チリの国際収支が壊滅状態に瀕した時に、食料自給率を上げる為にアメリカは農業の専門家チームをチリに派遣した。


チリの主食のポテトは1000年以上も前から栽培されているが、種類や形や色がまちまちで専門家には非効率に映った。
彼らは高収量品種へ切り替えて、収穫システムの改善を図ると15%は収穫量を増やせると勧告した。


しかし、その勧告は間違いだった。
チリでは、春の深夜の霜や夏の芋虫の被害など様々な災害が発生しており、その度に被害を受けていた。
農夫達は畑のあちこちを見回り、生き残ったポテトを探してその芋を種芋として翌年畑を作っていた。生き延びた芋には免疫力が備わっていた。
その繰り返しが多品種の芋となっていた。
画一化、均一化は生産性の向上には良いが、変化への対応力が弱くなるという寓話である。