鹿児島とは違い、東京に行くと移動は全て地下鉄やJRとなるので、色々な人に会うことができる。
人を見ていると退屈しない。
ジッと観察しながら、どんな仕事をしている人なのか想像するのも楽しい。


先日JRで出会った男性はかなりのインパクトがあった。
縞のスーツの上にマトリックスのような膝下まである黒い革のロングコートを着ていた。
身長も190cm近くはありそうだった。
手にはジュラルミン整のようなシルバーのスーツケースを持っていた。


最初は私の前に立っていたが、しばらくすると私の二つ隣の席があいたので、コートを脱いで腰をかけるなりスーツケースを開いた。
中身が気になったので横眼で見ていると、中からメガネを取りだした。
それもCCBのドラムのような白い縁のメガネたった。


そのメガネをかけて本を読みだした。
あのメガネは老眼鏡なのだろうか?まだ若そうにも見えたのだが。
黒ずくめのタンディな感じに白い縁のメガネはアンバランスでセンスを疑った。


どんな仕事なのか気になって読んでいる本のタイトルを見ると、なんと『仏教のすべて』だった。
なんの仕事が見当もつかない男性だった。
だけど、人間観察は面白い。常に車で移動する鹿児島では出来ない遊びだ。