母や両親から贈与されたお金を原資として使える人もいるだろう。金融資産や贈与を受けた資金は住宅の「頭金」に、残りを住宅ローンで借りるのが一般的だ。

ローンを組む際、金融機関は借り手の年収をベースに貸せる限度額をはじいてくる。だが、それを返済できる金額として受け入れるのは禁物だ。自分の収入と支出の状況や将来の見通しを十分考えよう。家族の構成や定年までの年数、子どもがいる場合は教育費がかさむ時期なども考慮したい。余裕をもって返せる額に抑えないと、日々の生活が苦しくなる。

一つの目安は返済額を含む住居費の収入に占める割合だ。FPの吹田朝子さんは「ローンの返済を含めた住居費は自動車の費用と合わせて、手取り収入の30~35%に抑えるのが無難」と助言する。たとえば月給の手取りが30万円の人なら最高でも10万円程度。年利1%でローンを借り、35年かけて返済する場合、借りられる額は3500万円程度までということになる。

月々の返済額を抑えるため、ボーナス時に多めに返そうと考える人もいる。ただ、ボーナスは減額のリスクがあることを十分意識する必要がある。ボーナスでローンが返せない場合は、毎月の給料や貯蓄でカバーするしかない。

東京都内の会社員Bさん(57)は、2008年のリーマン・ショックでボーナスが激減し、ローン返済に行き詰まった。そこで借入先と交渉し、返済は月々の支払いだけに変更。ボーナス払いはやめて、その分の返済期間を延長したという。「借りる額は極力抑え、ボーナスをローン返済の原資と考えない方が安心」と高田さんもいう。

毎月の返済可能額から住宅ローン額を算出。望む物件の価格に足りない分は、頭金として用意するのが基本。その際も注意点はある。住宅購入では物件の購入額のほかにも、ローンを組むための登記費用や印紙代などの諸費用を確保しておく必要があるからだ。

メガバンクで3000万円を借り、35年で返済する場合、諸費用は85万円前後かかる。購入物件が中古なら業者への仲介手数料がいり、新居への引っ越し代も欠かせない。「こうした諸費用を考慮しておかないと、住宅ローンを余計に借りることになる」(高田さん)。返済可能額を超える場合もあるだろう。

ローンが増えた場合の負担は想像以上だ。住宅ローン3千万円を金利1%、35年ローンで借りると、月々の返済額は約8万5000円。だが、同じ条件で3500万円借りると、返済は毎月約9万9000円と、1万4000円増える。35年トータルでは約600万円になる。

■頭金多いと優遇も

購入物件価格の2割以上の頭金を用意できれば、ローンの金利が優遇されることもある。それだけに諸費用を考慮して、できるかぎり頭金を確保することが大切だ。

頭金を確保して住宅ローンは返済可能な額に抑える。その上で返済期間を長めにとって、月々の負担を抑えるのもポイントの一つ。返済に余裕があれば、余った資金をまとめて繰り上げ返済することも検討できる。「期間を長めにしておけば、返済や期間短縮も自分のペースでやりやすい。安定収入があるうちに完済を」と吹田さんは助言する
【日経WEB版2013/6/1 7:00】

いかがでしたでしょうか・・・

住宅ローンを組む時には、返済負担率には重々、気をつけてください。

私が、30代(20年以上前)のころに住宅を売っていた時は、当初5年間はステップ償還を利用し、かつ、返済負担率40%(当時は税込み年収400万円以上で可)のローンを平然と組んでいました。

年収は、毎年、上がっていくもの・・・そう信じて疑いませんでした。

そして、万が一があっても、住宅も毎年のように上がっていくもの・・・そう信じて疑いませんでした。

なにも、怖いものはなく、いかにして、住宅ローンを組み込むかを考えていました。

その後のバブル崩壊とリーマンショックを得て、みなさんの考え方は、当然ですが様変わりしてきました。

昔は、FPという存在も知られておらず、そもそも、住宅ローンを第3者に相談するという発想も無かったような記憶です。

いまは、土地の値上がりも期待できず、転勤になったときに賃貸に出した時に、上手く借手がつく物件なのかも検証する必要がありそうです。

それと、毎回、申し上げていますが、やはりご自身のライフプランンの作成でしょう。

とにかく、一度作ってみて、修正を重ねていきながら、将来の生活設計を積み上げていくことが重要と捉えています。

まずは、ライフプランの作成に挑戦されてみたら・・いかがでしょうか?



本日は、『遺言書作成の注意点』について、お話させていただきます。

遺言書には、プラスの財産(積極財産)もマイナスの財産(消極財産)もそのすべてを記載して、そのすべてに分割先を記載しておく必要がありますが、実際には記載漏れが非常に多いことが良くあります。
記載漏れがあった場合には、相続人間の話し合いで決着をつけなければなりませんが、その話し合いの多くは難航することとなるようです。

また、相続人の遺留分侵害のことを念頭に入れて、遺言書を作成しておくことが重要です。
遺留分とは、遺産の一定割合の取得を相続人に保証するという制度です。
相続人の遺留分を侵害する遺言は無効となるわけではありません。
遺留分を取り返す権利を行使するかどうかは相続人の自由ですので、自己の遺留分の範囲まで財産の返還を請求する『遺留分減殺請求』が行使されるまでは、有効な遺言として効力があります。

しかし、遺留分を侵害された相続人が、遺留分減殺請求権を行使すると、遺留分を侵害している者は、侵害している遺留分の額の財産を遺留分権利者に返還しなければなりません。
たとえば、妻と子2人の相続人がいて、一億円の相続財産がありその財産をすべて妻に譲った場合には、子どもは妻にたいして1億円の財産の4分の1を請求することができます。

財産の1億円がすべて現金であればよいのですが、たいていの場合は自宅や別荘などの不動産であることが多いようです。
ずべての財産が不動産であれば換金せざるをえないでしょう。
これを、たとえば、遺言作成時に別荘(2500万円)は子どものものとするとしておけば、自宅に対して子どもは手を出すことができなくなります。
しかし、なにもなければあらゆる相続財産に減殺請求ができるため、都内の自宅を売却せよなどと請求することも可能となるのです。

なお、この遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与や遺贈があったことを知ったときから1年間で消滅時効となります。
また、相続開始から10年間を経過したときも権利行使ができなくなります。

なお、遺留分権利者は、①配偶者、②子(または代襲相続人)、③直系尊属となります。
すなわち、兄弟姉妹には、遺留分は認められないこととなります。

以上、『遺言書作成の注意点』について、お話させていただきました。

次回は、『遺留分侵害の事例』について、お話させていただきます。