医療格差という言葉をご存じですか?
医療技術は日々進歩しており様々な治療技術や薬が開発されています。しかしながら、様々な格差のあることも事実です。代表例として次の2つがあります。

①地域格差
医師や病院の数が偏ることで起きる格差。たとえば、抗がん剤のスペシャリストである抗がん剤治療の専門医は全国で867名しかいません(2013日本臨床腫瘍学会HPより)全国で1000人に満たないほど非常に少ない数です。この専門医のいるいないにより地域での治療に格差が生じています。抗がん剤治療専門医は患者の一人一人に適した治療を行うため抗がん剤の調整を行います。つまり高い専門性の求められる治療になるということです。

②病院間格差
これは病院によって治療実績や生存率に格差のあることを言います。がん診療連携拠点病院という国から指定された病院でも、専門医の数が少なかったり、手術実績が少なかったりして治療実績や生存率に差が生じています。たとえば、大腸がんの手術の場合、年間数例の病院と年間100例以上の手術実績の病院では治療後の生活の質(QOL)や生存率に差が生まれています。

では、われわれが格差があることを理解したうえで納得のできる治療を受けるためにはどうすればよいのでしょうか?次回、そのあたりをお話しさせていただきます。