あるところに仲の悪い嫁と姑がいた。
姑はいじわるで、いつも嫁に小言を言っていた。
自分は何もせずに、嫁の顔を見ればいつも文句を言っていた。


耐えきれなくなった嫁はお寺の和尚様に相談した。
和尚さまは嫁に同情して、嫁に姑を殺す毒薬を渡した。ただ、すぐ姑が死んでしまうと仲が悪い嫁が疑われるので、一年かかってゆっくり死んでしまうように、毎日味噌汁に薬を入れるように言った。
そして、疑われない為に一年間は姑にやさしくして仲良くするように言った。
嫁は和尚様に言われたとおりに毎日姑の味噌汁に毒薬を入れた。そして、疑われないように姑の言うことを聞き、やさしく接した。一年間の辛抱だからと、なんとか我慢した。


一年が過ぎようかとした頃、姑の態度に変化が現れた。嫁に布地を買ってきて、これで着物を作れと言った。姑のやさしさに後悔した嫁は和尚様に相談に行った。
姑のことを理解しなかった自分が悪くて、姑は悪い人ではなかったので助けてほしいと。和尚様は嫁に言った。あの薬は毒薬ではなく『仲直りの薬』だったと、仲直りに良く効くそば粉だったと。
対人関係で問題ができた時は、自分を見つめ直す機会かもしれない。