2013年 5月の記事一覧
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13年05月31日 13時19分46秒
Posted by: arakisouzoku
今日の日経WEBに、ホンダの新型アコードのHV車がリッターあたり30kと2000ccのセダンとしては、世界最高の燃費を実現したようです。
なんと、同じホンダの軽自動車の『N-BOX』よりも燃費がいいようです。
この新しいHVシステムは、排気量2000ccのエンジンに、走行用と発電機用の2つのモーターを組み合わせ、効率的に稼働させるものようです。
これまでホンダが採用していた1モーターの仕組みを刷新したもので、日本を皮切りに、今秋には米国でも発売する見通しのようです。
先日には、F1復帰の発表がありました。
F1のエンジンがターボ付エンジンにレギュレーション変更になったこともきっかけとなったようです。
過給機(ターボ)を使って小さなエンジンで燃費を良くし、さらにはパワーがなければ勝てないという条件になったことが、大衆車の技術にもフィードバックできるものが多くなったようです。
ヨーロッパでは、排気量を少なくし必要な時はターボのパワーで走る車が増えているようです。
確かに、常時、200馬力ものパワーを使うことはありませんから、必要な時にパワーが出せればそれでいいのかなという感じがします。
今後、ホンダは小ぶりなターボ付の車を市販するのでしょうか・・・
過去には、シティターボという車がありましたが、あまり、市販車にはターボは装着しないようです。
NSXもターボ全盛の時に、自然吸気のエンジンで市販していました。
今後は、エコという目的のタ―ボ車が、市販されるのではと期待してしまいます。
それにしても、2000ccのセダンでリッター30kmは魅力です。
水平対向エンジンのスバルや、CR5で人気のマツダ、などなど・・・
日本の自動車メーカーは、まだまだ、世界を席巻する力があるのだなと感じています。
願わくば、何とか、日本国内に製造拠点を残しつつ、いい車を造り続けていって欲しいなと思います。
日本の自動車を皮切りに、日本の電機メーカーの復活に期待です。
本日は、『遺言書の作成』について、お話させていただきます。
遺言書には、『自筆証書遺言』、『公正証書遺言』、『秘密証書遺言』があります。
無難な遺言は、費用はかかりますが『公正証書遺言』となります。
その訳は、相続開始後に家庭裁判所での検認手続が不要だからです。
相続後に、相続人全員が集まって遺言書を検認する手続きは、思っているよりはずっとわずらわしいこととなります。
それだけではなくて、公正証書遺言であれば相続人全員の実印を押印した遺産分割協議書がなくても、登記手続きや銀行の解約手続きを行うことができることとなります。
争族になりかねないのであれば、絶対に公正証書遺言としておくべきでしょう。
併せて、税理士等を遺言執行人として選任しておけば、相続手続きはよりスムーズに行うことができます。
この公正証書作成にかかる費用は概ね5万円位から30万円位(相続財産の価額によって異なってきます)が目安となります。
以上、『遺言書の作成』について、お話させていただきました。
次回は、『遺言書作成上の注意点』について、お話させていただきます。
なんと、同じホンダの軽自動車の『N-BOX』よりも燃費がいいようです。
この新しいHVシステムは、排気量2000ccのエンジンに、走行用と発電機用の2つのモーターを組み合わせ、効率的に稼働させるものようです。
これまでホンダが採用していた1モーターの仕組みを刷新したもので、日本を皮切りに、今秋には米国でも発売する見通しのようです。
先日には、F1復帰の発表がありました。
F1のエンジンがターボ付エンジンにレギュレーション変更になったこともきっかけとなったようです。
過給機(ターボ)を使って小さなエンジンで燃費を良くし、さらにはパワーがなければ勝てないという条件になったことが、大衆車の技術にもフィードバックできるものが多くなったようです。
ヨーロッパでは、排気量を少なくし必要な時はターボのパワーで走る車が増えているようです。
確かに、常時、200馬力ものパワーを使うことはありませんから、必要な時にパワーが出せればそれでいいのかなという感じがします。
今後、ホンダは小ぶりなターボ付の車を市販するのでしょうか・・・
過去には、シティターボという車がありましたが、あまり、市販車にはターボは装着しないようです。
NSXもターボ全盛の時に、自然吸気のエンジンで市販していました。
今後は、エコという目的のタ―ボ車が、市販されるのではと期待してしまいます。
それにしても、2000ccのセダンでリッター30kmは魅力です。
水平対向エンジンのスバルや、CR5で人気のマツダ、などなど・・・
日本の自動車メーカーは、まだまだ、世界を席巻する力があるのだなと感じています。
願わくば、何とか、日本国内に製造拠点を残しつつ、いい車を造り続けていって欲しいなと思います。
日本の自動車を皮切りに、日本の電機メーカーの復活に期待です。
本日は、『遺言書の作成』について、お話させていただきます。
遺言書には、『自筆証書遺言』、『公正証書遺言』、『秘密証書遺言』があります。
無難な遺言は、費用はかかりますが『公正証書遺言』となります。
その訳は、相続開始後に家庭裁判所での検認手続が不要だからです。
相続後に、相続人全員が集まって遺言書を検認する手続きは、思っているよりはずっとわずらわしいこととなります。
それだけではなくて、公正証書遺言であれば相続人全員の実印を押印した遺産分割協議書がなくても、登記手続きや銀行の解約手続きを行うことができることとなります。
争族になりかねないのであれば、絶対に公正証書遺言としておくべきでしょう。
併せて、税理士等を遺言執行人として選任しておけば、相続手続きはよりスムーズに行うことができます。
この公正証書作成にかかる費用は概ね5万円位から30万円位(相続財産の価額によって異なってきます)が目安となります。
以上、『遺言書の作成』について、お話させていただきました。
次回は、『遺言書作成上の注意点』について、お話させていただきます。
13年05月30日 11時41分29秒
Posted by: arakisouzoku
一部大手銀行では、住宅ローンの金利が5月に引き続き6月でも引き上げる予定のようです。
ここにきての株高から、国債の購入者が減り、長期金利が上がってきていることからのようです。
住宅購入については、来年の消費増税に向けての駆け込み需要が話題となっています。
個人的には、住宅購入については、購入時における消費税のUPを気にするあまり買い急ぐことは避けた方が良いとおもっています。
土地と建物併せて4000万円の住宅を購入するときに受ける消費税の影響は、土地と建物の代金が半々だとすると、建物の2000万円に対しての3%UP分の60万円相当分となってきます。
住宅ローンをいくら利用するかにもよりますが、住宅ローン減税の枠も消費増税に併せて拡大されますので、消費増税の負担増は多少なりとも和らいでくるでしょう。
また、消費増税後の市場が落ち着いた中では、例えば、注文住宅の建築でいえば、何社かの競合のなかで、消費増税分とはいわずとも、増税部分の一部は値引きというかたちでの取り戻しができるかもしれません。
当然、需要と供給で価格は変動してくるのが市場の理論です。
むしろ、購入時のイニシャル的な消費税の負担増というよりは、消費増税の家計への影響の方が気になるところです。
消費増税により、日用品を購入するのに、どれだけの家計負担に繋がるのか・・・
住宅の家賃は、消費税は非課税ですので、日用品等の購入による家計負担が気にかかるところです。
他には、社会保険料の毎年の負担増もあります。
これらを含めた、『税と社会保障の一体改革』による一般市民への家計の負担のおおよその試算の数字は、見かけません。
一部、シンクタンクで調査したレポートをホームページに掲載しているところはあるようですが・・・
この家計に影響を与えるであろう数値を予測しておくことも住宅購入にとっては重要なことだと思っています。
ただでさえ、賃貸住宅から戸建住宅等の持ち家に引っ越すと水道光熱費が上がると言われています。
ダイニング・リビングが広くなった・・・照明代と冷暖房費が上がってきます。
広い浴室と浴槽・・・水道代と湯沸かしのためのガス代若しくは電気代等があがってきます。
子どもたちにはそれぞれの広い個室・・・照明代と冷暖房費が上がります。
そして、固定資産税がかかってきます。
このような、家計に与える影響のおおよそを予測したうえで、住宅ローンの返済額の限度の目安をつけて住宅購入に臨むべきでしょう。
それも、余裕をもって・・・何かあった時に備えた余裕資金を確保しておくことは重要でしょう。
そしてこの住宅ローンが、金利の上昇傾向にあります。
このまま、金利は上がり続けるのか・・否か・・・
今月に入って、既に変動金利で住宅を購入された方が、固定金利への組み換えの手続に奔走されているようです。
金利上昇リスクをおそれて、固定金利にシフトし始めているようです。
この住宅ローンの切り替えも、当初の段階で固定金利に組み替えることも予想して余裕をもった住宅ローンを設定していないと、固定金利に組み替えた後の支払の増額に苦しむこととなってしまいます。
住宅購入にあたっては、消費増税の購入時の税額負担増よりも、金利の上昇が気になっていました。
この先を観て、金利上昇が続くようであれば、短期的には、今が、住宅購入の時期なのかなという気がしてきます。
ここで、お奨めしたのが、やはり、ご自身のライフプランのキャッシュフロ-表を作成して、今後の消費増税による家計負担、社会保障の負担、さらには親の介護や相続、ご自身の介護等まで・・・そのシミュレーションのもとお金の収支を確認してみることです。
これらの全てを、予想するのは大変なことですが、あくまでシミュレーションですから、こうなった時はどうなる、別のケースではどうなる・・・等、いくつものパターンを想定して作りながら比較してもいいかもしれません。
とにかく、一度は、自分の足元を見据えて、将来のライフイベントを整理してみて・・・子どもの教育のこと、住宅購入のこと、将来の生活設計(故郷に戻るのかも含めて)を考えて、将来のすがたから逆算して住宅購入のスタイルを考えることもあるかもしれません。
もしも、故郷に戻る可能性が多少なりともありうるのであれば、思い切って中古の戸建て住宅で南道路の、すづ買い手がつくようなものを購入しておくのも一手かもしれません。
まずは、ご自身のライフプランを、今一度、見直してみたらいかがでしょうか・・・
本日は、『遺産分割の計画』について、お話させていただきます。
前回お話しました財産目録を作成してみると、不要な財産や分割のしづらい財産があることに気づきます。
その場合にはそれらを分割や換金がしやすい財産に換えておくことが、争族対策と相続対策になります。
よくあるのは、相続税のことばかり気にして、借金してアパートなどうぃ買う人がいます。
この行為は、せっかく負の遺産がないのに、それをわざわざ背負い込んでいるようなものです。
昭和の時代の土地神話があったときの相続税対策が、まだ跋扈していることに驚かざるをえません。
土地や建物の値段が下がる時代に、わざわざ借金をしてアパートやマンションを建てるのはリスクが高すぎるといわざるを得ません。
確かに、税金は安くなるかもしれませんが、実際の総資産は減ってしまいます。
なおかつ分割しづらい債権債務を背負う相続人はたまりません。
そのような相続対策は、メリットのない対策と言えるかもしれません。
遺産分割は誰かが得すれば誰かが損をするというように、利害がぶつかりあう関係になっています。
『相続人たちで話合って決めろ』というのではなく、やはり、被相続人が遺言書という形で遺産分割の指針をたてておくべきでしょう。
また、相続税の納税は現金納付が原則であるが、支払えない場合には、延納手続きがあります。
現金納付が困難な場合には物納という手段もありますが、物納は税務署が、なかなか、認めなくなりましたので、物納を前提と納税プランニングを立てるのには非常に危険が伴います。
相続対策よりは争族対策を優先し、そして納税対策を立てる。
遺産分割がうまくいけば、争族にならないですみます。
以上、『遺産分割の計画』について、お話させていただきました。
次回は、『遺言書の作成』について、お話させていただきます。
ここにきての株高から、国債の購入者が減り、長期金利が上がってきていることからのようです。
住宅購入については、来年の消費増税に向けての駆け込み需要が話題となっています。
個人的には、住宅購入については、購入時における消費税のUPを気にするあまり買い急ぐことは避けた方が良いとおもっています。
土地と建物併せて4000万円の住宅を購入するときに受ける消費税の影響は、土地と建物の代金が半々だとすると、建物の2000万円に対しての3%UP分の60万円相当分となってきます。
住宅ローンをいくら利用するかにもよりますが、住宅ローン減税の枠も消費増税に併せて拡大されますので、消費増税の負担増は多少なりとも和らいでくるでしょう。
また、消費増税後の市場が落ち着いた中では、例えば、注文住宅の建築でいえば、何社かの競合のなかで、消費増税分とはいわずとも、増税部分の一部は値引きというかたちでの取り戻しができるかもしれません。
当然、需要と供給で価格は変動してくるのが市場の理論です。
むしろ、購入時のイニシャル的な消費税の負担増というよりは、消費増税の家計への影響の方が気になるところです。
消費増税により、日用品を購入するのに、どれだけの家計負担に繋がるのか・・・
住宅の家賃は、消費税は非課税ですので、日用品等の購入による家計負担が気にかかるところです。
他には、社会保険料の毎年の負担増もあります。
これらを含めた、『税と社会保障の一体改革』による一般市民への家計の負担のおおよその試算の数字は、見かけません。
一部、シンクタンクで調査したレポートをホームページに掲載しているところはあるようですが・・・
この家計に影響を与えるであろう数値を予測しておくことも住宅購入にとっては重要なことだと思っています。
ただでさえ、賃貸住宅から戸建住宅等の持ち家に引っ越すと水道光熱費が上がると言われています。
ダイニング・リビングが広くなった・・・照明代と冷暖房費が上がってきます。
広い浴室と浴槽・・・水道代と湯沸かしのためのガス代若しくは電気代等があがってきます。
子どもたちにはそれぞれの広い個室・・・照明代と冷暖房費が上がります。
そして、固定資産税がかかってきます。
このような、家計に与える影響のおおよそを予測したうえで、住宅ローンの返済額の限度の目安をつけて住宅購入に臨むべきでしょう。
それも、余裕をもって・・・何かあった時に備えた余裕資金を確保しておくことは重要でしょう。
そしてこの住宅ローンが、金利の上昇傾向にあります。
このまま、金利は上がり続けるのか・・否か・・・
今月に入って、既に変動金利で住宅を購入された方が、固定金利への組み換えの手続に奔走されているようです。
金利上昇リスクをおそれて、固定金利にシフトし始めているようです。
この住宅ローンの切り替えも、当初の段階で固定金利に組み替えることも予想して余裕をもった住宅ローンを設定していないと、固定金利に組み替えた後の支払の増額に苦しむこととなってしまいます。
住宅購入にあたっては、消費増税の購入時の税額負担増よりも、金利の上昇が気になっていました。
この先を観て、金利上昇が続くようであれば、短期的には、今が、住宅購入の時期なのかなという気がしてきます。
ここで、お奨めしたのが、やはり、ご自身のライフプランのキャッシュフロ-表を作成して、今後の消費増税による家計負担、社会保障の負担、さらには親の介護や相続、ご自身の介護等まで・・・そのシミュレーションのもとお金の収支を確認してみることです。
これらの全てを、予想するのは大変なことですが、あくまでシミュレーションですから、こうなった時はどうなる、別のケースではどうなる・・・等、いくつものパターンを想定して作りながら比較してもいいかもしれません。
とにかく、一度は、自分の足元を見据えて、将来のライフイベントを整理してみて・・・子どもの教育のこと、住宅購入のこと、将来の生活設計(故郷に戻るのかも含めて)を考えて、将来のすがたから逆算して住宅購入のスタイルを考えることもあるかもしれません。
もしも、故郷に戻る可能性が多少なりともありうるのであれば、思い切って中古の戸建て住宅で南道路の、すづ買い手がつくようなものを購入しておくのも一手かもしれません。
まずは、ご自身のライフプランを、今一度、見直してみたらいかがでしょうか・・・
本日は、『遺産分割の計画』について、お話させていただきます。
前回お話しました財産目録を作成してみると、不要な財産や分割のしづらい財産があることに気づきます。
その場合にはそれらを分割や換金がしやすい財産に換えておくことが、争族対策と相続対策になります。
よくあるのは、相続税のことばかり気にして、借金してアパートなどうぃ買う人がいます。
この行為は、せっかく負の遺産がないのに、それをわざわざ背負い込んでいるようなものです。
昭和の時代の土地神話があったときの相続税対策が、まだ跋扈していることに驚かざるをえません。
土地や建物の値段が下がる時代に、わざわざ借金をしてアパートやマンションを建てるのはリスクが高すぎるといわざるを得ません。
確かに、税金は安くなるかもしれませんが、実際の総資産は減ってしまいます。
なおかつ分割しづらい債権債務を背負う相続人はたまりません。
そのような相続対策は、メリットのない対策と言えるかもしれません。
遺産分割は誰かが得すれば誰かが損をするというように、利害がぶつかりあう関係になっています。
『相続人たちで話合って決めろ』というのではなく、やはり、被相続人が遺言書という形で遺産分割の指針をたてておくべきでしょう。
また、相続税の納税は現金納付が原則であるが、支払えない場合には、延納手続きがあります。
現金納付が困難な場合には物納という手段もありますが、物納は税務署が、なかなか、認めなくなりましたので、物納を前提と納税プランニングを立てるのには非常に危険が伴います。
相続対策よりは争族対策を優先し、そして納税対策を立てる。
遺産分割がうまくいけば、争族にならないですみます。
以上、『遺産分割の計画』について、お話させていただきました。
次回は、『遺言書の作成』について、お話させていただきます。
13年05月29日 14時41分02秒
Posted by: arakisouzoku
日経WEB版に相続に関する記事で興味深いものがありましたので、原文のまま、紹介させていただきます。
親がまだ存命中にもかかわらず、将来相続する権利を持った子どもたちがすでに対立を激化させている場合があります。「あのな、お前は親父の金を使って家や車を買い、孫の留学費用まで面倒をみさせてるんだから、遺産の分け前なんてこれ以上1円もないと思えよ!」だとか、「おい、おふくろの預金通帳の数が足りてないだろう、どこへ隠した!」などと、親の財産をめぐる人間関係に早くもトラブルが生じており、生前の時点ですらもはや着地点を探すことが困難だというケースがあるのです。
たとえ行き違いがあったとしても、あくまで兄弟げんかのレベルにとどまる程度のものであれば、お互いに相手のことを良くは思わないものの、生前にそこまでエスカレートすることはないかもしれません。本格的な争いが起きるとしても、それは実際に相続が発生してから、ということになるでしょう。
しかし、お互いへの疑心暗鬼があまりに強くなり過ぎて、相続まで悠長に待てたものではない、といった状態となるケースも出てきます。存命中の親を相手方と同居させないように、親の身柄を拘束し合ったり奪い合ったりするような、下手をすれば親の人権が侵害されかねないほどの争いにまで発展するケースも起きてしまうのです。
そしてこのような場合、親の判断能力が少し低下していて、気弱になっていたりするということが少なくありません。認知症の診断が下りるほどではないものの、ただでさえ気力が弱まってきているのに、追い打ちをかけるかのように子供たちが感情をむき出しにして争っている場面に巻き込まれてしまう。そのような状況下にある親の気持ちを考えると、本当にいたたまれなくなってしまうこともしばしばです
長男「なんでお母ちゃんを、こんな遠い施設に勝手に移したりするんや! 慣れ親しんだ地元の老人ホームで今まで通り暮らしてれば何の問題もあれへん。そやのに、いまさらわざわざこんな知らん土地までお母ちゃんの身柄を移す必要なんてあるわけないやろ!」
長女「そらあんた、あんたの近くにお母ちゃんが住み続けてたら、お母ちゃん、スッカラカンになってしまうからやないの。あんたは、長男で後継ぎやいうしょうもない理由だけで、昔からさんざんお金の支援を受けてきた。親に建ててもろうた大きな家でボーッとしながら暮らしてるのも、全部そういうことやないの。これ以上親のスネかじって、お母ちゃんをあんたとこの財布代わりにされたら困るんよ」
長男「なんや、結局はお母ちゃんのためやのうて、自分の金の心配か。お母ちゃんにしこたま金をためさせといて、死んだあとの財産目当てやっちゅうのが丸わかりやな。ほんまにやらしい奴や」
長女「あんたのしょうもない物差しで勝手に決めつけんとき! 財産目当てはあんたの方やないの。だいたい、ものには限度ってもんがあんねん。あんたとこの嫁は、いつ見ても派手な格好してるし、家のこともほったらかしてよぉ出かけてるみたいやない。旦那にロクな稼ぎもあれへんのに、そないなぜいたくに回せる金はどっから出とんねん?」
長男「そんなもん、お母ちゃんの金をどう使うかは、お母ちゃんの気持ちが一番大事やろ。昔からお母ちゃんが末っ子の俺をかわいがってくれてたん、姉貴も知ってるやないか。そこにケチつけられて、年取ってから姉弟同士の醜い争いなんかみせられたら、お母ちゃん悲しがるで」
長女「何を開き直ってんねん。末っ子やから甘えるっちゅうのと、お母ちゃんの通帳から毎月好きなだけ引き出して使いこむっちゅうのは、まったく別の話や。ええ年こいて、いつまで親心につけこんどんねん、ほんまに情けない根性なしが。どんだけお母ちゃんを悲しませたら気が済むんや、あんたは」
長男「……姉貴とは話にならんわ。とにかくこんな知らん土地の施設は即解約や。このまま元のホームに連れて帰るからな」
長女「ちょっと待ちッ!」
当事者である子どもたちだけだと、お互いにヒートアップしてしまって、話し合いの収拾がつかなくなってしまうというケースは珍しくないでしょう。ただ、子供のうちの特定の誰かが親と同居、もしくは親の近所に住んで、親の通帳や実印・銀行印などの印鑑を預かって実質的な財産管理をしているといったケースは、現実的には広く行われていることだと思います。これが親の死後も他の兄弟姉妹にきちんと説明できるように、きちんと領収書を残したり、こまめに記帳された預金通帳の余白に事細かく出金の用途を記載していたりするような人ばかりなら、問題が起こる確率はきっと低くなるはずです。
しかし実際にはその正反対で、親の近くにいるのをよいことに、親の財産をまるで自分のものかのように使いこんでいるケースも存在します。遠方に住む兄弟姉妹からすると、同居している子どもが親のお金を引き出して自分の生活費などのために使っていることは明らかに分かっていることなのかもしれません。
にもかかわらず、のちに争いに至った場合には、引き出された預金を誰がどのように使ったかの目ぼしい記録や証拠がないということも少なくありません。こうなると相手を責める材料に欠き、他の兄弟姉妹が泣きを見るということもありえるでしょう。
このような場合、もしも親の判断能力の低下が医学的にも明らかであれば、他の兄弟姉妹たちにも手の打ちようが残っています。判断能力が弱まった立場の人の権利を守るためにある「成年後見制度」を利用して、裁判所の監督下で財産管理の権限を親から後見人へと移管してしまうのです。
この際、子供たちのうちの誰かが後見人になることもできますが、あえて司法書士や弁護士などの第三者の後見人を立てることもひとつの選択肢です。こうすれば子供たちと親の財産の間に第三者によるくさびを打ちこむことになり、お金に執着のある特定の子供からより客観的に親の財産を守ることができるようになるでしょう。
しかし、それはあくまで親の状態が医学的に診断できるほどに衰えていた場合の話です。現実的なケースとしては、判断能力の低下というよりは、単に加齢によって弱気になっているだけだとか、性格の中の優柔不断な部分が年齢を重ねて目立つようになっただけであるような場合が少なくありません。このようなケースでは、先ほどの成年後見制度は利用できないということも多く出てくるでしょう。
そうした際に、親の財産を悪意ある兄弟姉妹から守るためには、特効薬となる法律や制度が存在するわけではないように思います。むしろ物理的な方法で隔離する、つまり目の届く範囲に呼び寄せて住んでもらうとか、そういった面でのセキュリティの堅い施設に移ってもらってアクセスを取りづらくするとかいったように、特定の子供の「魔の手」から親を引き離すことが、親の財産を守るための方策となるという場合も出てくるのではないでしょうか。
また、この「物理的に引き離す」という方策は、財産の管理についてだけでなく、親の本意に基づかない「変な」遺言書の作成から親を守るという意味でも重要となるかもしれません。遺産に対して執着のある子どもが、親の弱気につけこんでとっぴな行動に出ることも決して珍しくはないケースといえるからです。
例えば、他の子どもたちの誹謗(ひぼう)中傷を親に吹き込み続け、親に対してときに優しくするかと思えば激しく罵倒するなどを交互に繰り返し、親を「マインドコントロール」状態にした上で遺言を書かせるなど、あの手この手で遺言を作成させようとしている場合もあるかもしれません。しかし、後日にこうした遺言が出てきた場合でも、もはやそうした一連の強迫の事実について何の証拠も残っていなければ、残された他の兄弟姉妹には手の打ちようがないということにもなりかねません。こうしたケースについては、数字上の統計はもちろんありませんが、少なからず存在しているのではないかと考えられます。
このように、相続争いの原因は、必ずしも当事者の「全員」が財産に執着しているから起こるというわけではありません。場合によっては、特定の相続人だけがネックとなって公平な相続が阻害され、トラブルが発生してくることも少なくないでしょう。こうした性質を持つような相続人が存在している場合は、親や他の子どもたちもある程度意識的に対応をしていく必要があるといえるでしょう。
親の立場からは、判断力が明瞭なうちに適切なバランスが取れた遺言や贈与を用いて、遺産分けのレールをきちんと敷いておくことが肝心だといえます。また、他の子供の立場としては、たとえ法律上の効果的な対策は打てなかったとしても、物理的な意味でのトラブル回避手段も検討しながら、最後の最後で相続が起こったタイミングに全員で公平な話し合いを行うまで、他の子供の悪意から親の財産を守る、ということになってくるのではないでしょうか。
【日経WEB版2013/5/28 7:00】
いかがでしたでしょうか・・・
リアルなお話しでした。
相続の難しさを感じます。
後々の、トラブル防止のためにも遺言の作成が・・・
有効ではないでしょうか・・・
本日は、『財産目録の作成』について、お話させていただきます。
相続人を確定したあとは、財産の把握を行います。
財産の把握をするためには、財産目録に実際に財産項目を書きいれてみることです。
併せてその根拠となる書類を同時に集めておくようにします。
たとえば、土地であれば登記簿謄本、権利証(不動産登記情報)、地積測量図、借地契約書、不動産賃貸契約書などです。
特に土地の場合は、境界をはっきりさせているかどうかが非常に重要となります。
隣地所有者とのトラブルはないようにしておきたいところです。
もしも現在、トラブルがあるような場合は、できるだけ、早く解決しておいたほうがよろしいでしょう。
また、受取家賃の滞納や、知人への貸付金等で、回収不能の見込みの強いものは、貸倒れの処理をしておいたほうがよろしいでしょう。
相続発生のときに、何の手当てもしていないと、債権として相続財産として相続税の対象となってしまいます。
相続対策としては、とにかくいろいろなテクニックに走りがちとなってしまいますが、境界を明らかにしておく、地積測量図を作っておくなど、あとで行うと時間も費用もかかってしまうことを、相続人が生前に行っておくことが節税の一番の基本となります。
本日は、『財産目録の作成』について、お話させていただきました。
次回は、『遺産分割の計画』について、お話させていただきます。
親がまだ存命中にもかかわらず、将来相続する権利を持った子どもたちがすでに対立を激化させている場合があります。「あのな、お前は親父の金を使って家や車を買い、孫の留学費用まで面倒をみさせてるんだから、遺産の分け前なんてこれ以上1円もないと思えよ!」だとか、「おい、おふくろの預金通帳の数が足りてないだろう、どこへ隠した!」などと、親の財産をめぐる人間関係に早くもトラブルが生じており、生前の時点ですらもはや着地点を探すことが困難だというケースがあるのです。
たとえ行き違いがあったとしても、あくまで兄弟げんかのレベルにとどまる程度のものであれば、お互いに相手のことを良くは思わないものの、生前にそこまでエスカレートすることはないかもしれません。本格的な争いが起きるとしても、それは実際に相続が発生してから、ということになるでしょう。
しかし、お互いへの疑心暗鬼があまりに強くなり過ぎて、相続まで悠長に待てたものではない、といった状態となるケースも出てきます。存命中の親を相手方と同居させないように、親の身柄を拘束し合ったり奪い合ったりするような、下手をすれば親の人権が侵害されかねないほどの争いにまで発展するケースも起きてしまうのです。
そしてこのような場合、親の判断能力が少し低下していて、気弱になっていたりするということが少なくありません。認知症の診断が下りるほどではないものの、ただでさえ気力が弱まってきているのに、追い打ちをかけるかのように子供たちが感情をむき出しにして争っている場面に巻き込まれてしまう。そのような状況下にある親の気持ちを考えると、本当にいたたまれなくなってしまうこともしばしばです
長男「なんでお母ちゃんを、こんな遠い施設に勝手に移したりするんや! 慣れ親しんだ地元の老人ホームで今まで通り暮らしてれば何の問題もあれへん。そやのに、いまさらわざわざこんな知らん土地までお母ちゃんの身柄を移す必要なんてあるわけないやろ!」
長女「そらあんた、あんたの近くにお母ちゃんが住み続けてたら、お母ちゃん、スッカラカンになってしまうからやないの。あんたは、長男で後継ぎやいうしょうもない理由だけで、昔からさんざんお金の支援を受けてきた。親に建ててもろうた大きな家でボーッとしながら暮らしてるのも、全部そういうことやないの。これ以上親のスネかじって、お母ちゃんをあんたとこの財布代わりにされたら困るんよ」
長男「なんや、結局はお母ちゃんのためやのうて、自分の金の心配か。お母ちゃんにしこたま金をためさせといて、死んだあとの財産目当てやっちゅうのが丸わかりやな。ほんまにやらしい奴や」
長女「あんたのしょうもない物差しで勝手に決めつけんとき! 財産目当てはあんたの方やないの。だいたい、ものには限度ってもんがあんねん。あんたとこの嫁は、いつ見ても派手な格好してるし、家のこともほったらかしてよぉ出かけてるみたいやない。旦那にロクな稼ぎもあれへんのに、そないなぜいたくに回せる金はどっから出とんねん?」
長男「そんなもん、お母ちゃんの金をどう使うかは、お母ちゃんの気持ちが一番大事やろ。昔からお母ちゃんが末っ子の俺をかわいがってくれてたん、姉貴も知ってるやないか。そこにケチつけられて、年取ってから姉弟同士の醜い争いなんかみせられたら、お母ちゃん悲しがるで」
長女「何を開き直ってんねん。末っ子やから甘えるっちゅうのと、お母ちゃんの通帳から毎月好きなだけ引き出して使いこむっちゅうのは、まったく別の話や。ええ年こいて、いつまで親心につけこんどんねん、ほんまに情けない根性なしが。どんだけお母ちゃんを悲しませたら気が済むんや、あんたは」
長男「……姉貴とは話にならんわ。とにかくこんな知らん土地の施設は即解約や。このまま元のホームに連れて帰るからな」
長女「ちょっと待ちッ!」
当事者である子どもたちだけだと、お互いにヒートアップしてしまって、話し合いの収拾がつかなくなってしまうというケースは珍しくないでしょう。ただ、子供のうちの特定の誰かが親と同居、もしくは親の近所に住んで、親の通帳や実印・銀行印などの印鑑を預かって実質的な財産管理をしているといったケースは、現実的には広く行われていることだと思います。これが親の死後も他の兄弟姉妹にきちんと説明できるように、きちんと領収書を残したり、こまめに記帳された預金通帳の余白に事細かく出金の用途を記載していたりするような人ばかりなら、問題が起こる確率はきっと低くなるはずです。
しかし実際にはその正反対で、親の近くにいるのをよいことに、親の財産をまるで自分のものかのように使いこんでいるケースも存在します。遠方に住む兄弟姉妹からすると、同居している子どもが親のお金を引き出して自分の生活費などのために使っていることは明らかに分かっていることなのかもしれません。
にもかかわらず、のちに争いに至った場合には、引き出された預金を誰がどのように使ったかの目ぼしい記録や証拠がないということも少なくありません。こうなると相手を責める材料に欠き、他の兄弟姉妹が泣きを見るということもありえるでしょう。
このような場合、もしも親の判断能力の低下が医学的にも明らかであれば、他の兄弟姉妹たちにも手の打ちようが残っています。判断能力が弱まった立場の人の権利を守るためにある「成年後見制度」を利用して、裁判所の監督下で財産管理の権限を親から後見人へと移管してしまうのです。
この際、子供たちのうちの誰かが後見人になることもできますが、あえて司法書士や弁護士などの第三者の後見人を立てることもひとつの選択肢です。こうすれば子供たちと親の財産の間に第三者によるくさびを打ちこむことになり、お金に執着のある特定の子供からより客観的に親の財産を守ることができるようになるでしょう。
しかし、それはあくまで親の状態が医学的に診断できるほどに衰えていた場合の話です。現実的なケースとしては、判断能力の低下というよりは、単に加齢によって弱気になっているだけだとか、性格の中の優柔不断な部分が年齢を重ねて目立つようになっただけであるような場合が少なくありません。このようなケースでは、先ほどの成年後見制度は利用できないということも多く出てくるでしょう。
そうした際に、親の財産を悪意ある兄弟姉妹から守るためには、特効薬となる法律や制度が存在するわけではないように思います。むしろ物理的な方法で隔離する、つまり目の届く範囲に呼び寄せて住んでもらうとか、そういった面でのセキュリティの堅い施設に移ってもらってアクセスを取りづらくするとかいったように、特定の子供の「魔の手」から親を引き離すことが、親の財産を守るための方策となるという場合も出てくるのではないでしょうか。
また、この「物理的に引き離す」という方策は、財産の管理についてだけでなく、親の本意に基づかない「変な」遺言書の作成から親を守るという意味でも重要となるかもしれません。遺産に対して執着のある子どもが、親の弱気につけこんでとっぴな行動に出ることも決して珍しくはないケースといえるからです。
例えば、他の子どもたちの誹謗(ひぼう)中傷を親に吹き込み続け、親に対してときに優しくするかと思えば激しく罵倒するなどを交互に繰り返し、親を「マインドコントロール」状態にした上で遺言を書かせるなど、あの手この手で遺言を作成させようとしている場合もあるかもしれません。しかし、後日にこうした遺言が出てきた場合でも、もはやそうした一連の強迫の事実について何の証拠も残っていなければ、残された他の兄弟姉妹には手の打ちようがないということにもなりかねません。こうしたケースについては、数字上の統計はもちろんありませんが、少なからず存在しているのではないかと考えられます。
このように、相続争いの原因は、必ずしも当事者の「全員」が財産に執着しているから起こるというわけではありません。場合によっては、特定の相続人だけがネックとなって公平な相続が阻害され、トラブルが発生してくることも少なくないでしょう。こうした性質を持つような相続人が存在している場合は、親や他の子どもたちもある程度意識的に対応をしていく必要があるといえるでしょう。
親の立場からは、判断力が明瞭なうちに適切なバランスが取れた遺言や贈与を用いて、遺産分けのレールをきちんと敷いておくことが肝心だといえます。また、他の子供の立場としては、たとえ法律上の効果的な対策は打てなかったとしても、物理的な意味でのトラブル回避手段も検討しながら、最後の最後で相続が起こったタイミングに全員で公平な話し合いを行うまで、他の子供の悪意から親の財産を守る、ということになってくるのではないでしょうか。
【日経WEB版2013/5/28 7:00】
いかがでしたでしょうか・・・
リアルなお話しでした。
相続の難しさを感じます。
後々の、トラブル防止のためにも遺言の作成が・・・
有効ではないでしょうか・・・
本日は、『財産目録の作成』について、お話させていただきます。
相続人を確定したあとは、財産の把握を行います。
財産の把握をするためには、財産目録に実際に財産項目を書きいれてみることです。
併せてその根拠となる書類を同時に集めておくようにします。
たとえば、土地であれば登記簿謄本、権利証(不動産登記情報)、地積測量図、借地契約書、不動産賃貸契約書などです。
特に土地の場合は、境界をはっきりさせているかどうかが非常に重要となります。
隣地所有者とのトラブルはないようにしておきたいところです。
もしも現在、トラブルがあるような場合は、できるだけ、早く解決しておいたほうがよろしいでしょう。
また、受取家賃の滞納や、知人への貸付金等で、回収不能の見込みの強いものは、貸倒れの処理をしておいたほうがよろしいでしょう。
相続発生のときに、何の手当てもしていないと、債権として相続財産として相続税の対象となってしまいます。
相続対策としては、とにかくいろいろなテクニックに走りがちとなってしまいますが、境界を明らかにしておく、地積測量図を作っておくなど、あとで行うと時間も費用もかかってしまうことを、相続人が生前に行っておくことが節税の一番の基本となります。
本日は、『財産目録の作成』について、お話させていただきました。
次回は、『遺産分割の計画』について、お話させていただきます。
13年05月27日 01時26分06秒
Posted by: arakisouzoku
日経WEB版に、お宝保険についての記事が掲載されていました。
非常に参考になりましたので、原文のままご紹介させていただきます。
「生命保険に加入するのは必要最小限にとどめましょう。子供が自立するまでの期間限定で、世帯主の万が一への備えを安く確保できれば、保険の活用法として100点満点中70点くらいは取れたことになると思います」。私は数年来、一般の方やメディアに対しこうした発言を繰り返してきました。その根拠は、2011年10月21日付「大手生保の管理職が入っていた保険とは」でご紹介した通りです。
一方で例外的といっていいくらい「大切に継続してください」と勧めてきたのが、保険会社が保険料を算出する際に使う利率(予定利率といいます)設定が高かったころの契約です。俗に「お宝保険」と呼ばれる資産性が魅力で、終身保険や養老保険、学資保険、個人年金保険などがこれに当たります。
いつごろまでに契約したものが「お宝」に該当するかという線引きは保険業界の関係者でも見解が分かれますが、1996年3月あるいは99年3月までが一般的だと認識しています。予定利率の推移を示したグラフを見ていただくと、近年の1%台と比べ高いことが分かります(なお、グラフの数字はあくまで目安です。現実には保険会社や商品、契約期間などによって異なります)。
現在50代の男性が91年に加入した個人年金保険を例に説明しましょう。総額250万円強を払い込み、60歳以降は10年間で600万円の年金受け取りが保証されています。現時点で解約しても、払い込んだ保険料の約4割増しの払戻金(解約返戻金)があります。概算すると3%超の利回りでお金が増えている計算です。保険会社が破たんでもしない限り、将来受け取る金額が約束されているので継続が望ましいと判断できます。
ちなみに、グラフでも分かるようにこの個人年金保険が販売されていた当時の予定利率は5.5%です。「予定利率と実質利回りはまったく違う」ということを改めて強調しておきたいと思います。
しかし今回、さらに強調したいのは「お宝保険=迷わず継続」とも断言できないということです。例えば92年加入のある大手生保の学資保険では、総額328万円の払い込みに対し進学時や満期の給付金受取総額が300万円となっています。貯蓄代わりに加入しているつもりが、貯蓄になっていないのです。
学資保険に「育英年金」という契約者の死亡保障が組み込まれているのが原因です。死亡保障に経費がかかる分、貯蓄性が下がっているのです。この契約者は学資保険以外の保険で、世帯主としての死亡保障は確保していて、学資保険は満期が迫っています。もっと早く把握して手を打っていたら……と悔やまれる例です。
ほかに94年加入の養老保険で満期金受け取りまでの利回りを計算すると、1.4%未満という例などもあります。入院特約にお金がかかっているためです。満期は11年後なので、入退院を繰り返すような健康状態でない限り入院特約を解約して貯蓄性を改善すべきでしょう。
読者の皆さんはこうした例を他山の石とし、加入時期や商品分類から明らかに「お宝保険」とみられるケースであっても、特に貯蓄性を重視した契約では払い込み保険料と受取総額の比較だけは怠らないでいただきたいと思います。「その程度の試算もやらない人がいるのか?」と思う方もいるでしょうが、意外に見落とされていることも多いというのが個人相談を通じた実感です。
「金利が高かったころの契約は大事にしましょう」という保険のアドバイスは一般論として間違っていないと思います。それでも「損が出ているお宝保険」も実在します。結局、継続すべきかどうかは個々の契約内容を見て判断するしかないでしょう。私自身、著書やメディアの取材などで一般的な判断基準を提示してきましたが、今回のような留意点にも触れていく必要を感じています。
【日経WEB版2013/5/24 7:00】
いかがでしたでしょうか・・・
やはり、保険の内容の確認は大事だなと感じさせられました。
できれば、一覧にまとめておくと、さらに、分かりやすく整理できそうです。
保険の見直しは、その都度都度で、おこなって確認しておくことが、無難なことのようです。
本日は、『相続対策は早いうちに始める。』について、お話させていただきます。
相続対策を行うためには、元気であることが重要です。
すなわち、認知症などの病を患っていないことが大切です。
ここで認知症を患ってしまって相続対策を中断した事例をご紹介させていただきます。
Aさん(90歳)は、昨年まで体調には不安がなく、晩酌を楽しみながら、新聞も2紙は必ず読み、いたって元気であり、家族は100歳位までは丈夫に過ごせると思っていました。
ところが、年末に階段で滑って転んだことがきっかけで寝たきりになったところ、認知症を発症してしまいました。
相続対策のために、分割が不可能な所有不動産を分割可能な不動産へ買い換えようと考えていましたが、認知症の発症により、それもできなくなってしまいました。
成年後見制度の後見・保佐・補助を使って、相続人となる子どもが相続対策を出来ると考えがちですが、実は出来ないこととなります。
成年後見制度で出来るのは、財産の現状を維持する行為、財産の性質を変えない範囲で利用し改良する行為などに限られていますので、所有財産を売却することも運用することも貸すことも出来なくなりました。
認知症などになってしまうと、判断能力が欠如してしまうので遺言もできないし、財産の組み換えなどの相続対策を出来なくなってしまいます。
それだけではなく、その後の生活に本人も家族も大いに支障をきたすこととなってしまいます。
上記の事例のようにいつ何時、認知症になってしまうなどの事態が起きるのかもわかりません。
相続対策は、元気で判断能力のあるうちに、初めなければ手遅れとなってしまうことがあります。
早目、早目の対策が無難であると言えますので、早目に専門家へ相談することが、安全な相続対策となります。
以上、『相続対策は早目に始める』についてお話させていただきました。
次回は、『財産目録作成』について、お話させていただきます。
非常に参考になりましたので、原文のままご紹介させていただきます。
「生命保険に加入するのは必要最小限にとどめましょう。子供が自立するまでの期間限定で、世帯主の万が一への備えを安く確保できれば、保険の活用法として100点満点中70点くらいは取れたことになると思います」。私は数年来、一般の方やメディアに対しこうした発言を繰り返してきました。その根拠は、2011年10月21日付「大手生保の管理職が入っていた保険とは」でご紹介した通りです。
一方で例外的といっていいくらい「大切に継続してください」と勧めてきたのが、保険会社が保険料を算出する際に使う利率(予定利率といいます)設定が高かったころの契約です。俗に「お宝保険」と呼ばれる資産性が魅力で、終身保険や養老保険、学資保険、個人年金保険などがこれに当たります。
いつごろまでに契約したものが「お宝」に該当するかという線引きは保険業界の関係者でも見解が分かれますが、1996年3月あるいは99年3月までが一般的だと認識しています。予定利率の推移を示したグラフを見ていただくと、近年の1%台と比べ高いことが分かります(なお、グラフの数字はあくまで目安です。現実には保険会社や商品、契約期間などによって異なります)。
現在50代の男性が91年に加入した個人年金保険を例に説明しましょう。総額250万円強を払い込み、60歳以降は10年間で600万円の年金受け取りが保証されています。現時点で解約しても、払い込んだ保険料の約4割増しの払戻金(解約返戻金)があります。概算すると3%超の利回りでお金が増えている計算です。保険会社が破たんでもしない限り、将来受け取る金額が約束されているので継続が望ましいと判断できます。
ちなみに、グラフでも分かるようにこの個人年金保険が販売されていた当時の予定利率は5.5%です。「予定利率と実質利回りはまったく違う」ということを改めて強調しておきたいと思います。
しかし今回、さらに強調したいのは「お宝保険=迷わず継続」とも断言できないということです。例えば92年加入のある大手生保の学資保険では、総額328万円の払い込みに対し進学時や満期の給付金受取総額が300万円となっています。貯蓄代わりに加入しているつもりが、貯蓄になっていないのです。
学資保険に「育英年金」という契約者の死亡保障が組み込まれているのが原因です。死亡保障に経費がかかる分、貯蓄性が下がっているのです。この契約者は学資保険以外の保険で、世帯主としての死亡保障は確保していて、学資保険は満期が迫っています。もっと早く把握して手を打っていたら……と悔やまれる例です。
ほかに94年加入の養老保険で満期金受け取りまでの利回りを計算すると、1.4%未満という例などもあります。入院特約にお金がかかっているためです。満期は11年後なので、入退院を繰り返すような健康状態でない限り入院特約を解約して貯蓄性を改善すべきでしょう。
読者の皆さんはこうした例を他山の石とし、加入時期や商品分類から明らかに「お宝保険」とみられるケースであっても、特に貯蓄性を重視した契約では払い込み保険料と受取総額の比較だけは怠らないでいただきたいと思います。「その程度の試算もやらない人がいるのか?」と思う方もいるでしょうが、意外に見落とされていることも多いというのが個人相談を通じた実感です。
「金利が高かったころの契約は大事にしましょう」という保険のアドバイスは一般論として間違っていないと思います。それでも「損が出ているお宝保険」も実在します。結局、継続すべきかどうかは個々の契約内容を見て判断するしかないでしょう。私自身、著書やメディアの取材などで一般的な判断基準を提示してきましたが、今回のような留意点にも触れていく必要を感じています。
【日経WEB版2013/5/24 7:00】
いかがでしたでしょうか・・・
やはり、保険の内容の確認は大事だなと感じさせられました。
できれば、一覧にまとめておくと、さらに、分かりやすく整理できそうです。
保険の見直しは、その都度都度で、おこなって確認しておくことが、無難なことのようです。
本日は、『相続対策は早いうちに始める。』について、お話させていただきます。
相続対策を行うためには、元気であることが重要です。
すなわち、認知症などの病を患っていないことが大切です。
ここで認知症を患ってしまって相続対策を中断した事例をご紹介させていただきます。
Aさん(90歳)は、昨年まで体調には不安がなく、晩酌を楽しみながら、新聞も2紙は必ず読み、いたって元気であり、家族は100歳位までは丈夫に過ごせると思っていました。
ところが、年末に階段で滑って転んだことがきっかけで寝たきりになったところ、認知症を発症してしまいました。
相続対策のために、分割が不可能な所有不動産を分割可能な不動産へ買い換えようと考えていましたが、認知症の発症により、それもできなくなってしまいました。
成年後見制度の後見・保佐・補助を使って、相続人となる子どもが相続対策を出来ると考えがちですが、実は出来ないこととなります。
成年後見制度で出来るのは、財産の現状を維持する行為、財産の性質を変えない範囲で利用し改良する行為などに限られていますので、所有財産を売却することも運用することも貸すことも出来なくなりました。
認知症などになってしまうと、判断能力が欠如してしまうので遺言もできないし、財産の組み換えなどの相続対策を出来なくなってしまいます。
それだけではなく、その後の生活に本人も家族も大いに支障をきたすこととなってしまいます。
上記の事例のようにいつ何時、認知症になってしまうなどの事態が起きるのかもわかりません。
相続対策は、元気で判断能力のあるうちに、初めなければ手遅れとなってしまうことがあります。
早目、早目の対策が無難であると言えますので、早目に専門家へ相談することが、安全な相続対策となります。
以上、『相続対策は早目に始める』についてお話させていただきました。
次回は、『財産目録作成』について、お話させていただきます。
13年05月21日 08時53分44秒
Posted by: arakisouzoku
本日の日経WEB版に相続のときの代償分割の注意点についての記事が掲載されていました。
代償分割とは、長男が相続財産の価額うちの大半を占める自宅を取得するときに他の相続人である兄弟に、相続分の不足分を長男がたの兄弟に支払うことをいいます。
その資金を調達するために、資産(株式や不動産など)を売却した時の譲渡益からは、代償分割として他の相続人に支払った金額は経費として差し引けないこととなります。
このことは、なかなか、理解しにくいことのようです。
こういった、代償分割に潜むリスクについて分かりやすく説明されていますので、原文のまま、ご紹介させていただきます。
遺産相続の際に土地などの名義を自分に集めてもらい、その代わりに他の相続人に対しては自腹を切る形で補填する――。「代償分割」と呼ばれる手法ですが、実践にあたっては押さえておきたいポイントが少なくありません。
故人が残した遺産の構成によっては、例えば不動産の名義を誰かひとりだけが相続すると不公平になり、他の相続人が納得しないという場合も十分ありえます。そうなれば遺産の中だけですべてを調整することは難しくなりますから、得をする人間が自己資金を使ってバランスを取らないかぎり、話が前に進まないということも出てくるでしょう。
しかしながら、手続きを進めて行く前後には、もちろんメリットだけではなくデメリットも同時に発生します。リスクや不利益となる部分についても把握しながら、全体像をしっかりと見極めていく必要があるといえるでしょう。なかでもトラブルの火種となりやすいのは、遺産分けが終わったあとに個々に降りかかってくる「思わぬ出費」です。
長男「そんなバカな……。もう一度、ちゃんと計算してもらえませんか?」
税理士「落ち着いて下さい。そんなに興奮なさらずに」
長男「姉たちだってずいぶん得をしたはずでしょう? なんで僕だけにこんなに税金がかかってくるんですか!?」
税理士「他の方々は、今回の土地の売却とは無関係ですからね……」
長男「でもね、遺産分けのときに、この土地を僕の名義にしてもらう代わりに、僕個人の3千万円もの大金を姉たちに渡しているんですよ。土地が売れたからって、その渡したお金を考えたらね、僕のもうけなんて全然ないんだから」
税理士「残念ながらその3千万円という大金は、今回は当該土地を取得するために使った経費には含まれないということになります。土地を売って利益が出た分、きちんと所得税を納めていただかないといけません」
長男「そんなこと言われても……。僕だけがこの税金をかぶるなんてどう考えたって納得できないですよ」
代償分割というのは、あくまで遺産分けの手段の一つとして行うものです。現物の名義が変わり、お金は動きますが、つまるところお金自体は売買代金として支払われるわけではありません。したがって、他の相続人へ支払ったお金(代償金)は、土地を購入するという「仕入れ」に使った経費や対価とはみなされません。
例えば、父親の遺産である土地を兄・弟・姉・妹の4人で相続する家族があったとしましょう。このときに代償分割の形をとって、長男ひとりに土地の名義を集め、代償として長男は他の3人に対して1000万円ずつを払うことになったとします。この時点で長男は「1000万円×3」で3000万円のコストを負担したことになるわけですが、後日長男がこの土地を売りに出し、仮に4000万円で売れたとしたら、長男のもうけはいくらになるのでしょうか。
なんとなく、長男がこの土地を手に入れるのには3000万円もかかっているから、長男のもうけはその分を差し引いて、差額の1000万円だけになるのでは……と思ってしまいがちです。ところが、そうはならない、という取り扱いがあるのです。
これが、きちんとした「売買」の形であれば、土地の仕入れに使ったお金はそのまま利益から差し引いて計算してもらえます。しかし、「代償分割」の場合はそうはならないという取り扱いが明文化されています(所得税法基本通達38-7)。現状では、いくら大金を使って苦労して土地の名義を自分のものに変えたとしても、その代償金は仕入れに使った取得費とはみなされず、売却で出た利益から引いてもらえることはありません。このあたりの認識にギャップが生じていると、後々大変な目に遭う危険性も考えられます。
この他にも、代償分割の方法を選んだ場合に、課税関係に通常の相続とは異なる部分が出てくるケースがあります。代償分割だと、やりとりが起こるのは故人の遺産についてだけではありません。遺産をもらう代わりに、誰かが身銭を切っているわけですから、生きている相続人の個人資産も移動しているということになります。
そうなると、ことは亡くなった人の「相続税」の範囲だけにはおさまりません。プライベートな資産が動いたことによる、相続人個人の「所得税」の話が絡んでくるのです。しかもこの所得税は、相続税とは違って相続人全員が対象となるわけではありません。他の相続人からすれば、「お前ひとりの問題だろう」と切り捨てられてしまいがちな側面も持ち合わせているのです。
例えば不動産が対象となるケースなどでは、数千万円、あるいはそれ以上の単位での価値が付くような高額の資産であるという場合も珍しくありません。その高額な資産を代償分割の形で相続しようというのですから、代わりに支払うことになる他の相続人たちへの代償金についても、やはり相当な額になってしまったとしても不思議ではありません。手元にある現金だけでは全部がまかなえないという場面も出てくるでしょう。
となれば、代償金にあてるために、自身が所有していた株式や不動産などを売ってお金に換えて渡す、あるいはそのまま現物の形で渡す、ということが必要になってきます。カネに換えるにせよ、モノのままで渡すにせよ、どちらにしてもいったん誰かに譲り渡すというアクションが必要になるということです。そして、この「譲渡」というアクションに対しては、「譲渡所得税」がかかるかもしれない……というリアクションの問題が常につきまとってくることになるのです
そして、結果的に譲渡所得税が発生してしまったとしたら、その税金を払わなければならないのはいったい誰になるのでしょうか。実はこの負担は、代償金を「もらう」ことになる相手側に行くわけではありません。逆に、相手に渡すお金を用立てるためにモノを処分することになった側、つまり代償金を「払う」側にさらに負担がかかってしまうということになるのです。「いや、これはあくまで相手方に支払うための一時的な資金でしてね。私がずっと持ってるものじゃないんですよ。だから私のほうに税金はかけないでいただけますか……」という話は、基本的に通用しないということです。
たしかに、遺産分けの現場では「現物で分けるのが難しい」「かといって、売却して分けることもできない」といった種類の資産が出てくることがあります。そんなとき、自分の私的な資産から補う形を取ってバランスを取り、遺産を上手に残すという代償分割の方法が現実的な解決の糸口となるケースもあるでしょう。
ただし、代償分割を選ぶとなると、権利関係や課税のされ方については、どうしても通常の遺産分けの場合よりも複雑なものとなりがちです。そういった意味では、当事者にとって想定外のことが起きるリスクは、より大きくなってしまうように思います。
ひとつやり方を間違えれば、思いもよらぬ形で課税が発生するなど、大きなトラブルが起こり得ます。代償分割の方法での遺産分けを検討する場合には、後日の憂いを防ぐためにも、税理士などの専門家の力を借りつつ慎重に進めていくことが好ましいといえるでしょう。
【日経WEB 2013/5/21 7:00】
いかがでしたでしょうか・・・
税金は、よくよく、理解していないと、思わぬ課税の対象となってしまうことがありそうです。
くれぐれも、専門家と相談しながら・・・慎重な対応が求められそうです・・・
本日は、前回に続いて、『相続人に関する相続事例』について、お話させていただきます。
1 会ったことのない甥っ子さんに財産が相続されるケース
東京在住のA男さんとその奥さんB子さんは、一心不乱に働き続けて、裸一貫から都心の青山に100坪の家を持つことができました。
A男さんとB子さんに子どもはなく、2人住まいでした。
そして、A男さんが、突然、亡くなってしまいました。
相続の手続きを依頼した税理士にA男さんの亡くなったお兄さんに認知した男の子がいることを知らされました。
そのお兄さんは、子どもがいないものと思い込んでいましたので、全く予想外のことでした。
その義兄の認知した子どもにも相続権があり、A男さんの財産の4分の1は義兄の子どものものになりますと聞いて愕然となりました。
A男さんが、生前に、全財産をB子さんに相続しますと遺しておけば、このようなことにならなかったのですが、その手続きを踏む間もなく、亡くなってしまったわけです。
B子さんは、A男さんの遺した財産の価値のほとんどが自宅の不動産となりますので、遺産分割のためには、その自宅を売らざるを得なくなるかもしれないと、不安な日々を送ることとなってしましました。
このように、お子さんがいらっしゃらない場合や、婚外子がいる、再婚している、あるいは内縁関係などの複雑な事情があるときは、あらかじめ、相続人に該当する人をはっきりさせておくことが、とても重要なこととかってきます。
元気なうちに、相続人の確認、相続財産の棚卸と評価、相続税の有無の検証、等々を初めておくことが必要です。
次回は、『相続対策は元気なうちに』について、お話させていただきます。
代償分割とは、長男が相続財産の価額うちの大半を占める自宅を取得するときに他の相続人である兄弟に、相続分の不足分を長男がたの兄弟に支払うことをいいます。
その資金を調達するために、資産(株式や不動産など)を売却した時の譲渡益からは、代償分割として他の相続人に支払った金額は経費として差し引けないこととなります。
このことは、なかなか、理解しにくいことのようです。
こういった、代償分割に潜むリスクについて分かりやすく説明されていますので、原文のまま、ご紹介させていただきます。
遺産相続の際に土地などの名義を自分に集めてもらい、その代わりに他の相続人に対しては自腹を切る形で補填する――。「代償分割」と呼ばれる手法ですが、実践にあたっては押さえておきたいポイントが少なくありません。
故人が残した遺産の構成によっては、例えば不動産の名義を誰かひとりだけが相続すると不公平になり、他の相続人が納得しないという場合も十分ありえます。そうなれば遺産の中だけですべてを調整することは難しくなりますから、得をする人間が自己資金を使ってバランスを取らないかぎり、話が前に進まないということも出てくるでしょう。
しかしながら、手続きを進めて行く前後には、もちろんメリットだけではなくデメリットも同時に発生します。リスクや不利益となる部分についても把握しながら、全体像をしっかりと見極めていく必要があるといえるでしょう。なかでもトラブルの火種となりやすいのは、遺産分けが終わったあとに個々に降りかかってくる「思わぬ出費」です。
長男「そんなバカな……。もう一度、ちゃんと計算してもらえませんか?」
税理士「落ち着いて下さい。そんなに興奮なさらずに」
長男「姉たちだってずいぶん得をしたはずでしょう? なんで僕だけにこんなに税金がかかってくるんですか!?」
税理士「他の方々は、今回の土地の売却とは無関係ですからね……」
長男「でもね、遺産分けのときに、この土地を僕の名義にしてもらう代わりに、僕個人の3千万円もの大金を姉たちに渡しているんですよ。土地が売れたからって、その渡したお金を考えたらね、僕のもうけなんて全然ないんだから」
税理士「残念ながらその3千万円という大金は、今回は当該土地を取得するために使った経費には含まれないということになります。土地を売って利益が出た分、きちんと所得税を納めていただかないといけません」
長男「そんなこと言われても……。僕だけがこの税金をかぶるなんてどう考えたって納得できないですよ」
代償分割というのは、あくまで遺産分けの手段の一つとして行うものです。現物の名義が変わり、お金は動きますが、つまるところお金自体は売買代金として支払われるわけではありません。したがって、他の相続人へ支払ったお金(代償金)は、土地を購入するという「仕入れ」に使った経費や対価とはみなされません。
例えば、父親の遺産である土地を兄・弟・姉・妹の4人で相続する家族があったとしましょう。このときに代償分割の形をとって、長男ひとりに土地の名義を集め、代償として長男は他の3人に対して1000万円ずつを払うことになったとします。この時点で長男は「1000万円×3」で3000万円のコストを負担したことになるわけですが、後日長男がこの土地を売りに出し、仮に4000万円で売れたとしたら、長男のもうけはいくらになるのでしょうか。
なんとなく、長男がこの土地を手に入れるのには3000万円もかかっているから、長男のもうけはその分を差し引いて、差額の1000万円だけになるのでは……と思ってしまいがちです。ところが、そうはならない、という取り扱いがあるのです。
これが、きちんとした「売買」の形であれば、土地の仕入れに使ったお金はそのまま利益から差し引いて計算してもらえます。しかし、「代償分割」の場合はそうはならないという取り扱いが明文化されています(所得税法基本通達38-7)。現状では、いくら大金を使って苦労して土地の名義を自分のものに変えたとしても、その代償金は仕入れに使った取得費とはみなされず、売却で出た利益から引いてもらえることはありません。このあたりの認識にギャップが生じていると、後々大変な目に遭う危険性も考えられます。
この他にも、代償分割の方法を選んだ場合に、課税関係に通常の相続とは異なる部分が出てくるケースがあります。代償分割だと、やりとりが起こるのは故人の遺産についてだけではありません。遺産をもらう代わりに、誰かが身銭を切っているわけですから、生きている相続人の個人資産も移動しているということになります。
そうなると、ことは亡くなった人の「相続税」の範囲だけにはおさまりません。プライベートな資産が動いたことによる、相続人個人の「所得税」の話が絡んでくるのです。しかもこの所得税は、相続税とは違って相続人全員が対象となるわけではありません。他の相続人からすれば、「お前ひとりの問題だろう」と切り捨てられてしまいがちな側面も持ち合わせているのです。
例えば不動産が対象となるケースなどでは、数千万円、あるいはそれ以上の単位での価値が付くような高額の資産であるという場合も珍しくありません。その高額な資産を代償分割の形で相続しようというのですから、代わりに支払うことになる他の相続人たちへの代償金についても、やはり相当な額になってしまったとしても不思議ではありません。手元にある現金だけでは全部がまかなえないという場面も出てくるでしょう。
となれば、代償金にあてるために、自身が所有していた株式や不動産などを売ってお金に換えて渡す、あるいはそのまま現物の形で渡す、ということが必要になってきます。カネに換えるにせよ、モノのままで渡すにせよ、どちらにしてもいったん誰かに譲り渡すというアクションが必要になるということです。そして、この「譲渡」というアクションに対しては、「譲渡所得税」がかかるかもしれない……というリアクションの問題が常につきまとってくることになるのです
そして、結果的に譲渡所得税が発生してしまったとしたら、その税金を払わなければならないのはいったい誰になるのでしょうか。実はこの負担は、代償金を「もらう」ことになる相手側に行くわけではありません。逆に、相手に渡すお金を用立てるためにモノを処分することになった側、つまり代償金を「払う」側にさらに負担がかかってしまうということになるのです。「いや、これはあくまで相手方に支払うための一時的な資金でしてね。私がずっと持ってるものじゃないんですよ。だから私のほうに税金はかけないでいただけますか……」という話は、基本的に通用しないということです。
たしかに、遺産分けの現場では「現物で分けるのが難しい」「かといって、売却して分けることもできない」といった種類の資産が出てくることがあります。そんなとき、自分の私的な資産から補う形を取ってバランスを取り、遺産を上手に残すという代償分割の方法が現実的な解決の糸口となるケースもあるでしょう。
ただし、代償分割を選ぶとなると、権利関係や課税のされ方については、どうしても通常の遺産分けの場合よりも複雑なものとなりがちです。そういった意味では、当事者にとって想定外のことが起きるリスクは、より大きくなってしまうように思います。
ひとつやり方を間違えれば、思いもよらぬ形で課税が発生するなど、大きなトラブルが起こり得ます。代償分割の方法での遺産分けを検討する場合には、後日の憂いを防ぐためにも、税理士などの専門家の力を借りつつ慎重に進めていくことが好ましいといえるでしょう。
【日経WEB 2013/5/21 7:00】
いかがでしたでしょうか・・・
税金は、よくよく、理解していないと、思わぬ課税の対象となってしまうことがありそうです。
くれぐれも、専門家と相談しながら・・・慎重な対応が求められそうです・・・
本日は、前回に続いて、『相続人に関する相続事例』について、お話させていただきます。
1 会ったことのない甥っ子さんに財産が相続されるケース
東京在住のA男さんとその奥さんB子さんは、一心不乱に働き続けて、裸一貫から都心の青山に100坪の家を持つことができました。
A男さんとB子さんに子どもはなく、2人住まいでした。
そして、A男さんが、突然、亡くなってしまいました。
相続の手続きを依頼した税理士にA男さんの亡くなったお兄さんに認知した男の子がいることを知らされました。
そのお兄さんは、子どもがいないものと思い込んでいましたので、全く予想外のことでした。
その義兄の認知した子どもにも相続権があり、A男さんの財産の4分の1は義兄の子どものものになりますと聞いて愕然となりました。
A男さんが、生前に、全財産をB子さんに相続しますと遺しておけば、このようなことにならなかったのですが、その手続きを踏む間もなく、亡くなってしまったわけです。
B子さんは、A男さんの遺した財産の価値のほとんどが自宅の不動産となりますので、遺産分割のためには、その自宅を売らざるを得なくなるかもしれないと、不安な日々を送ることとなってしましました。
このように、お子さんがいらっしゃらない場合や、婚外子がいる、再婚している、あるいは内縁関係などの複雑な事情があるときは、あらかじめ、相続人に該当する人をはっきりさせておくことが、とても重要なこととかってきます。
元気なうちに、相続人の確認、相続財産の棚卸と評価、相続税の有無の検証、等々を初めておくことが必要です。
次回は、『相続対策は元気なうちに』について、お話させていただきます。
13年05月19日 17時32分47秒
Posted by: arakisouzoku
来月16日(日)の10時から吾妻交流センターで、相続についてのセミナー講師をさせて頂くことは、以前にもお話しさせていただきました、
いま、まさにセミナーレジメ作成の佳境に入ってきました。
なるべく、分かりやすくて、中身の濃いものをできればと考えておりますが・・・
欲張りすぎて、内容盛りだくさんとなると、伝えたいことが、かえって、伝わらなくなる恐れもあります。
毎回そうなのですが、内容盛りこみすぎで、聞いている人が疲れてしまう傾向があるようです。
時間を考えて、内容を絞ってとは、思っていますが・・・
ついつい、これもあれもとなってしまいます。
もっとも、相続人に関するお話は局部的に分かり易くお話をしても、全体像がみえてこないと本質的な理解はできないのではという思いもあります。
相続財産の大半は不動産が占めています。
その不動産についてもどのようにお話しようか・・・
また、相続の分割や納税にとって有効な生命保険の活用のしかたなど・・・
そして、根本的な遺産分割や相続手続の基本知識・・・
さらに、税金・・・相続税の計算の仕組みから節税の考え方まで・・・
それに、今年の税制改正にかんすること・・・
お話すべきこと、したいことは、山ほどあります。
さて・・・どのようにまとめにはいるか・・・
もう少し、迷いながら・・・完成にもっていきたいと思っています。
本日は、相続人かんする相続事例について、お話させていただきます。
1 連れ子を養子縁組して実子の相続分が激減した例
20億円の財産を遺したA男さん。
妻のB子さんとは再婚同士です。
A男さんには前妻との間にC男さんという長男がいます。
また、B子さんは前夫との間にD子さんという娘がいました。
再婚時に、A男さんはすでに成人していて独立していました。
一方のD子さんはまだ小学生でしたので、A男さんはD子さんを養子縁組をしました。
その後、A男さんが亡くなり相続が発生しました。
A男さんの財産の2分の1が『後妻のB子さん』に、4分の1が『長男のC男さん』と『連れ子の養子のD子さん』に行きました。
そして後妻のB子さんが亡くなりました。
B子さんは、長男のC男さんと養子縁組をしていませんでした。
そして、B子さんの全財産が、連れ子のD子さんにいき、長男のC男さんへの相続分はありませんでした。
結果として、A男さんの財産は、A男さんとの血のつながりのない連れ子のD子さんに4分の3、血のつながりのある長男のC男さんには4分の1しか相続されない結果となりました。
このようなケースが起こり得るような再婚等をされた時は、遺言書をのこして、自分と血のつながりのあるA男さんに相応の財産がいくような配慮が欲しかったと思います。
このように、民法の定めの通りに事を進めていくと、時には自分の直系血族に財産が少ししか行かない事もありますので注意が必要です。
以上、『相続人に関する相続事例①』について、お話させていただきました。
次回は、『相続人に関する相続事例②』について、お話させていただきます。
いま、まさにセミナーレジメ作成の佳境に入ってきました。
なるべく、分かりやすくて、中身の濃いものをできればと考えておりますが・・・
欲張りすぎて、内容盛りだくさんとなると、伝えたいことが、かえって、伝わらなくなる恐れもあります。
毎回そうなのですが、内容盛りこみすぎで、聞いている人が疲れてしまう傾向があるようです。
時間を考えて、内容を絞ってとは、思っていますが・・・
ついつい、これもあれもとなってしまいます。
もっとも、相続人に関するお話は局部的に分かり易くお話をしても、全体像がみえてこないと本質的な理解はできないのではという思いもあります。
相続財産の大半は不動産が占めています。
その不動産についてもどのようにお話しようか・・・
また、相続の分割や納税にとって有効な生命保険の活用のしかたなど・・・
そして、根本的な遺産分割や相続手続の基本知識・・・
さらに、税金・・・相続税の計算の仕組みから節税の考え方まで・・・
それに、今年の税制改正にかんすること・・・
お話すべきこと、したいことは、山ほどあります。
さて・・・どのようにまとめにはいるか・・・
もう少し、迷いながら・・・完成にもっていきたいと思っています。
本日は、相続人かんする相続事例について、お話させていただきます。
1 連れ子を養子縁組して実子の相続分が激減した例
20億円の財産を遺したA男さん。
妻のB子さんとは再婚同士です。
A男さんには前妻との間にC男さんという長男がいます。
また、B子さんは前夫との間にD子さんという娘がいました。
再婚時に、A男さんはすでに成人していて独立していました。
一方のD子さんはまだ小学生でしたので、A男さんはD子さんを養子縁組をしました。
その後、A男さんが亡くなり相続が発生しました。
A男さんの財産の2分の1が『後妻のB子さん』に、4分の1が『長男のC男さん』と『連れ子の養子のD子さん』に行きました。
そして後妻のB子さんが亡くなりました。
B子さんは、長男のC男さんと養子縁組をしていませんでした。
そして、B子さんの全財産が、連れ子のD子さんにいき、長男のC男さんへの相続分はありませんでした。
結果として、A男さんの財産は、A男さんとの血のつながりのない連れ子のD子さんに4分の3、血のつながりのある長男のC男さんには4分の1しか相続されない結果となりました。
このようなケースが起こり得るような再婚等をされた時は、遺言書をのこして、自分と血のつながりのあるA男さんに相応の財産がいくような配慮が欲しかったと思います。
このように、民法の定めの通りに事を進めていくと、時には自分の直系血族に財産が少ししか行かない事もありますので注意が必要です。
以上、『相続人に関する相続事例①』について、お話させていただきました。
次回は、『相続人に関する相続事例②』について、お話させていただきます。
13年05月17日 15時35分24秒
Posted by: arakisouzoku
NPO法人相続士協会では、『相続士資格試験』を、7月21日(日)に実施します。
相続の基本的なことから実務的なことまで、試験を受けるための学習を通して学ぶことができます。
相続士の資格試験にあたっては、テキストとDVD収録の講義を観ながら学習をして頂いてから、受験していただくこととなっています。
『相続士資格試験』用のテキストと講義DVDの特徴は、何といっても4分野の専門家が、4つの分野をそれぞれ担当して作成したことだと思います。
分野としては、①税法(相続税)②不動産③民法(遺産分割)④保険の4分野となっています。
私は、不動産の分野を担当させていただいております。
相続と不動産の関係は、何といっても相続財産のうちに占める不動産の割合が50%を超えてくることでしょう。
この50%という数値は、全国平均、それも路線価をベースとした不動産の価額でのお話しです。
三大都市圏や県庁所在地周辺の市町村などでは、その不動産の占める比率は、もっと上がってくることでしょう。
極端な話、東京周辺では、その比率は70%超になってくるかもしれません。
とにもかくにも、相続財産のうちに占める不動産の割合が、70%等になってきますと、不動産の特性である、分けにくい、換価しにくい、流動性が低い、ことから、相続が起きた時に、その遺産分割や納税に難しさが生じてきます。
誰に、どうやって、どの不動産を分けるか・・・
または、相続税の納税額が生じた時に、金融資産では支払きれない場合は、不動産で納税するほかないケースは、多々あります。
手持ちの不動産を売却して納税するのか、どの不動産から売却すればよいのか、はたまた、物納で納税するのか、物納できる要件を満たしているのか、等々・・・
相続対策では、不動産の対処の仕方一つで、その後の資産防衛に大きな影響が及んでくることとなってきます。
とにかく、よりよい相続対策の実践のためには、不動産の調査や現状分析は欠かせません。
すべての不動産を、自分の目で確認して、今後の活用等を真剣に考えて、残しておきたい優先順位などを決めておくべきでしょう。
また、不動産は自宅だけといったような方でも、都心近郊等の時価の高いところにお住まいの方は、今回の税制改正による基礎控除額の減額により、相続税の納税には注意しなければなりません。
小規模宅地等の特例の適用を使えるか否かで、大きく、納税額が左右されますので、誰にその自宅を上げるのかも明確に遺言等で意思表示しておいた方が賢明です。
配偶者が住宅を取得すれば、必ず、小規模宅地等の特例は使えますが、子どもの場合は、原則、同居が条件となってきます。(同居していない場合でも一定の要件を満たせば使えますが基本は同居と考えていた方が無難です。)
これからは、自宅を引き継ぐ子どもを決めておくか否かで、相続税の納税についての影響も大きくなってくることでしょう。
このように、相続税、遺産分割にとって大きく不動産は関わってくることとなってきます。
また、生命保険は、相続対策のうえで、遺産分割のための資金(例えば、代償分割等)や納税資金の準備に欠かせない手段となります。
被相続人の死亡に伴って、まとまった資金が入ってくるわけですから、相続には欠かせない金融商品となってきます。
もっとも、日本版ISAの登場によって、終身保険のほか、投信や株式等の金融資産で準備することも考えられるでしょう。
このように、考えてきますと、この4つの分野がお互いに関連しあって、それで相続対策ができあがってくると言えるでしょう。
ぜひ、この4つの分野を万遍なく身につけていただいて、相続の専門家として、広く、ご活躍頂きたいと思っています。
相続士資格試験のご案内は、次のHPでご覧いただけます。
http://www.souzoku.gr.jp
ぜひ、ご検討してみてください・・・
本日は、前回に引き続き『争続対策と相続税対策』について、お話させていただきます。
◇その1 相続人の確定
相続について考える場合には、まず、誰が相続人であるかを判明させる必要があります。
法定相続の場合は、相続人の順位を設けてあり、配偶者は常に相続人となります。
第1順位
被相続人に子供がいれば、相続人は子供と配偶者となります。
したがって、直系尊属(父母祖父祖母)や兄弟姉妹は相続人とはなりません。
第2順位
被相続人に子どもがいなく、かつ、その子どもに代襲者(孫)がいなければ、相続人は直系尊属と配偶者となります。
したがって、兄弟姉妹は相続人にはなれないこととなります。
第3順位
被相続人に子どもがいなく、かつ、その子どもに代襲者がいなく、かつ、直系尊属がいない場合は、相続人は兄弟姉妹と配偶者となります。
ところで、養子は実子と同じように相続人になれますが、税法上は、実子がいない場合は2人まで、実子がいる場合は1人までしか、養子を法定相続人の数に算入できないこととされています。
ただし、配偶者の連れ子を養子にした場合は、その連れ子は実子とみなされることとなっていますので、養子の数の制限を受けることはありません。
その他、民法の規定による特別養子縁組(戸籍上、実親との親子関係が切れます。)により被相続人の養子となった者は、税法上は実子とみなされますので、養子の数の制限を受けることはありません。
そのほかにも、養子の代襲相続人(養子縁組の後に生まれた代襲相続人に限る)等などは養子の数の制限を受けない場合がありますので、注意が必要です。
詳細の規定によるところがありますので、養子がいらっしゃるときには、あらかじめ、専門家に確認しておくことが無難です。
以上、今回は相続人の確定について、お話させていただきました。
次回は、『相続人に係わる相続事例』について、お話させていただきます。
相続の基本的なことから実務的なことまで、試験を受けるための学習を通して学ぶことができます。
相続士の資格試験にあたっては、テキストとDVD収録の講義を観ながら学習をして頂いてから、受験していただくこととなっています。
『相続士資格試験』用のテキストと講義DVDの特徴は、何といっても4分野の専門家が、4つの分野をそれぞれ担当して作成したことだと思います。
分野としては、①税法(相続税)②不動産③民法(遺産分割)④保険の4分野となっています。
私は、不動産の分野を担当させていただいております。
相続と不動産の関係は、何といっても相続財産のうちに占める不動産の割合が50%を超えてくることでしょう。
この50%という数値は、全国平均、それも路線価をベースとした不動産の価額でのお話しです。
三大都市圏や県庁所在地周辺の市町村などでは、その不動産の占める比率は、もっと上がってくることでしょう。
極端な話、東京周辺では、その比率は70%超になってくるかもしれません。
とにもかくにも、相続財産のうちに占める不動産の割合が、70%等になってきますと、不動産の特性である、分けにくい、換価しにくい、流動性が低い、ことから、相続が起きた時に、その遺産分割や納税に難しさが生じてきます。
誰に、どうやって、どの不動産を分けるか・・・
または、相続税の納税額が生じた時に、金融資産では支払きれない場合は、不動産で納税するほかないケースは、多々あります。
手持ちの不動産を売却して納税するのか、どの不動産から売却すればよいのか、はたまた、物納で納税するのか、物納できる要件を満たしているのか、等々・・・
相続対策では、不動産の対処の仕方一つで、その後の資産防衛に大きな影響が及んでくることとなってきます。
とにかく、よりよい相続対策の実践のためには、不動産の調査や現状分析は欠かせません。
すべての不動産を、自分の目で確認して、今後の活用等を真剣に考えて、残しておきたい優先順位などを決めておくべきでしょう。
また、不動産は自宅だけといったような方でも、都心近郊等の時価の高いところにお住まいの方は、今回の税制改正による基礎控除額の減額により、相続税の納税には注意しなければなりません。
小規模宅地等の特例の適用を使えるか否かで、大きく、納税額が左右されますので、誰にその自宅を上げるのかも明確に遺言等で意思表示しておいた方が賢明です。
配偶者が住宅を取得すれば、必ず、小規模宅地等の特例は使えますが、子どもの場合は、原則、同居が条件となってきます。(同居していない場合でも一定の要件を満たせば使えますが基本は同居と考えていた方が無難です。)
これからは、自宅を引き継ぐ子どもを決めておくか否かで、相続税の納税についての影響も大きくなってくることでしょう。
このように、相続税、遺産分割にとって大きく不動産は関わってくることとなってきます。
また、生命保険は、相続対策のうえで、遺産分割のための資金(例えば、代償分割等)や納税資金の準備に欠かせない手段となります。
被相続人の死亡に伴って、まとまった資金が入ってくるわけですから、相続には欠かせない金融商品となってきます。
もっとも、日本版ISAの登場によって、終身保険のほか、投信や株式等の金融資産で準備することも考えられるでしょう。
このように、考えてきますと、この4つの分野がお互いに関連しあって、それで相続対策ができあがってくると言えるでしょう。
ぜひ、この4つの分野を万遍なく身につけていただいて、相続の専門家として、広く、ご活躍頂きたいと思っています。
相続士資格試験のご案内は、次のHPでご覧いただけます。
http://www.souzoku.gr.jp
ぜひ、ご検討してみてください・・・
本日は、前回に引き続き『争続対策と相続税対策』について、お話させていただきます。
◇その1 相続人の確定
相続について考える場合には、まず、誰が相続人であるかを判明させる必要があります。
法定相続の場合は、相続人の順位を設けてあり、配偶者は常に相続人となります。
第1順位
被相続人に子供がいれば、相続人は子供と配偶者となります。
したがって、直系尊属(父母祖父祖母)や兄弟姉妹は相続人とはなりません。
第2順位
被相続人に子どもがいなく、かつ、その子どもに代襲者(孫)がいなければ、相続人は直系尊属と配偶者となります。
したがって、兄弟姉妹は相続人にはなれないこととなります。
第3順位
被相続人に子どもがいなく、かつ、その子どもに代襲者がいなく、かつ、直系尊属がいない場合は、相続人は兄弟姉妹と配偶者となります。
ところで、養子は実子と同じように相続人になれますが、税法上は、実子がいない場合は2人まで、実子がいる場合は1人までしか、養子を法定相続人の数に算入できないこととされています。
ただし、配偶者の連れ子を養子にした場合は、その連れ子は実子とみなされることとなっていますので、養子の数の制限を受けることはありません。
その他、民法の規定による特別養子縁組(戸籍上、実親との親子関係が切れます。)により被相続人の養子となった者は、税法上は実子とみなされますので、養子の数の制限を受けることはありません。
そのほかにも、養子の代襲相続人(養子縁組の後に生まれた代襲相続人に限る)等などは養子の数の制限を受けない場合がありますので、注意が必要です。
詳細の規定によるところがありますので、養子がいらっしゃるときには、あらかじめ、専門家に確認しておくことが無難です。
以上、今回は相続人の確定について、お話させていただきました。
次回は、『相続人に係わる相続事例』について、お話させていただきます。
13年05月16日 16時57分46秒
Posted by: arakisouzoku
昨日、日経平均株価が1万5000円を突破しました。
この株価は、外国人投資家の買い越しによって牽引してきた結果のようです。
昨日に日経WEBにこの株高に警鐘を鳴らす記事が掲載されていましたので、原文のまま、ご紹介させていただきます。
なかなか、不慣れな投資家が投資するにはリスクが高すぎる状況のようです。
先ずは、日経WEB の記事をご覧になってください。
円相場が5月10日に1ドル=100円の壁を突破し、その後約4年7カ月ぶりの水準となる102円台まで円安が進みました。株式市場ではこれを好感し、日経平均株価は15日終値で約5年4カ月ぶりに1万5000円台を回復しました。
しかし、2012年秋以降の日本株高は外国人投資家が大幅な買い越しでけん引してきた相場です。彼らが大幅な売り越しに転じれば、大幅安は避けられません。4月3日付「外国人買い越しに変調 日本株を覆う6つの懸念」や5月1日付「日本株4週ぶり売り越し 外国人に2つの誤算」でも指摘した通りです。
「株価が高くなればなるほど株を買いたくなり、安くなるほど売りたくなる」というのが個人投資家が陥りやすい心理ですから、このところの高値更新に焦りを感じている人も少なくないはずです。投資家が高値づかみに終わる傾向があるのは、こうした心理により全体の相場観を見失ってしまうからです。
しかし株式投資で成功するためには、その逆のことをしなければなりません。「悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である」――。米著名投資家で逆張りの名人だった故ジョン・テンプルトンの言葉です。これだけ高値が進んだ状況で新たな買いに走れば、かなりの高値づかみになる可能性があります。
個別銘柄を見渡してみても、業績や財務内容などから判断して割安といえる銘柄はほとんど見当たらなくなっています。「円安で高値が目立つ輸出株に比べれば……」という相対的な割安感や出遅れ感から買われている業種・銘柄が大半です。そういう意味では、いまの株式相場は投資というより投機、マネーゲームの段階に入ってきたといえるでしょう。株式投資経験の浅い投資家がうかつに手を出すのは禁物です。
その半面、日経平均が8500円以下だったころに株式投資を始めた長期投資家にとっては、いまが絶好の売り場到来だといえます。こうした投資家には持ち株を何回かに分けて利食い売りすることを4月17日付「割高相場で損しない 出遅れ投資初心者に2つの道」などでお勧めしてきました。日経平均が1万円を突破した後、さらに1000円単位の大台を切り上げるたびに少しずつ売っていくのが利食いのコツです。既に5~6割程度の株を利益確定売りした人もいると思います。残った株の半分ほどはもう少し待って、相場が天井を打ったこと(外国人が大幅な売り越しに転じたこと)を確認してから利食い売りしても遅くはありません。
円安が進めば株価は上昇し、円安が一服すれば株価も一服するという状態が続いています。しかし円安が果たして日本経済にプラスなのかどうか、私は疑問を抱いています。円が対ドルで100円台になった最大の原因は、12年度の貿易収支が大幅な赤字になったことに加え、経常黒字が大幅に減ったことが挙げられます。米国の景気回復への期待が高まっていることも要因の一つです。
財政収支と貿易収支の「双子の赤字」は米国を長年苦しめ、ドル売りの大きな原因となってきました。しかし米国はシェールガス革命の進展により貿易赤字が大幅に縮小しており、近い将来には黒字転換する見通しが強まっています。
一方で日本でも財政赤字はあったものの、貿易黒字と経常黒字が続いてきたためそれほど問題視されませんでした。ところが貿易収支が11年度から赤字に転落、経常黒字も大幅に縮小し赤字転落する可能性が強まっています。日本は米国に代わり、双子の赤字に頭を痛める国に転落しつつあるのです。
双子の赤字が問題視されていた当時の米国は、たびたびドル安が急速に進む危機に見舞われました。日本も双子の赤字に苦しむようになれば、円危機(超円安)に陥る可能性が大きいということになります。ついに100円台まで円安が進んだのは、日本の将来を懸念した投機筋の動きととらえることもできるでしょう。
11年に75円台をつけた歴史的な円高から100円の大台までの是正は、安倍晋三政権の「アベノミクス」と日銀の異次元緩和策への期待、政府高官の口先介入によるものでした。しかしこれ以上の円安は貿易赤字の拡大と経常黒字の縮小、あるいは日本の機関投資家の外債投資拡大などがもたらすものといえそうです。120円あたりまで円安が加速すれば、その先は超円安時代も視野に入ってくるでしょう。
過去20年間を振り返ると、1998年8月に147.25円、2002年2月には134.81円という円安を記録しています。いずれの年も円と株式、債券のトリプル安に見舞われ、経済成長率がマイナスに落ち込んでいます。98年にはたまりかねた日本政府が円買い・ドル売りの市場介入に踏み切ったほどでした。
いまの円安がさらに進み、98年や2002年に続く超円安になるとすれば、その最大の材料は際限なく膨らみ続ける日本政府の借金でしょう。日本の借金残高は対国内総生産(GDP)比で235%の約1000兆円に達しており、ジンバブエなど特殊な国を除けば世界最悪の借金国です。地方分も加えれば日本の借金は1200兆円に上ります。
しかも、いまだに国の支出は税収をはるかに上回っており、借金が膨らむことは避けられません。自民・公明党政権が進めようとしている10年間で200兆円の「国土強靭化計画」が実現すれば、さらに借金に拍車がかかることになります。
その一方で、日本の将来推計人口は2050年前後から1億人を割り込み、大きく減少する見通しです。人口が大幅に減少すれば膨大な借金の返済はますます困難になり、日本国債の債務不履行(デフォルトという悪夢が現実のものとなる可能性が出てきます。ヘッジファンドなど世界の投機資金が、ポスト欧州危機のターゲットとして日本を狙っているという説もあります。
円が100円の壁を越えたからといって、私たちは浮かれてばかりもいられないのです。
【日経WEB2013/5/15 7:00】
いかがでしたでしょうか・・・
昨日にTVのニュースで金利が上昇していると報道されていました。
株高の影響で、日本国債にまわっていた資金が株式市場にまわり、国債が買われなくなり国債の金利が上がってきているからのようです。
この影響で、住宅ローンの金利の上昇も考えられるかもしれません。
今回の株高は、いいことばかりとは言えない状況のようです。
アメリカのシェールガスのような、大きな転換材料がないと日本経済の再浮上は厳しいのかも知れません。
まずは、安倍政権の今後の規制緩和などの第3の矢に期待するしかなさそうです。
本日は、『争続対策と相続税対策①』について、お話させていただきます。
1.序論
相続には、一族が争う『争続』対策と税金対策の2種類の対策が必要と言われています。
この2つの対策は、生前に行う対策にすべてがかかっているといっても過言ではありません。
日本での相続税の考え方は、『均分相続』を基本としています。
相続人が平等に相続すべきという考え方です。
ここにおいて、問題なのは、財産分割するにも同じ財産が等分にあるというわけではないことです。
ましてや、日本人の財産の70%は不動といわれています。
不動産は全く同じものはありません。
遺産分割を難しくしている原因の一つに不動産の分割の困難さがあります。
また、相続税が発生したときの納税方法についての悩みも大きいものです。
相続人間で争いの起こらないように、誰に何を遺してあげるのか、
相続税をどのように支払っていくのか
などなど、生前にその時に備えた準備をしておくことがとても重要なこととなってきます。
次回以降で、その相続対策について、順を追ってお話させていただきます。
この株価は、外国人投資家の買い越しによって牽引してきた結果のようです。
昨日に日経WEBにこの株高に警鐘を鳴らす記事が掲載されていましたので、原文のまま、ご紹介させていただきます。
なかなか、不慣れな投資家が投資するにはリスクが高すぎる状況のようです。
先ずは、日経WEB の記事をご覧になってください。
円相場が5月10日に1ドル=100円の壁を突破し、その後約4年7カ月ぶりの水準となる102円台まで円安が進みました。株式市場ではこれを好感し、日経平均株価は15日終値で約5年4カ月ぶりに1万5000円台を回復しました。
しかし、2012年秋以降の日本株高は外国人投資家が大幅な買い越しでけん引してきた相場です。彼らが大幅な売り越しに転じれば、大幅安は避けられません。4月3日付「外国人買い越しに変調 日本株を覆う6つの懸念」や5月1日付「日本株4週ぶり売り越し 外国人に2つの誤算」でも指摘した通りです。
「株価が高くなればなるほど株を買いたくなり、安くなるほど売りたくなる」というのが個人投資家が陥りやすい心理ですから、このところの高値更新に焦りを感じている人も少なくないはずです。投資家が高値づかみに終わる傾向があるのは、こうした心理により全体の相場観を見失ってしまうからです。
しかし株式投資で成功するためには、その逆のことをしなければなりません。「悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である」――。米著名投資家で逆張りの名人だった故ジョン・テンプルトンの言葉です。これだけ高値が進んだ状況で新たな買いに走れば、かなりの高値づかみになる可能性があります。
個別銘柄を見渡してみても、業績や財務内容などから判断して割安といえる銘柄はほとんど見当たらなくなっています。「円安で高値が目立つ輸出株に比べれば……」という相対的な割安感や出遅れ感から買われている業種・銘柄が大半です。そういう意味では、いまの株式相場は投資というより投機、マネーゲームの段階に入ってきたといえるでしょう。株式投資経験の浅い投資家がうかつに手を出すのは禁物です。
その半面、日経平均が8500円以下だったころに株式投資を始めた長期投資家にとっては、いまが絶好の売り場到来だといえます。こうした投資家には持ち株を何回かに分けて利食い売りすることを4月17日付「割高相場で損しない 出遅れ投資初心者に2つの道」などでお勧めしてきました。日経平均が1万円を突破した後、さらに1000円単位の大台を切り上げるたびに少しずつ売っていくのが利食いのコツです。既に5~6割程度の株を利益確定売りした人もいると思います。残った株の半分ほどはもう少し待って、相場が天井を打ったこと(外国人が大幅な売り越しに転じたこと)を確認してから利食い売りしても遅くはありません。
円安が進めば株価は上昇し、円安が一服すれば株価も一服するという状態が続いています。しかし円安が果たして日本経済にプラスなのかどうか、私は疑問を抱いています。円が対ドルで100円台になった最大の原因は、12年度の貿易収支が大幅な赤字になったことに加え、経常黒字が大幅に減ったことが挙げられます。米国の景気回復への期待が高まっていることも要因の一つです。
財政収支と貿易収支の「双子の赤字」は米国を長年苦しめ、ドル売りの大きな原因となってきました。しかし米国はシェールガス革命の進展により貿易赤字が大幅に縮小しており、近い将来には黒字転換する見通しが強まっています。
一方で日本でも財政赤字はあったものの、貿易黒字と経常黒字が続いてきたためそれほど問題視されませんでした。ところが貿易収支が11年度から赤字に転落、経常黒字も大幅に縮小し赤字転落する可能性が強まっています。日本は米国に代わり、双子の赤字に頭を痛める国に転落しつつあるのです。
双子の赤字が問題視されていた当時の米国は、たびたびドル安が急速に進む危機に見舞われました。日本も双子の赤字に苦しむようになれば、円危機(超円安)に陥る可能性が大きいということになります。ついに100円台まで円安が進んだのは、日本の将来を懸念した投機筋の動きととらえることもできるでしょう。
11年に75円台をつけた歴史的な円高から100円の大台までの是正は、安倍晋三政権の「アベノミクス」と日銀の異次元緩和策への期待、政府高官の口先介入によるものでした。しかしこれ以上の円安は貿易赤字の拡大と経常黒字の縮小、あるいは日本の機関投資家の外債投資拡大などがもたらすものといえそうです。120円あたりまで円安が加速すれば、その先は超円安時代も視野に入ってくるでしょう。
過去20年間を振り返ると、1998年8月に147.25円、2002年2月には134.81円という円安を記録しています。いずれの年も円と株式、債券のトリプル安に見舞われ、経済成長率がマイナスに落ち込んでいます。98年にはたまりかねた日本政府が円買い・ドル売りの市場介入に踏み切ったほどでした。
いまの円安がさらに進み、98年や2002年に続く超円安になるとすれば、その最大の材料は際限なく膨らみ続ける日本政府の借金でしょう。日本の借金残高は対国内総生産(GDP)比で235%の約1000兆円に達しており、ジンバブエなど特殊な国を除けば世界最悪の借金国です。地方分も加えれば日本の借金は1200兆円に上ります。
しかも、いまだに国の支出は税収をはるかに上回っており、借金が膨らむことは避けられません。自民・公明党政権が進めようとしている10年間で200兆円の「国土強靭化計画」が実現すれば、さらに借金に拍車がかかることになります。
その一方で、日本の将来推計人口は2050年前後から1億人を割り込み、大きく減少する見通しです。人口が大幅に減少すれば膨大な借金の返済はますます困難になり、日本国債の債務不履行(デフォルトという悪夢が現実のものとなる可能性が出てきます。ヘッジファンドなど世界の投機資金が、ポスト欧州危機のターゲットとして日本を狙っているという説もあります。
円が100円の壁を越えたからといって、私たちは浮かれてばかりもいられないのです。
【日経WEB2013/5/15 7:00】
いかがでしたでしょうか・・・
昨日にTVのニュースで金利が上昇していると報道されていました。
株高の影響で、日本国債にまわっていた資金が株式市場にまわり、国債が買われなくなり国債の金利が上がってきているからのようです。
この影響で、住宅ローンの金利の上昇も考えられるかもしれません。
今回の株高は、いいことばかりとは言えない状況のようです。
アメリカのシェールガスのような、大きな転換材料がないと日本経済の再浮上は厳しいのかも知れません。
まずは、安倍政権の今後の規制緩和などの第3の矢に期待するしかなさそうです。
本日は、『争続対策と相続税対策①』について、お話させていただきます。
1.序論
相続には、一族が争う『争続』対策と税金対策の2種類の対策が必要と言われています。
この2つの対策は、生前に行う対策にすべてがかかっているといっても過言ではありません。
日本での相続税の考え方は、『均分相続』を基本としています。
相続人が平等に相続すべきという考え方です。
ここにおいて、問題なのは、財産分割するにも同じ財産が等分にあるというわけではないことです。
ましてや、日本人の財産の70%は不動といわれています。
不動産は全く同じものはありません。
遺産分割を難しくしている原因の一つに不動産の分割の困難さがあります。
また、相続税が発生したときの納税方法についての悩みも大きいものです。
相続人間で争いの起こらないように、誰に何を遺してあげるのか、
相続税をどのように支払っていくのか
などなど、生前にその時に備えた準備をしておくことがとても重要なこととなってきます。
次回以降で、その相続対策について、順を追ってお話させていただきます。
13年05月15日 16時58分34秒
Posted by: arakisouzoku
ホンダがF1に復帰・・・という記事をみました。
再来年の2015年に復帰の予定のようです。
今回の復帰では、マクラーレンにエンジンを供給しての復帰のようです。
マクラーレンとホンダといえば、80年代にアランプロストとアイルトンセナの当時の№1,2のドライバーを擁し、最強のチームとして君臨していました。
当時のホンダのターボエンジンは、向かうところ敵なしのエンジンでした。
馬力はある・・トルクも出る・・燃費もいい・・そして、何といっても当時、画期的なテレメータシステムを導入したのもホンダでした。
走っている車の状況がリアルタイムで分かる・・・燃料の残量、エンジンの調子、等々、ICを使ってドライバーと監督との間で作戦を練れるようになったことも強さの秘密だったようです。
そんなホンダも前回のF1復帰は、惨々たる結果でした。
トヨタも、活躍できず仕舞で撤退となりました。
今回は、F1のルールが変わり、1600ccのターボエンジンとなるようです。
この流れは、まさしく、ヨーロッパの車で見られる中小排気量のエンジンにターボを装着して、いざという時のパワーを損なうことなく燃費も向上させる方向性と一致しています。
ホンダといえば、80年代は日本のIHI製のターボを装着した無敵のエンジンを製造していました。
今回の復帰は、個人的には、大いに期待です。
いまF1に参戦しているメルセデスベンツ、ルノー、フェラーリといったメーカをことごとく撃破することによって、日本の技術力の高さが際だってくるでしょう。
このアピールは、自動車ショーなどといった車の品評会とは違った実践的な効果があります。
ホンダのF1復帰とその勝利によって、日本の製造業は活気づくかもしれません。
今の日本の株高は、アベノミクスによる金融緩和や経済対策への期待感からくる相場といわれ、実態の業績からくる相場とは一線を画しているようです。
海外の大口投資家の動き方一つで、大きくその相場は左右されそうです。
期待感から実態へ・・・その転換の契機となるように、ホンダにはF1で勝利に勝利を重ね、日本の技術ここにありきを見せつけて欲しいなと思います。
特に、ヨーロッパの地域には有効なこととなるでしょう。
期待感の株高とここにきての円安は、素直に喜んでいいものかどうか・・・考えてしまいます。
ここで、世界一という称号を手に入れて、日本に元気を与えてほしいなと思います。
ホンダのF1復帰を歓迎するとともに、大いに期待し、応援したいと思います。
本日は、『賃貸借に係わる金銭⑦』について、お話させていただきます。
1 礼金とは
礼金は、借家に多くみられ、もともと戦後の住宅難の頃、家を貸してくれたことに感謝し、謝礼として支払ったことに始まったものと言われます。
それが礼金の名目で、契約の際に渡し切りの金銭として慣行化されたものといえるでしょう。
また、契約当初の権利金にあたるものや契約更新のときの更新料を、礼金の名目で授受することもあります。
なお、仲介をした不動産業者の仲介料も礼金ということがありますが、これは賃貸借契約とは別個のものとなります。
2 更新料とは
契約期間が満了し、さらに契約を継続させる(更新)ときに一定の金銭を支払う慣行があり、これを更新料といいます。
更新料は法的に必ずしも支払わなければならないものではなく、支払いの慣行がない地域も多くなります。
その額は、借家の場合は家賃の1~2ヵ月分、借地の場合は借地権価格の5%程度が標準とされています。
更新料と礼金は、支払うべき法的根拠はなく、慣習に基づく金銭となります。
近年は、これらの金銭を支払わないケースも多々見受けられることとなりました。
以上、『賃貸借に係わる金銭⑦』について、お話させていただきました。
次回は、『賃貸借に係わる金銭⑧』について、お話させていただきます。
再来年の2015年に復帰の予定のようです。
今回の復帰では、マクラーレンにエンジンを供給しての復帰のようです。
マクラーレンとホンダといえば、80年代にアランプロストとアイルトンセナの当時の№1,2のドライバーを擁し、最強のチームとして君臨していました。
当時のホンダのターボエンジンは、向かうところ敵なしのエンジンでした。
馬力はある・・トルクも出る・・燃費もいい・・そして、何といっても当時、画期的なテレメータシステムを導入したのもホンダでした。
走っている車の状況がリアルタイムで分かる・・・燃料の残量、エンジンの調子、等々、ICを使ってドライバーと監督との間で作戦を練れるようになったことも強さの秘密だったようです。
そんなホンダも前回のF1復帰は、惨々たる結果でした。
トヨタも、活躍できず仕舞で撤退となりました。
今回は、F1のルールが変わり、1600ccのターボエンジンとなるようです。
この流れは、まさしく、ヨーロッパの車で見られる中小排気量のエンジンにターボを装着して、いざという時のパワーを損なうことなく燃費も向上させる方向性と一致しています。
ホンダといえば、80年代は日本のIHI製のターボを装着した無敵のエンジンを製造していました。
今回の復帰は、個人的には、大いに期待です。
いまF1に参戦しているメルセデスベンツ、ルノー、フェラーリといったメーカをことごとく撃破することによって、日本の技術力の高さが際だってくるでしょう。
このアピールは、自動車ショーなどといった車の品評会とは違った実践的な効果があります。
ホンダのF1復帰とその勝利によって、日本の製造業は活気づくかもしれません。
今の日本の株高は、アベノミクスによる金融緩和や経済対策への期待感からくる相場といわれ、実態の業績からくる相場とは一線を画しているようです。
海外の大口投資家の動き方一つで、大きくその相場は左右されそうです。
期待感から実態へ・・・その転換の契機となるように、ホンダにはF1で勝利に勝利を重ね、日本の技術ここにありきを見せつけて欲しいなと思います。
特に、ヨーロッパの地域には有効なこととなるでしょう。
期待感の株高とここにきての円安は、素直に喜んでいいものかどうか・・・考えてしまいます。
ここで、世界一という称号を手に入れて、日本に元気を与えてほしいなと思います。
ホンダのF1復帰を歓迎するとともに、大いに期待し、応援したいと思います。
本日は、『賃貸借に係わる金銭⑦』について、お話させていただきます。
1 礼金とは
礼金は、借家に多くみられ、もともと戦後の住宅難の頃、家を貸してくれたことに感謝し、謝礼として支払ったことに始まったものと言われます。
それが礼金の名目で、契約の際に渡し切りの金銭として慣行化されたものといえるでしょう。
また、契約当初の権利金にあたるものや契約更新のときの更新料を、礼金の名目で授受することもあります。
なお、仲介をした不動産業者の仲介料も礼金ということがありますが、これは賃貸借契約とは別個のものとなります。
2 更新料とは
契約期間が満了し、さらに契約を継続させる(更新)ときに一定の金銭を支払う慣行があり、これを更新料といいます。
更新料は法的に必ずしも支払わなければならないものではなく、支払いの慣行がない地域も多くなります。
その額は、借家の場合は家賃の1~2ヵ月分、借地の場合は借地権価格の5%程度が標準とされています。
更新料と礼金は、支払うべき法的根拠はなく、慣習に基づく金銭となります。
近年は、これらの金銭を支払わないケースも多々見受けられることとなりました。
以上、『賃貸借に係わる金銭⑦』について、お話させていただきました。
次回は、『賃貸借に係わる金銭⑧』について、お話させていただきます。
13年05月08日 12時17分32秒
Posted by: arakisouzoku
相続税の基礎控除額の減額に伴って、相続税の申告の必要となるかたは倍以上になるであろうと言われています。
相続税の場合、たとえ、結果、相続税額が0円であったとしても相続税の申告書の提出が必要となるときがあります。
それは、相続税の特例の規定の適用をうける場合です。
代表的なのは、何といっても、小規模宅地等の課税価格計算の特例でしょう。
小規模宅地等の課税価格の計算の特例の規定を適用して相続税額が0円になった場合、小規模宅地等の特例の規定の適用を受けるためには、相続税の申告書の提出が必要となります。
また、配偶者の相続税額の軽減や、国等に相続財産を贈与した場合の非課税の扱いなどについても、同様に、相続税の申告書の提出があって、適用されることとなります。
つまり、これらの相続税の特例は相続税の申告書の提出があって、適用されるものとなります。
結果は、税額が0円になるのに、と思われるかもしれませんが、そのように法律で定められています。
今後は、自分に相続税は、関係ないと思っていても、注意をする必要がありそうです。
また、小規模宅地等の特例の適用を受けるためには、同居が必要な場合とか必要ない場合とか、細かい要件があるので、特に注意が必要です。(配偶者が取得する場合は、細かい要件は無くなるのですが・・・)
そこで、本日は、日本経済新聞WEB版から、『相続税の申告を忘れたらどうなるか』といった記事を紹介させていただきます。
相続税の申告を忘れていたら、どのようなことになってしまうのでしょうか?
是非、ご参考にしてみてください。
税制改正によって平成27年から相続税のルールが変わる、というニュースをご存じの方は多いでしょう。この改正によって課税対象が広がるので、相続税を支払うことになる層は、現在より50%も増加する可能性があるといわれています。現状では、亡くなった人が100人いれば、そのうち約4人に相続税がかかっていますが、この割合が6人くらいまで増えると見込まれているのです。
しかし、もしもこのような改正があったことを知らずに、実は自分の家が相続税の課税対象となっていたにもかかわらず、相続人全員が申告の必要性に気づかずに申告をしないままになっていた……などという場合は、いったいどうなってしまうのでしょうか。今後は、この手のトラブルが増えてくるかもしれません。今回は、相続税の申告や納付の必要性に気づかなかったり、忘れて放置する形になっていたりした場合はどうなってしまうのか、というテーマについてとりあげていきたいと思います。
長女「父が亡くなってからもう1年以上になるので、母も当初はひどく落ち込んでいたけれど、ようやく落ち着いてきた感じがします。それで、今回の父の遺産の場合って、本当に私たちにも相続税がかかってくるんですか?」
税理士「お父様名義のご自宅の名義が半分と、銀行預金が200万円程度だけだと思っていらしたんですよね。ところが、あなたが受取人になっていた生命保険金が1億円もあった、と」
長女「父がかけていてくれた保険金がおりることは知ってはいたんですが、それが遺産に入るという感覚がなかったんです。父の喪が明けたあと、父と母で半分ずつ持っていた自宅については、名義を全部母に変えてもらいました。でも、そのときに作った書類は自宅に関するものだけだったように思うし、現金はほとんど残っていなかったもんだから、それで手続きは終わりなんだと思い込んでしまって。相続人も私と母の2人だけだったから、もめないからよかったね、なんていわれて余計に油断しちゃったんです」
税理士「……そうですね、結論から言えば、相続人が2人だけなら、今回はやはり相続税がかかってくるケースになるでしょうね。本来であれば、お父様が亡くなられた日から10カ月以内に申告して、税金を納めておかなければならなかったはずです」
長女「えっ、やっぱりそうなんですか! いまから申告しちゃっても問題はないんでしょうか? もしかして、捕まっちゃったりしません? ペナルティーとか、そういったものがどうなっているのか、心配で心配で……」
期限内に支払っておかなければならなかった税金を知らずに滞納していたということになれば、誰しも不安になってしまうことでしょう。上記のケースのように、遺産はすべて把握していたのに、期限内に相続税の申告と税金の納付をしなかったという場合もあります。さらには、そもそも誰も予想をしていなかった財産が実は存在していたために、適正な申告ができなかった場合なども出てくるでしょう。
税法では、そのように適正な納税ができなかった場合のペナルティーについて、ざっくりと以下のように定められています。
(1)延滞税
期限を守れなかった期間に応じて、遅れた分だけ科せられる税金です。法定の申告納付期限(10カ月経過時)の翌日から、納付すべきだった税額に対して課税される、「違約金」といった意味合いのペナルティーだと考えてよいでしょう。ペナルティーの利率は、高ければ年14.6%にも及ぶことがあります。
(2)過少申告加算税
期限はしっかり守っていたけれども、申告から漏れていた財産があとから見つかったときなどに追加でかかることがある税金です。申告納付期限までに相続税の申告書を提出したものの、その申告書の税額が過少だったために税務署からの指摘を受けて税額を上方修正した場合などに、このペナルティーが科せられることがあります。
(3)無申告加算税
そもそも申告をしていなかった場合にかかる税金です。申告納付期限までに申告をしなかったけれども、その後、自分から気づいて、あるいは税務署からの指摘を受けて申告した場合には、このペナルティーが科せられます。
(4)重加算税
悪質なケースにかかってくる税金です。意図的に財産を隠ぺいした、あるいは仮装したと認定された場合に科せられるペナルティーです。
それぞれのペナルティーごとの税率の違いなど、詳細な説明は割愛しますが、とりあえず次の2つの点がポイントになると考えてよいと思います。
まず1つめは、申告納付期限を超えてから申告をする場合でも、「自分で気づいて」自主的に申告するのか、それとも「税務署からの指摘を受けて」から申告するのかでは、科せられるペナルティーの名前は同じでも、税金の重さに差があるということです。
例えば(3)の無申告加算税では、自分で気づいて申告した場合と税務署から言われてから申告した場合とを比べると、自主的にした方が10~15%も税率が低く設定されています。自分からすすんで正しく申告した場合のペナルティーを軽くすることで、申告をする積極的な動機につなげようという考え方に基づいた措置だといえるでしょう。
2つめのポイントは、財産を「意図的に」ごまかしたのか、そうでないのか、という点です。個人名義の銀行口座があるのを忘れていた、知らなかった、という場合と、あえて銀行口座から引き出して隠しておいた、という場合とでは、ペナルティーの重さが違うということです。
例えば、さきほどの長女のケースでは、父の遺産を意図的に隠ぺいしたわけではないようにみえます。となれば、もしかしたら「重加算税」の問題は出てこないかもしれません。しかしながら、申告自体はしていなかったわけですから、「無申告加算税」は免れないということになるでしょう。また、申告納付期限を過ぎているので、これに加えて「延滞税」も科せられるということになりそうです。
このように、当事者にはまったく悪意がなかったとしても、適正な相続税の申告が行われていないというケースは実際に存在しています。そうした際には、残念ながら「まさか我が家に相続税がかかるなんて知らなかった」という言い訳も通用しません。今回の税制改正を機会として、うちは大丈夫だろう、という思い込みはいったん取り払ったほうがよいでしょう。税理士など、こうした問題に詳しそうな周囲の専門家にきちんと相談をしてみて、知らないうちに足をすくわれることのないように注意をしておきたいところです。
【日本経済新聞WEB版2013/4/30 7:00】
いかがでしたでしょうか・・・
相続税の申告には、充分、気をつけてください。
本日は、『賃貸借に係わる金銭⑥』について、お話させていただきます。
1 権利金とは
一時金のなかで、権利金ほどわかりづらいものはなく、法的に多様な性格を持っています。
その理由は、敷金とか保証金と違い、『権利に対するお金』という名目の権利金は、どのような場面でも使いやすい名称だからです。
貸主・借主間の利益・不利益の調整や賃借権が特殊性を持つ(持たせる)場合などの個別的事情について、金銭で
解決を図ろうとする諸場面で、権利金という名称の金銭が授受される現実が先ず先にあり、その現実に対して、あとからいろいろと法的性格を検討していると考えるほうが分かりやすいでしょう。
権利金の性格としては、一応、次のようなものが考えられていますが、いずれも戻ってこない金銭ということでは一致しています。
① 賃借権設定の一時金
土地を借りる際に、借地人から地主に権利金として、まとまった額が支払われます。
定期借地契約でない一般の借地契約では、いったん土地を貸すと、地主はその土地を半永久的に自分で利用することができなくかり、逆に借地人は、強い権利を手にいれることができることとなります。
このような利益・不利益を調整するために、土地を借りる際に借地権設定の対価として権利金が授受されます。
② 賃借権に譲渡性を持たせる対価
飲食店の『居抜き』のように、賃借権の譲渡・転貸することを、あらかじめ認めてもらうために権利金を授受することがあります。
③ 営業権の対価
有名店舗の『のれん』などの営業上の権利・利益(営業権)を引き継ぐ際に、営業権の対価として権利金が授受されます。
④ 賃料の前払い
月々の賃料を低く抑えながら、それをカバーするために、賃料の一部を一括前払いする意味で権利金が授受されることがあります。
このように、権利金の性格は多様ですので、実際の契約においては、どのような性格のものかをはっきりさせることが大切です。
以上、『賃貸借に係わる金銭⑥』について、お話させていただきました。
次回は、『賃貸借に係わる金銭⑦』について、お話させていただきます。
相続税の場合、たとえ、結果、相続税額が0円であったとしても相続税の申告書の提出が必要となるときがあります。
それは、相続税の特例の規定の適用をうける場合です。
代表的なのは、何といっても、小規模宅地等の課税価格計算の特例でしょう。
小規模宅地等の課税価格の計算の特例の規定を適用して相続税額が0円になった場合、小規模宅地等の特例の規定の適用を受けるためには、相続税の申告書の提出が必要となります。
また、配偶者の相続税額の軽減や、国等に相続財産を贈与した場合の非課税の扱いなどについても、同様に、相続税の申告書の提出があって、適用されることとなります。
つまり、これらの相続税の特例は相続税の申告書の提出があって、適用されるものとなります。
結果は、税額が0円になるのに、と思われるかもしれませんが、そのように法律で定められています。
今後は、自分に相続税は、関係ないと思っていても、注意をする必要がありそうです。
また、小規模宅地等の特例の適用を受けるためには、同居が必要な場合とか必要ない場合とか、細かい要件があるので、特に注意が必要です。(配偶者が取得する場合は、細かい要件は無くなるのですが・・・)
そこで、本日は、日本経済新聞WEB版から、『相続税の申告を忘れたらどうなるか』といった記事を紹介させていただきます。
相続税の申告を忘れていたら、どのようなことになってしまうのでしょうか?
是非、ご参考にしてみてください。
税制改正によって平成27年から相続税のルールが変わる、というニュースをご存じの方は多いでしょう。この改正によって課税対象が広がるので、相続税を支払うことになる層は、現在より50%も増加する可能性があるといわれています。現状では、亡くなった人が100人いれば、そのうち約4人に相続税がかかっていますが、この割合が6人くらいまで増えると見込まれているのです。
しかし、もしもこのような改正があったことを知らずに、実は自分の家が相続税の課税対象となっていたにもかかわらず、相続人全員が申告の必要性に気づかずに申告をしないままになっていた……などという場合は、いったいどうなってしまうのでしょうか。今後は、この手のトラブルが増えてくるかもしれません。今回は、相続税の申告や納付の必要性に気づかなかったり、忘れて放置する形になっていたりした場合はどうなってしまうのか、というテーマについてとりあげていきたいと思います。
長女「父が亡くなってからもう1年以上になるので、母も当初はひどく落ち込んでいたけれど、ようやく落ち着いてきた感じがします。それで、今回の父の遺産の場合って、本当に私たちにも相続税がかかってくるんですか?」
税理士「お父様名義のご自宅の名義が半分と、銀行預金が200万円程度だけだと思っていらしたんですよね。ところが、あなたが受取人になっていた生命保険金が1億円もあった、と」
長女「父がかけていてくれた保険金がおりることは知ってはいたんですが、それが遺産に入るという感覚がなかったんです。父の喪が明けたあと、父と母で半分ずつ持っていた自宅については、名義を全部母に変えてもらいました。でも、そのときに作った書類は自宅に関するものだけだったように思うし、現金はほとんど残っていなかったもんだから、それで手続きは終わりなんだと思い込んでしまって。相続人も私と母の2人だけだったから、もめないからよかったね、なんていわれて余計に油断しちゃったんです」
税理士「……そうですね、結論から言えば、相続人が2人だけなら、今回はやはり相続税がかかってくるケースになるでしょうね。本来であれば、お父様が亡くなられた日から10カ月以内に申告して、税金を納めておかなければならなかったはずです」
長女「えっ、やっぱりそうなんですか! いまから申告しちゃっても問題はないんでしょうか? もしかして、捕まっちゃったりしません? ペナルティーとか、そういったものがどうなっているのか、心配で心配で……」
期限内に支払っておかなければならなかった税金を知らずに滞納していたということになれば、誰しも不安になってしまうことでしょう。上記のケースのように、遺産はすべて把握していたのに、期限内に相続税の申告と税金の納付をしなかったという場合もあります。さらには、そもそも誰も予想をしていなかった財産が実は存在していたために、適正な申告ができなかった場合なども出てくるでしょう。
税法では、そのように適正な納税ができなかった場合のペナルティーについて、ざっくりと以下のように定められています。
(1)延滞税
期限を守れなかった期間に応じて、遅れた分だけ科せられる税金です。法定の申告納付期限(10カ月経過時)の翌日から、納付すべきだった税額に対して課税される、「違約金」といった意味合いのペナルティーだと考えてよいでしょう。ペナルティーの利率は、高ければ年14.6%にも及ぶことがあります。
(2)過少申告加算税
期限はしっかり守っていたけれども、申告から漏れていた財産があとから見つかったときなどに追加でかかることがある税金です。申告納付期限までに相続税の申告書を提出したものの、その申告書の税額が過少だったために税務署からの指摘を受けて税額を上方修正した場合などに、このペナルティーが科せられることがあります。
(3)無申告加算税
そもそも申告をしていなかった場合にかかる税金です。申告納付期限までに申告をしなかったけれども、その後、自分から気づいて、あるいは税務署からの指摘を受けて申告した場合には、このペナルティーが科せられます。
(4)重加算税
悪質なケースにかかってくる税金です。意図的に財産を隠ぺいした、あるいは仮装したと認定された場合に科せられるペナルティーです。
それぞれのペナルティーごとの税率の違いなど、詳細な説明は割愛しますが、とりあえず次の2つの点がポイントになると考えてよいと思います。
まず1つめは、申告納付期限を超えてから申告をする場合でも、「自分で気づいて」自主的に申告するのか、それとも「税務署からの指摘を受けて」から申告するのかでは、科せられるペナルティーの名前は同じでも、税金の重さに差があるということです。
例えば(3)の無申告加算税では、自分で気づいて申告した場合と税務署から言われてから申告した場合とを比べると、自主的にした方が10~15%も税率が低く設定されています。自分からすすんで正しく申告した場合のペナルティーを軽くすることで、申告をする積極的な動機につなげようという考え方に基づいた措置だといえるでしょう。
2つめのポイントは、財産を「意図的に」ごまかしたのか、そうでないのか、という点です。個人名義の銀行口座があるのを忘れていた、知らなかった、という場合と、あえて銀行口座から引き出して隠しておいた、という場合とでは、ペナルティーの重さが違うということです。
例えば、さきほどの長女のケースでは、父の遺産を意図的に隠ぺいしたわけではないようにみえます。となれば、もしかしたら「重加算税」の問題は出てこないかもしれません。しかしながら、申告自体はしていなかったわけですから、「無申告加算税」は免れないということになるでしょう。また、申告納付期限を過ぎているので、これに加えて「延滞税」も科せられるということになりそうです。
このように、当事者にはまったく悪意がなかったとしても、適正な相続税の申告が行われていないというケースは実際に存在しています。そうした際には、残念ながら「まさか我が家に相続税がかかるなんて知らなかった」という言い訳も通用しません。今回の税制改正を機会として、うちは大丈夫だろう、という思い込みはいったん取り払ったほうがよいでしょう。税理士など、こうした問題に詳しそうな周囲の専門家にきちんと相談をしてみて、知らないうちに足をすくわれることのないように注意をしておきたいところです。
【日本経済新聞WEB版2013/4/30 7:00】
いかがでしたでしょうか・・・
相続税の申告には、充分、気をつけてください。
本日は、『賃貸借に係わる金銭⑥』について、お話させていただきます。
1 権利金とは
一時金のなかで、権利金ほどわかりづらいものはなく、法的に多様な性格を持っています。
その理由は、敷金とか保証金と違い、『権利に対するお金』という名目の権利金は、どのような場面でも使いやすい名称だからです。
貸主・借主間の利益・不利益の調整や賃借権が特殊性を持つ(持たせる)場合などの個別的事情について、金銭で
解決を図ろうとする諸場面で、権利金という名称の金銭が授受される現実が先ず先にあり、その現実に対して、あとからいろいろと法的性格を検討していると考えるほうが分かりやすいでしょう。
権利金の性格としては、一応、次のようなものが考えられていますが、いずれも戻ってこない金銭ということでは一致しています。
① 賃借権設定の一時金
土地を借りる際に、借地人から地主に権利金として、まとまった額が支払われます。
定期借地契約でない一般の借地契約では、いったん土地を貸すと、地主はその土地を半永久的に自分で利用することができなくかり、逆に借地人は、強い権利を手にいれることができることとなります。
このような利益・不利益を調整するために、土地を借りる際に借地権設定の対価として権利金が授受されます。
② 賃借権に譲渡性を持たせる対価
飲食店の『居抜き』のように、賃借権の譲渡・転貸することを、あらかじめ認めてもらうために権利金を授受することがあります。
③ 営業権の対価
有名店舗の『のれん』などの営業上の権利・利益(営業権)を引き継ぐ際に、営業権の対価として権利金が授受されます。
④ 賃料の前払い
月々の賃料を低く抑えながら、それをカバーするために、賃料の一部を一括前払いする意味で権利金が授受されることがあります。
このように、権利金の性格は多様ですので、実際の契約においては、どのような性格のものかをはっきりさせることが大切です。
以上、『賃貸借に係わる金銭⑥』について、お話させていただきました。
次回は、『賃貸借に係わる金銭⑦』について、お話させていただきます。
13年05月04日 18時07分14秒
Posted by: arakisouzoku
今日の読売新聞に、消費増税前のマイホームの駆け込み需要が本格化してきているとの記事が掲載されていました。
ここのところのアベノミクスによる景気の回復基調も追い風となっているようです。
ただ、消費税は住宅のうち土地には課税されずに建物のみの課税となりますので、消費増税に併せて住宅ローン減税の拡充が予定されていることから、条件次第では増税後の購入の方が有利となる場合もありそうです。
もっとも、消費増税による駆け込み需要のみならず、住宅ローンの金利の低さもこの活況ぶりの要因の一つとなっているようです。
フラット35の固定金利で2%前半の金利が多いようです。
固定金利で、2%前半であれば、魅力を感じてくると思います。
ただ、ここで、気をつけて頂きたいのは、消費増税ごの家計への影響額です。
消費増税、東日本大震災の復興増税、社会保険料の定期的UP、など、家計を圧迫する制度が目白押しとなって押し寄せてきます。
消費増税後の家計への影響額などを試算しているレポートなどもHPで見れますので、消費増税後の家計への影響などで検索してみたらいかがでしょうか。
住宅の購入にあたっては、ぜひ、購入の際の消費増のUP分や、金利の動向の他にも、消費税があがったあとの家計への影響額なども考慮してみてください。
そのほか、以外にも、住宅購入後に家計を圧迫するのが水道光熱費です。
賃貸住まいの時と比べて、部屋が広くなった・・・エアコン代がかさむ。部屋数が多くなった・・・照明代があがる。浴槽が広くなった・・・水道代と湯沸かし代があがる。
等々、特に、戸建て住宅に住み替えた時に、水道光熱費のUPに驚かれる奥様の話しはよく聞くところです。
ここに、子どもの教育費がからんできます。
安定した企業や役所に就職させたい。
そのためには、いい大学に・・と考えるのが自然かもしれません。
ライフプランで各々の優先順をつけながら、キャッシュフロー表で収支の状況を確認しながら、再度、優先順位を見直す。
そして、また、キャッシュフロー表で収支の確認をして、再度、優先順位を見直す。
この作業を、何回か繰り返していくうちに、満足(妥協?)のいくライフプランが出来あがってくると思います。
くれぐれも、ぎりぎりの収支のなかで、無理のあるライフプランはさけて頂きたいと思います。
住宅購入にあたっては、夢の実現で気持ちが舞い上り気分となって、思わず、予算がオーバーがちになることが考えられます。
消費増税などの家計圧迫の要因がない時代は、それでも、何とか切り抜けられたと思います。
自分自身で、予算の限界線を引いて、それよりは低いラインで収まるように進めてみてください。
最後の最後、カーテンや家具、照明器具などの購入にあたって、いいものを見てしまうと、やはり、いいものが欲しくなります。
私の経験からも、最後の最後で予定していた額よりも100万円UP(もっとも、最初に低めに話をしていた私の様な営業マンにも責任はあるのですが・・・)などということはよくあります。
財布のひもは固く・・・でも、住宅取得という一生のうち、一度あるかないかの夢の実現を楽しみながら取り組んでみてください。
意外と、住宅購入まえの今が、一番、楽しいのかもしれません・・・
本日は、『賃貸借に関わる金銭⑤』について、お話させていただきます。
1 保証金とは
保証金の授受は、ビルおよび店舗の賃貸借に多く見られます。
具体的な契約書での文言は次の通りとなります。
『賃借人は、本契約締結と同時に、保証金として○○○○円を賃貸人に差し入れる。当保証金は、契約日より満○年間にわたり、毎年均等償還する。据え置き期間中は無利息とし、期間経過後は年1%の利息をつける。』
法的性格がはっきりしている敷金と違い、保証金の性格は多様ですが、法的には金銭消費貸借契約(金銭の貸し借り)の性格が強いものと理解されます。
保証金授受の慣行は、戦後、ビルの建築資金を補うためのものに由来し、以前は建設協力金の名称が多く用いられていました。
通常、敷金は賃料の数か月分と理解されていたので、多額の一時金を授受するために別の名目として保証金が考えだされたようです。
一般に、保証金は、一定期間据え置いた後、分割して返還されます。
返還されずに残っている額を、未償還額といいます。
据置期間中は無利息ですが、返還償還後は年1%程度の利息を付けるのが通例です。
また、期間中の途中で解約する場合に、ペナルティとして保証金の一部を没収するという取決めもみられます。
保証金という名目ながら、実際には権利金の場合もあり、また敷金と同様、債務不履行の担保とする場合もあるので、契約では保証金に関する条項をよく読んで、その実質的な法的性格を理解することが大切です。
このように保証金の性格には不明瞭な点が多いため、近年、ビルの賃貸借では保証金という名目をやめて敷金に一本化する傾向がみられ、それにともなって敷金の高額化が進んでいます。
以上、『賃貸借に関わる金銭⑤』について、お話させていただきました。
次回は、『賃貸借に関わる金銭⑥』について、お話させていただきます。
ここのところのアベノミクスによる景気の回復基調も追い風となっているようです。
ただ、消費税は住宅のうち土地には課税されずに建物のみの課税となりますので、消費増税に併せて住宅ローン減税の拡充が予定されていることから、条件次第では増税後の購入の方が有利となる場合もありそうです。
もっとも、消費増税による駆け込み需要のみならず、住宅ローンの金利の低さもこの活況ぶりの要因の一つとなっているようです。
フラット35の固定金利で2%前半の金利が多いようです。
固定金利で、2%前半であれば、魅力を感じてくると思います。
ただ、ここで、気をつけて頂きたいのは、消費増税ごの家計への影響額です。
消費増税、東日本大震災の復興増税、社会保険料の定期的UP、など、家計を圧迫する制度が目白押しとなって押し寄せてきます。
消費増税後の家計への影響額などを試算しているレポートなどもHPで見れますので、消費増税後の家計への影響などで検索してみたらいかがでしょうか。
住宅の購入にあたっては、ぜひ、購入の際の消費増のUP分や、金利の動向の他にも、消費税があがったあとの家計への影響額なども考慮してみてください。
そのほか、以外にも、住宅購入後に家計を圧迫するのが水道光熱費です。
賃貸住まいの時と比べて、部屋が広くなった・・・エアコン代がかさむ。部屋数が多くなった・・・照明代があがる。浴槽が広くなった・・・水道代と湯沸かし代があがる。
等々、特に、戸建て住宅に住み替えた時に、水道光熱費のUPに驚かれる奥様の話しはよく聞くところです。
ここに、子どもの教育費がからんできます。
安定した企業や役所に就職させたい。
そのためには、いい大学に・・と考えるのが自然かもしれません。
ライフプランで各々の優先順をつけながら、キャッシュフロー表で収支の状況を確認しながら、再度、優先順位を見直す。
そして、また、キャッシュフロー表で収支の確認をして、再度、優先順位を見直す。
この作業を、何回か繰り返していくうちに、満足(妥協?)のいくライフプランが出来あがってくると思います。
くれぐれも、ぎりぎりの収支のなかで、無理のあるライフプランはさけて頂きたいと思います。
住宅購入にあたっては、夢の実現で気持ちが舞い上り気分となって、思わず、予算がオーバーがちになることが考えられます。
消費増税などの家計圧迫の要因がない時代は、それでも、何とか切り抜けられたと思います。
自分自身で、予算の限界線を引いて、それよりは低いラインで収まるように進めてみてください。
最後の最後、カーテンや家具、照明器具などの購入にあたって、いいものを見てしまうと、やはり、いいものが欲しくなります。
私の経験からも、最後の最後で予定していた額よりも100万円UP(もっとも、最初に低めに話をしていた私の様な営業マンにも責任はあるのですが・・・)などということはよくあります。
財布のひもは固く・・・でも、住宅取得という一生のうち、一度あるかないかの夢の実現を楽しみながら取り組んでみてください。
意外と、住宅購入まえの今が、一番、楽しいのかもしれません・・・
本日は、『賃貸借に関わる金銭⑤』について、お話させていただきます。
1 保証金とは
保証金の授受は、ビルおよび店舗の賃貸借に多く見られます。
具体的な契約書での文言は次の通りとなります。
『賃借人は、本契約締結と同時に、保証金として○○○○円を賃貸人に差し入れる。当保証金は、契約日より満○年間にわたり、毎年均等償還する。据え置き期間中は無利息とし、期間経過後は年1%の利息をつける。』
法的性格がはっきりしている敷金と違い、保証金の性格は多様ですが、法的には金銭消費貸借契約(金銭の貸し借り)の性格が強いものと理解されます。
保証金授受の慣行は、戦後、ビルの建築資金を補うためのものに由来し、以前は建設協力金の名称が多く用いられていました。
通常、敷金は賃料の数か月分と理解されていたので、多額の一時金を授受するために別の名目として保証金が考えだされたようです。
一般に、保証金は、一定期間据え置いた後、分割して返還されます。
返還されずに残っている額を、未償還額といいます。
据置期間中は無利息ですが、返還償還後は年1%程度の利息を付けるのが通例です。
また、期間中の途中で解約する場合に、ペナルティとして保証金の一部を没収するという取決めもみられます。
保証金という名目ながら、実際には権利金の場合もあり、また敷金と同様、債務不履行の担保とする場合もあるので、契約では保証金に関する条項をよく読んで、その実質的な法的性格を理解することが大切です。
このように保証金の性格には不明瞭な点が多いため、近年、ビルの賃貸借では保証金という名目をやめて敷金に一本化する傾向がみられ、それにともなって敷金の高額化が進んでいます。
以上、『賃貸借に関わる金銭⑤』について、お話させていただきました。
次回は、『賃貸借に関わる金銭⑥』について、お話させていただきます。
13年05月03日 00時09分12秒
Posted by: arakisouzoku
一昨日の日本経済新聞WEB版に、日本株に関する外国人投資家の動向についての記事が掲載されていました。
アベノミクス効果による円安、株高に乗り遅れまいとする個人の投資家にお思惑とは逆に、いつ、売り越していくかの判断をまっているようです。
この株高の裏に潜むリスクについて、参考になると思いますので原文のままご紹介させていただきます。
日本株で個人投資家が高値づかみさせられるのではないかと心配になるデータが出ています。東京証券取引所が発表した4月第3週(15~19日)の投資部門別株式売買動向で個人投資家が3245億円の買い越しとなったのに対し、外国人投資家は1539億円の売り越しとなったのです。
個人は2012年12月ごろから信用取引では買い越していたものの現物では売り越しが続いており、トータルでは売り越し傾向でした。ところが4月第3週になり、個人は現物でも大幅な買い越しに転じています。信用取引は主にセミプロ級の個人、現物取引は主に中・長期投資家が利用しているとみることができます。
その一方で、外国人は4週間ぶりに売り越しに転じました。日本の機関投資家(生命・損害保険会社や都市・地方銀行、信託銀行など)は相変わらず大幅な売り越しを続けています。
4月17日付のこのコラム「割高相場で損しない 出遅れ投資初心者に2つの道」で「動き出したバスに飛び乗るのが非常に危険なように、大きく上昇した相場に飛びつくのも大きな危険を伴います」と指摘しました。ところが高値相場というバスに乗り遅れて焦った個人が大挙して買いに動いた様子を、これらの売買動向からうかがうことができます。そして、こうした動きにタイミングを合わせたかのように、外国人が売り越しに転じています。
ちなみに、4月3日付の「外国人買い越しに変調 日本株を覆う6つの懸念」で触れたように、3月第3週(18~22日)に外国人が19週ぶりとなる売り越し(1032億円)に転じたときも個人は買い越し(3136億円)となっています。
こうしてみると、個人が大挙して市場に押し寄せたときに、外国人は売り越していることが分かります。
外国人にとって最大の誤算は、いくら株価が上昇しても日本の機関投資家が日本株投資に慎重で、いつまでも買い越しに転じてこないことでしょう。機関投資家が大幅な買い越しに転じたときに売り逃げようと考えていたのに、いつまでも本格的な買い出動をしてこない。その一方でバスに乗り遅れた個人が焦って株買いに動き始め、外国人はこれ幸いとばかりに利食い売りしている――こうした構図が浮かび上がってきます。
外国人の誤算はもう一つあります。「1ドル=100円突破は時間の問題」と考えていた円安が100円の大台を目前にしてもたついていることです。
最大の理由として考えられるのは、米財務省が議会に提出した為替報告書で日銀の金融緩和策について「競争的な通貨切り下げを慎むよう引き続き迫っていく」と明記したことです。市場はこれを円安誘導への強いけん制と受け止め、円安の動きがピタリと止まっています。
最近の日本の株価は円安が進めば上がり、円安が一服すれば下がるという単純明解な動きを強めています。1ドル=100円の壁が思いのほか厚いとみた外国人は、昨年秋から続いてきた円安の勢いが終息に近づいたと判断している可能性があります。日本の財政赤字が今後も拡大する見通しが強まればもう一段の円安が進む可能性も十分あり得ますが、それまでにはもうしばらく時間がかかりそうです。
個人投資家は高値をつかまされないように、外国人の動向に細心の注意を払いつつ慎重な投資行動をとることが求められています。
いかがでしたでしょうか?
株高が復調していますが、株式投資には最新の注意が求められそうです。
株の投資も、投資先の企業の業績や資産の状況のみならず、売り越し、買い越しによってもその相場は変動します。
こうなってくると、株式への投資は長期的に、手堅い資産運用できる銘柄が安心できるものと思います。
やはり、ポートフォリオでのリスク分散を心がけるべきでしょうか・・・
本日は、『賃貸借に係わる金銭④』について、お話させていただきます。
1 賃貸借契約の一時金とは
月々の賃料とは別に、賃貸借契約を結ぶときに支払われる金銭を一時金といいます。
一時金には、敷金・権利金・保証金・礼金等があり、その名称はさまざまです。
返還されない渡し切りのものなのか、返還される預り金なのかで大きく性格が違います。
返還されるものとして資金・保証金があり、返還されないものとして権利金・礼金があります。
2 敷金とは
敷金とは、賃借人が賃料を支払わないとか、その他の債務不履行を担保するために預ける金銭となります。
したがって、債務不履行がなければ、契約終了時に全額返してもらえることが原則となります。
未払い賃料等があるときは、その分が敷金から差し引かれることとなります。
通常、預けられてある間の利息はつかないこととなります。
賃貸人が不動産を譲渡したときは、賃貸人の地位は、そのまま新しい買主に引き継がれて、買主は敷金の返還義務を負います。
また、敷金の法的性格からするとおかしいのですが、敷金の償却といって、敷金の一部を返さないケースがあります。
以上、『賃貸借係わる金銭④』について、お話させていただきました。
次回は、『賃貸借に係わる金銭⑤』について、お話させて頂きます。
アベノミクス効果による円安、株高に乗り遅れまいとする個人の投資家にお思惑とは逆に、いつ、売り越していくかの判断をまっているようです。
この株高の裏に潜むリスクについて、参考になると思いますので原文のままご紹介させていただきます。
日本株で個人投資家が高値づかみさせられるのではないかと心配になるデータが出ています。東京証券取引所が発表した4月第3週(15~19日)の投資部門別株式売買動向で個人投資家が3245億円の買い越しとなったのに対し、外国人投資家は1539億円の売り越しとなったのです。
個人は2012年12月ごろから信用取引では買い越していたものの現物では売り越しが続いており、トータルでは売り越し傾向でした。ところが4月第3週になり、個人は現物でも大幅な買い越しに転じています。信用取引は主にセミプロ級の個人、現物取引は主に中・長期投資家が利用しているとみることができます。
その一方で、外国人は4週間ぶりに売り越しに転じました。日本の機関投資家(生命・損害保険会社や都市・地方銀行、信託銀行など)は相変わらず大幅な売り越しを続けています。
4月17日付のこのコラム「割高相場で損しない 出遅れ投資初心者に2つの道」で「動き出したバスに飛び乗るのが非常に危険なように、大きく上昇した相場に飛びつくのも大きな危険を伴います」と指摘しました。ところが高値相場というバスに乗り遅れて焦った個人が大挙して買いに動いた様子を、これらの売買動向からうかがうことができます。そして、こうした動きにタイミングを合わせたかのように、外国人が売り越しに転じています。
ちなみに、4月3日付の「外国人買い越しに変調 日本株を覆う6つの懸念」で触れたように、3月第3週(18~22日)に外国人が19週ぶりとなる売り越し(1032億円)に転じたときも個人は買い越し(3136億円)となっています。
こうしてみると、個人が大挙して市場に押し寄せたときに、外国人は売り越していることが分かります。
外国人にとって最大の誤算は、いくら株価が上昇しても日本の機関投資家が日本株投資に慎重で、いつまでも買い越しに転じてこないことでしょう。機関投資家が大幅な買い越しに転じたときに売り逃げようと考えていたのに、いつまでも本格的な買い出動をしてこない。その一方でバスに乗り遅れた個人が焦って株買いに動き始め、外国人はこれ幸いとばかりに利食い売りしている――こうした構図が浮かび上がってきます。
外国人の誤算はもう一つあります。「1ドル=100円突破は時間の問題」と考えていた円安が100円の大台を目前にしてもたついていることです。
最大の理由として考えられるのは、米財務省が議会に提出した為替報告書で日銀の金融緩和策について「競争的な通貨切り下げを慎むよう引き続き迫っていく」と明記したことです。市場はこれを円安誘導への強いけん制と受け止め、円安の動きがピタリと止まっています。
最近の日本の株価は円安が進めば上がり、円安が一服すれば下がるという単純明解な動きを強めています。1ドル=100円の壁が思いのほか厚いとみた外国人は、昨年秋から続いてきた円安の勢いが終息に近づいたと判断している可能性があります。日本の財政赤字が今後も拡大する見通しが強まればもう一段の円安が進む可能性も十分あり得ますが、それまでにはもうしばらく時間がかかりそうです。
個人投資家は高値をつかまされないように、外国人の動向に細心の注意を払いつつ慎重な投資行動をとることが求められています。
いかがでしたでしょうか?
株高が復調していますが、株式投資には最新の注意が求められそうです。
株の投資も、投資先の企業の業績や資産の状況のみならず、売り越し、買い越しによってもその相場は変動します。
こうなってくると、株式への投資は長期的に、手堅い資産運用できる銘柄が安心できるものと思います。
やはり、ポートフォリオでのリスク分散を心がけるべきでしょうか・・・
本日は、『賃貸借に係わる金銭④』について、お話させていただきます。
1 賃貸借契約の一時金とは
月々の賃料とは別に、賃貸借契約を結ぶときに支払われる金銭を一時金といいます。
一時金には、敷金・権利金・保証金・礼金等があり、その名称はさまざまです。
返還されない渡し切りのものなのか、返還される預り金なのかで大きく性格が違います。
返還されるものとして資金・保証金があり、返還されないものとして権利金・礼金があります。
2 敷金とは
敷金とは、賃借人が賃料を支払わないとか、その他の債務不履行を担保するために預ける金銭となります。
したがって、債務不履行がなければ、契約終了時に全額返してもらえることが原則となります。
未払い賃料等があるときは、その分が敷金から差し引かれることとなります。
通常、預けられてある間の利息はつかないこととなります。
賃貸人が不動産を譲渡したときは、賃貸人の地位は、そのまま新しい買主に引き継がれて、買主は敷金の返還義務を負います。
また、敷金の法的性格からするとおかしいのですが、敷金の償却といって、敷金の一部を返さないケースがあります。
以上、『賃貸借係わる金銭④』について、お話させていただきました。
次回は、『賃貸借に係わる金銭⑤』について、お話させて頂きます。
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