私がマイホームを建てたのは平成元年で、日本はバブルの全盛期だった。
当時住宅金融公庫はゆとり返済といって、当初5年間の支払金額を低く設定することで住宅の購入を促していた。
返済能力以上に融資をする悪徳金融業者のやり方のようなものであった。
その後廃止されたが、ゆとり返済を利用してバブル時にマイホームを手に入れた人が、6年目以降支払金額が大幅に増えたのにバブルがはじけて給料は上がらずに支払いができ無くなって、マイホームを手放すケースが多々あったようだ。
マイホームを手放すだけなら良いが、金利が高いローンは元金が減らない上に、土地価格の下落で販売価格も下がり借金だけが残ってしまった。
親がそんな目にあったとしたら、その子供たちは借金して家を建てることを躊躇してしまうだろう。
バブル当時の子供たちがもうすぐマイホームを検討する時期がやってくる。
少子化問題だけでなく、そんなトラウマが投資意欲を削いでいく。


アメリカではノンリコース(遡及権なし)ローンというローンがある。金融機関が物件を評価して消費者に融資したのだから、物件価格が下落した場合も物件を渡せば借金はチャラになり追銭を必要としないローンであり、バブル時代のトラウマを取り除ける。


今の住宅取得促進策はフラット35の金利を10年間1%値下げするやり方で、ゆとり返済の頃と50歩100歩のやり方である。
もっと過去の経験を活かせないものだろうか?