一般には話題が豊富で話が上手な人が良い営業だと思いがちである。
しかし、得てして話上手が良い営業成績を残すとは限らない。


私が社会人になった時、全国でもトップクラスの優秀な先輩がいた。
優秀な先輩の営業を盗もうと同行させてもらったりしたが、大した話も聞けなかった。
ただお客様の話にうなずいたり、大笑いをしたりするだけだった。
そしてその先輩が言うには、「営業は足数だ」どれだけ通うかだ、と。
その時、私にはちょっと無理だと感じた。


片や話上手で、立て板に水の先輩もいた。
話が面白く、組合の職場代表も務める先輩だった。
しかし、こちらは全く営業成績は上がらなかった。
よく見ているとその先輩は朝会社を出るといきなり喫茶店に直行していた。
これも違う、と感じた。


体力に頼った営業にも話術に頼る営業にも限界がある。
私が見つけた答えは「沈黙」だった。
特に最後のクロージングでは「沈黙」が一番良い仕事をする。
営業で努力していても結果が出せない人は「沈黙」を使えていないのかもしれない。