東日本大震災発生後マスコミでは『未曾有(みぞう)』の表現が良く使われる。
以前、麻生元首相が『みぞうゆう』と読んで注目を集めた言葉だ。
未(みまだ)曾(かつて)有(あらず)と、めったにない珍しいことの意味だ。


私も今まで『未曾有』という言葉を使ったことがない。
麻生元首相が言い間違えるまで、文字では目にしてもあまり聞いた事もなかった。
それに麻生元首相が間違えるまで、私も『みぞう』と呼ぶことに自信もなかった。
麻生元首相と同じように読み方を知らなかった人も、今では以前から分かっていた様に使っている。


家内はなぜかこの『未曾有』の表現を嫌っている。
私が子供の頃、3歳年下の従妹と話している時に覚えたての『奇跡』という言葉を使ってその場にいた祖母に『知ったかぶりをするな』と注意された。
そのことが私にとってトラウマとなって今でも忘れられない。
私がもし『未曾有』という表現を使ったら、『奇跡』と言った時の祖母の声が聞こえてきそうだ。


家内が未曾有と言う言葉に反応する度に私は祖母のことを思い出してしまう。