★お客様で最近こんなことがありました。離れて暮らすご両親のお母さまが脳卒中で倒れて半身麻痺になり介護が必要になりました。息子さんは倒れた直後に適切な対応が取れていえば介護が必要になることはなかったかもしれないと病院の先生から聞いて反省とともに落ちこんでしまわれたそうです。

息子さんが反省したのはご両親が遠方で正月やお盆くらいしか会えないので日々の状態が任せきりで、同じく年老いた父親もお母さんが病院に行っていることは知っていましたが詳しい内容まで全く知らなかったことでした。どこの病院か、何の薬を服用していたのかわからなかったのです。倒れた時に駆け付けた救急隊の人に病気の内容や薬の内容、病院の名前などの情報が伝わっていれば検査も短縮されていち早く適切な処置ができたのです。脳卒中は倒れてから4時間くらいまでが麻痺の残る可能性の大きなポイントになります。すなわち倒れた時の適切な医療情報の提供がその後の生活を左右するのです。

消防署の救急隊員の方から聞くところによれば、既往症の診断履歴が駆け付けた時にわかれば倒れた原因が確認できる可能性が高く早期の治療対応にきわめて有効だといわれます。

今回のような、両親が遠方の場合、近くに住んでいても疎遠な場合どう備えればよいでしょうか?

親とゆっくり話をして、今かかってる病院、病気の内容、処方されている薬の情報(お薬手帳)などの情報を緊急連絡先と合わせて親がいつも持つ鞄に入れて、また同じものを息子さんもいつも携帯することで情報を共有しましょう。疎遠になりがちな親子の絆も見直すきっかけにも役立つはず。特にお薬手帳は私も役立ていますが処方箋の薬の内容やアレルギーの内容、かかりつけ医の情報などいつでも家内にわかるところにおいています。ぜひ一度ご活用ください

また、最近多い一人暮らしの老人の場合は、各自治体でもらえる医療情報キットを使って上記のような医療情報とともに健康保険証・お薬手帳などを一緒に保管しておきましょう。そして万が一倒れた時にほかの人がすぐにそれがわかるようにどこにそのキットがあるのか玄関の下駄箱の上とかすぐにわかるところに一覧表を置いておきましょう。原本は電話の横か冷蔵庫の中においておくとよいようです。要は万が一の時に駆け付けた人に自分の情報が一分でも早く知らせること。これがあなたの生死を分けることになるのです。