「国民のため」「お客様のため」「安全のため」
「サービス」の名を借りて世間に横行する身勝手、勘違い、責任逃れの数々。
誰のためのサービス、何のための制度なのか?論理のすり替えに騙されてはいけない。

日本語でいう「サービス」の語感からは、①専門的な仕事や②公共的な業務の意味はほとんど薄れており③物質生産の携わる以外の労働という使用法は残ってはいるもののむしろ日常的には④フリー(無料)⑤ボランティア(奉仕)⑥エンターテインメント(接待)の意味で使われることが多い。これらにすべて共通する心構えは「尽くす」である。日本ではサービスという外来語が入るまでは「情けは人のためならず」と表現されてきた。
しかるにモラルハザードが常態化した現代日本の公務や一部企業では国民や客のためという名目で、いったいどれほど理不尽な行為が平然となされているか。
具体例を検討してみたい。「〇〇にため」という表現ほど、いかがわしいものはない。
次回以降具体的な例を紹介していきます。

 (サービスの花道・日垣隆氏より)