アリコから新商品の医療保険が出ます。

テレビやラジオでたくさん宣伝するでしょうから、きっと売れるでしょう。

キャッチコピーが「支払った保険料相当額が、全額戻ってくる」ですから掛捨てが嫌いな日本人は惹かれてしまうでしょう。

例えば、30歳男性が60歳まで保険料を払うと、払った保険料相当額が戻ってきて、しかもその後も一生涯の医療保障が続くというものです。

※実は似た商品は別の保険会社からすでにあるのですが、そちらはCMをほとんどしていないので知る人ぞ知るの商品でした。

「払った保険料が戻ってくるなんていいじゃない!!」と思いますが、アリコ得意の小さい字の注意書きにこう書いてあります。

『入院時の給付金、健康ボーナス、及びリターンボーナスの受け取りにより、払い込み保険料相当額をお返しします。』

ここで注目は、入院時の給付金が入っている。つまり、入院時の給付金を受け取ったら、しっかり戻ってくる保険料から差し引かれてしまうということ。


もはやこれは保険ではありません。
わかりやすくいうと、ただの30年満期の貯金。
入院したら、一部だけ途中解約できるというだけのこと。

男性30歳から60歳まで払う場合の例で言うと、入院日額4000円で月保険料が7404円。
7404円×12ヶ月×30年=2,665,440円
÷4000円=666日の入院が必要。手術やケガの場合はもっと短いですが。

30年でそれ以上の入院をしたら、保険の役割を果たしますが、1入院60日の制限があるので、半年以上空けて11回以上の入院が必要。

しかも通算730日の条件付ですからまず保険の役割は果たしません。ただの貯金です。