私はセミナーでは、論理学でいう三段論法をよく使わせてもらっている。
三段論法とは、「AはBである。」(大前提)「BはCである。」(小前提)「よってAはCである。」(結論)という手法である。


なぜこんな回りくどい話し方をするかというと、三段論法で話をすると主観的な主張も客観的に聞こえてくるからである。
だから、相手に自分の話を納得させる時には威力を発揮する。
以前、営業時代に覚えた話法である。


たとえば、A君がB君のことを嫌いで上司のC氏に話をしてチームから追い出そうとしたい場合、普通に話すとタダの悪口で終わってしまう。
ところが、「うちの課のモットーはチームワークだといつもCさんは言われてますよね」
(大前提)「ところでB君の性格は個人プレーに向いています。」(小前提)「したがって、B君はうちの課では折角の能力が発揮できていません。」(結論)と言えばなぜか客観的に聞こえてくる。そしてC氏はB君の為に配置転換を検討するかも知れない。


種を明かすと実は(小前提)は一般的には話す側の主観であることが多い。
しかし、話の進め方でだいぶ説得力が変わってしまうのである。