小さな子供のいる家庭では、クリスマスプレゼントの準備で忙しい。
子供の為にプレゼントを買いに行くだけの題材がシュワちゃんを主演に映画にもなった。


オー・ヘンリーの短編小説に「賢者の贈り物」という話がある。
貧しい夫婦がクリスマスにお互いの宝物を売って相手にプレゼントをする話である。
妻は大事な髪を売って夫の大事な懐中時計の鎖をプゼントし、夫は大事な懐中時計を売って妻に鼈甲の櫛をプレゼントするという、結果的には少し残念な話であるが、いつもクリスマスの時期になると思いだされる。


先日、埼玉でのセミナーで『北風と太陽』の話をさせて頂いた。
旅人を相手に北風と太陽がどちらが旅人の上着を脱がせるかの勝負で太陽が勝つという話である。
誰かに何かをさせようとしたら、無理やりさせようとするのではなく、そうしたくなるような環境を作ることである、と営業の教訓のような話である。


しかし、この話にはもう一説あって、北風と太陽はその前に旅人の帽子を脱がせる勝負をしていた、という話である。
最初は太陽ではなく、北風が勝っていたのである。太陽が燦々と照っても旅人は帽子を脱がないが、北風のひと吹きで旅人の帽子は飛んでいった。


そうなると教訓は変ってくる。
答えは一つではない、状況に応じて手段を選ばないといけない、という話になるのである。
賢者の贈り物の話も今では、夫婦間でのコミュニケーションを大事にすべきとの教訓にも受け取れる。