2013年 1月の記事一覧

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13年01月31日 09時52分58秒
Posted by: arakisouzoku
2012年度中のガソリンスタンドの閉店が2000点を突破する見通しのようです。

2011年度の1034点の約2倍の水準となりそうです。

これは、11年度の改正消防法で、ガソリンスタンドの地下タンクの設置年数に応じて、油漏れ防止装置(1か所あたり500万円程度)などを1月末までに設置することが義務付けられていることやエコカーの普及で給油そのものが減っていることが原因のようです。

改正消防法で改修の対象となるガソリンスタンドは全国で約7000店舗だそうです。

経産省で2年間の移行期間に必要費用の3分の2を補助する制度を設けているようですが、その制度を利用するのは約5000店舗にとどまり、過当競争などの廃業も含めて、閉店は2000店舗を上回る見通しとなっているようです。

ガソリンスタンドの閉店にあたっては、その後のその跡地の再活用を考えなければなりません。

ガソリンスタンドは、交通量の多い、比較的、立地条件のいいところにあります。

閉店後は、ロードサイド型店舗、広さにもよりますが・・・

コンビニや携帯ショップ、薬局、ファミレス他飲食業、等々、色々な再活用が考えられます。

再活用にあたって、都市近郊などであれば、マンション用地などにも適合するものもあるでしょう。

マンション分譲会社等への売却となった場合、一つの大きな壁が生じることがあります。

それは・・・土壌汚染問題です・・・

ガソリンやエンジンオイルなどを扱っていることから、土壌が汚染されている可能性が高いのです。

もっとも、自社でガソリンスタンド以外の店舗や賃貸マンション等で再活用するときは土壌の表面を盛土したりアスファルトで覆ってしまうなどの処置で済んでしまうこともあるのですが・・・

分譲マンションや戸建て分譲のためにその土地を取得した不動産会社はそういうわけにはいきません。

土壌の汚染度合いにもよりますが、土壌汚染対策に関する法令上は、汚染された土壌を場外搬出する必要はなく、汚染物質が口に入らぬよう、その表面を盛り土等で覆ってしまえば、OKとされています。

では、なぜ、不動産分譲会社は土壌汚染された土地を分譲するときに、きれいに除去してきれいな土で埋め戻すしたうえ分譲するかというと、土壌汚染されたまま、分譲するときには、重要事項説明書にその旨を明記しないといけないことがあります。

この分譲マンションの土地は土壌汚染された汚れた土地ですと説明しないといけないのです。

こうなると、販売に著しい悪影響を及ぼします。

ゆえに、不動産分譲会社は、土壌汚染された土地の決済の前までに、売主に対して土壌汚染された土地をきれいに除去したうえでの引き渡しを求めることとなります。

この費用が、今の日本の技術では、甚大な費用となってきます。

ガソリンスタンドの再活用にあたっては、この土壌汚染の対策が、大きなポイントとなることから、石油会社の組合等では、土壌汚染対策の補助制度などを設けたりしています。

また、相続税の物納制度でも、物納後に土壌汚染されていることが調査等により、判明した場合、その物納を取り消すことが出来る等の改正も行われています。

本来の、土壌汚染への対策では、口に入らないようにきれいな土やアスファルトで覆ってしまえばOKとされていたものが・・・

あまりに、騒ぎすぎて・・・

きれいに、除去しないと売れないものとなってしまったようです。

これって、ある意味、風評被害では・・・・

土壌汚染の対策については・・・

国から、もっともっと、明確な見解や国として責任ある具体的な対策方法を明示して欲しいなと思います。


本日は、『寄与分④』についてご紹介させて頂きます。

□寄与分を主張するための要件

1.特別の寄与行為

①寄与行為は、主として無償、もしくはこれに準じるものであることが多いようです。

なぜならば、相当の対価を得ているのであれば、すでに決済が済んでいるものとして、寄与分として主張すべき部分は残存していないと考えられる場合が多いからです。

②『特別』な寄与行為でなければなりません。

特別とは、身分関係に基づいて通常期待されるような程度を超える貢献をいうとされます。

なぜなら、夫婦間の協力扶助義務、直系血族及び兄弟姉妹の扶養義務、直系血族及び同居の親族の相互扶け合いの義務の範囲内での行為は、寄与分として相続分を修正する事由とは認められないからです。

例えば、妻に寄与分があるというためには、家事労働の他に夫の農業や家業を手伝ったり、共働きだったりする程度のことが必要であり、家庭にあって家政を処理しながら多くの養子を養育し、それによって夫の活動を助けてきたとしても、家事労働者がある場合には、内助の功は多少あるかもしれませんが、それだけでは事業の経営など特段の寄与をしたとは認められないとした事例があります。

また、子に関しましては、8年間被相続人と同居して面倒を見たとしても、直系血族としての扶養義務の履行であることを考慮すれば、この程度では遺産の維持に貢献したとはいえないとした事例があります。

本日は、『寄与分④』について、ご紹介させていただきました。

次回は、『寄与分⑤』について、ご紹介させていただきます。
13年01月30日 10時53分05秒
Posted by: arakisouzoku
今日の日経WEB版に、次の日銀総裁は誰に期待するのかのアンケート結果が掲載されていました。

実に・・・

29%の人が、竹中氏に期待を寄せているようです。

以下、アンケートの内容は、次の通りでした。


『日銀は1月22日、2%の物価目標を導入し、「できるだけ早期に実現することを目指す」と約束しました。4月に就く次の総裁は、目標実現に向けた政策運営という重要な役割を担いそうです。では、だれが望ましいのか。電子版読者の回答では、竹中平蔵慶応大教授が2位の倍以上の支持を得るダブルスコアで首位となりました。

竹中氏を挙げた回答者の比率は29.4%、2位の浜田宏一米エール大名誉教(14.3%)、3位の武藤敏郎大和総研理事長(13.8%)に大差を付けました

竹中氏は小泉純一郎政権時代に経済財政相などを歴任。政策に積極的に関与するタイプの学者。金融政策に関しても、物価目標導入や積極的な緩和の必要性を主張してきました。竹中氏を推す読者からはこんなコメントが集まりました。

○諸外国の金融政策について十分な知識を有し、かつ英語が堪能で発信能力も十分備えている(77歳、男性)

○同盟国の金融当局との信頼関係を構築できる(61歳、女性)

○経済理論が分かっていて頭の回転が速い。政策実行能力・経験もある(45歳、男性)

竹中氏が多くの支持を集めた背景には、デフレ脱却への熱心さだけでなく、国際性や経済に関する知見などもバランス良く備えていると見られている点がありそうです。

実際、次の総裁に求める資質・姿勢について優先する2項目を聞いたところ、最も多かったのが「国際的な発信力」(25.7%)、次が「経済に対する知見」(24.7%)で、3位の「デフレ脱却に全力を傾ける姿勢」(24.1%)を上回りました。

多くの支持を集めた竹中氏ですが、辛口のコメントもありました。

○小泉政権時代に見られたように自己主張が強すぎる(64歳、男性)

○新自由主義者の竹中氏は論外(39歳、男性)』

以上【日本経済新聞WEB版 2013/1/30 6:00 】

次の日銀総裁は、非常に責任が重く、注目度も高く、過酷な職務だと思います。

日本経済の浮揚の責任を課されるくらいの勢いでその責任の重さが、日々、積み重ねっている印象です。

バブル崩壊後の不良債権処理では、当たり前のことをやっていては、ものごとは前に進んでいかなかったかもしれません。

格差社会というひずみを生じさせてしまったかもしれませんが・・・

小泉政権下での思い切った断行により、バブル崩壊に一応の決着がつけられたという記憶があります。

竹中氏はTVで、自分は嫌われ者で・・・敵が多いいと・・・コメントを発していましたが、・・・

嫌われても、敵が多くても、バブル崩壊の後処理をつき進めた竹中氏に、今回の経済再生を託したいという民意の表れなのでしょうか・・・

確かに・・・

バブル崩壊後は、一応の立て直しを見せて、都心を中心に、新たなファンドバブルが起こるまでに回復しました。

その後の、サブプライムローンやリーマンショックで、再度、打ちのめされました。

ここで・・・再び、竹中氏の登場は・・・ありかなと・・・思います。

それにしても、長引く構造不況で身も心も冷え切ってしましますが・・・

早く春がこないかなと思いつつ・・・

今日は、早稲田の穴八幡にいってお札を買ってきます。

節分にお札をはって・・・

春の訪れを祈願することとします。


本日は、『寄与分③』についてを、ご紹介させていただきます。

1.寄与分の主体と寄与の範囲

⑤被相続人の前配偶者

例えば、被相続人の財産の維持、形成に特別の寄与をした先妻が死亡し、被相続人はその後再婚してから死亡した場合の相続において、先妻の子が母の寄与分を主張できるか、という問題です。これにつきましては、

ⅰ.明文上寄与分が認められるのは、共同相続人に限定されていること、

ⅱ.配偶者の代襲相続が否定されているのに、本件を肯定すれば配偶者に代繡相続を認めたのと同様となってしまうこと、
を理由として、肯定することには解釈上無理があり、否定する見解が多数のようです。

⑥内縁の配偶者

例えば、内縁の妻が夫であった被相続人の財産の維持、形成に対して特別の寄与をしていた場合に、その妻に寄与分を認めることができるかどうか、という問題です。

これにつきましては否定する見解が多数と思われます。理由は、寄与分を認めることは相続権そのものを認めることにはならないけれども、寄与分権者として相続に関与する地位を与えることとなって、実質的には相続権の付与と同様の結果となるからです。

ただし、寄与分の明文新設前の理論を用いたり、あるいは前提に立ち戻って無報酬の労働の対価を不当利得として返還請求するとか、相続財産中に対価相当額の共有持分を認め共有物分割請求をする等の方法によって、実質的に寄与相当額を内縁の妻に留保することが認められる事案もあると思われます。

⑦包括受遺者

包括受遺者が寄与分の主張をすることは認められない、とするのが多数説と思われます。理由としましては、

.反対説の根拠とする民法990条が、包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有すると規定するといっても、包括受遺者は相続人と全くイコールなのではなく、相続人と同様に扱われるに過ぎないこと、

.寄与分の明文上、寄与者は共同相続人に限定されていること

.第三者に対する包括遺贈は寄与の対価としてなされることが多いこと、
等があげられています。

本日は、『寄与分③』について、ご紹介させていただきました。

次回は、『寄与分④』についてを、ご紹介させていただきます。
13年01月29日 10時36分10秒
Posted by: arakisouzoku
昨日の日経新聞WEB版で、『農業再生へ農地法を大胆に見直すべきだ』という記事が掲載されていました。

日本の農業は、後継者不足もあって、一部、瀕死の状況となりつつ側面があると感じています。

日経新聞WEB版では、そんな日本の農業の再生にとって必要な農地法の見直しについて、次の様に述べていました。

『農業政策の柱である農地法は時代遅れになった。経営規模の拡大を阻むだけでなく、耕作放棄地を増やす要因にもなっている。政府は農林水産業を成長戦略の重点分野に位置づける。これを契機に農地法は大胆に見直し、農業再生に結びつけてほしい。

1952年に施行された農地法は、475万の農家が新たに農地を所有するようになった農地改革の成果を維持することが目的だ。そのため農地の売買や賃貸借を制限し、農地の集約や規模拡大を難しくしている。2010年までの50年間で、コメ農家の生産規模拡大は2倍に満たない。

政府は09年に農地法を改正し、所有者と合意すれば一般企業も農地を借りられるようにした。しかし、企業は依然として農地の所有を認められず、農地を所有できる農業生産法人への出資も50%未満に制限されている。

農地の所有や利用制限は耕作放棄の増加も招いている。耕作放棄地の面積は40万ヘクタールと20年間で1.8倍に増えた。中でも農家でない親族が相続し、手つかずになった農地が2.7倍に増えている。

251万人いる日本の農業人口は65歳以上が6割を占める。今後は引退する人が増え、このままでは耕作放棄地が急激に拡大してしまう。もはや小手先の利用促進策では間に合わない。

企業や意欲のある生産者が規模を拡大できるように思い切った規制緩和がいる。どの農家が農地を貸そうとしているか、だれでも知ることができる情報公開も欠かせない。耕作放棄地に農地としての優遇税制はいらない。

農地の売買や貸借で許可権限を握る全国の農業委員会のあり方も抜本的に考え直すべきだ。

また、農地法は農地を耕してコメや麦などをつくる耕地に限定している。耕作地としての条件が悪く放棄地となった場所を利用して野菜工場や養鶏施設などを建てる場合でも、マンションを建てるのと同じような農地からの転用許可を求められる。

政府は農業と食品製造、販売を融合して地域を活性化する「6次産業化」政策も推進するのだから、農地はひろく農業経営のための場所ととらえて支援すべきだ。

農地法とともに細分化された農家を前提にし、原則として独占禁止法の適用除外となる農協制度も、消費者の視点をとり入れて改革を進めてほしい。』

以上【日本経済新聞WEB版 H25.1.25 】

そもそも論としましては、現行の農地法は、戦後の農地改革により誕生した小規模農家を保護する目的があったようです。

大規模農家に吸収されないように、売買や賃借の制限を、かけてきたということでしょうか・・・

そのつけとして・・・

小規模農家であるがゆえの効率の悪さ・・・例えば、設備投資一つとっても、各農家に一台の耕運機やトラクター・・・地域全体としての生産性を考えれば・・・過剰投資では・・・と思えなくないこともありません。

そして、大きな農業法人を設立し、大規模な農業生産を行っていくうえでの、各種規制の壁・・・決定的には・・・農地を借りるしかない・・・所有できない等々・・・

さらには、耕作不向きな農地を加工工場にすることもできない等々・・・

農業に関しては・・・

まさに規制緩和・・・緩和というよりも、今までの無理難題のおかしな規制を排除し、まともな状態にすることが重要なのではと・・・個人的に思います。

そもそも、戦後の農地改革は、米国は何を目的としていたのでしょうか・・・

大地主の資産家をなくし、小作で働いて人達にも、農地を分け与え、皆、平等とする・・・

財閥解体しかり・・・

産業についていえば、戦後に勃発した朝鮮やベトナム戦争等により・・・

昔の財閥の形態ではありませんが、企業グループとして、復活を遂げました。

大きな違いは、創業家による支配はなくなったということでしょうか・・・

農業は、そのまま、大規模化することなく、小規模農家主体の、そのとりまとめをJAが担うという図式が確立され、そのまま推移してきています。

人口の増加にあわせて、都市近郊の農地は、住宅に生まれ変われ、農業所得から不動産所得へ転換していく農家さんも増えることとなってきました。

JAさんは、その時代の流れに乗って、いつしか、金融機関や不動産管理の役割を担うことが多くなってきました。

そして、現状では・・・後継者不足もあり・・・耕作放棄地があふれるようになってきました。

これからの、世界的な人口増加を考えると・・・今まで通り、世界の食料を売ってもらえるとも、限りません・・・

戦後の農地改革にあわせて考えられた農地法は・・・

今となっては・・・

時代に適合したかたちに・・・

変えるべきと考えてしまいます・・・


本日は、『寄与分②』について、ご紹介させていただきます。

1.寄与分の主体と寄与の範囲

①共同相続人
民法904条の2第1項に『共同相続人中に』と規定されていること、及び寄与分が相続分の修正要素とされていることから、寄与分を主張することのできる者は、現実に遺産分割に参加する共同相続人に限られます。
よって、第1順位の相続人が共同相続人である場合に、第2順位以下の相続人(配偶者と子が共同相続人である場合の直系尊属や兄弟姉妹)に特別の寄与分が存したとしても、それらの者は寄与分の請求をすることはできません。
また共同相続人でも、欠格者、被相続人により廃除された者、相続放棄をした者は、相続資格を失うことになりますから、寄与分を請求することはできません。

②代襲相続人
代襲相続人も、『共同相続人』である以上、寄与分を主張することができます。ただし、その主張する寄与が代襲者自身のものか、あるいは被代襲者によるものかによって、次のような問題があります。

.代襲相続人自らが財産の形成に寄与した場合に、その寄与分を主張することが許されるか。
この点につきましては、寄与者の『共同相続人』という資格を重視する立場からは、代襲原因が生じる以前の寄与行為につきましては代襲相続人に相続人たる資格がなかったことを理由に、寄与分の主張を否定する見解が存します。
しかし、遺産分割時点で相続人であれば資格要件を充たしていると考えられる上、共同相続人間の実質的衡平を図るという寄与分制度の目的を重視すれば、代襲相続の原因の前後で区別する必要はなく、すべての寄与分を主張できるものと解する立場が有力のようです。

.被代襲者が財産の形成に寄与した場合に、代襲相続人がその寄与分を主張することが許されるか。
この点も肯定する立場が実務上有力です。理由としましては・・・
ィ.代襲相続人が被代襲者の地位を承継し、得べかりし相続分をそのまま取得すべきであること、あるいは代襲者の取得すべかりし相続分は寄与分が一体として含まれていること。
ロ・代襲相続が代襲相続人の不利益を回避し相続人間の衡平を図る制度であるので、肯定した方が相続人間の衡平に適すること。
ハ.肯定しても一身専属制を持たない財産権である寄与分の性質に反しないこと。
等が挙げられています。

以上、『寄与分②』についてを、ご紹介させていただきました。

次回は、『寄与分③』についてを、ご紹介させていただきます
13年01月28日 16時19分19秒
Posted by: arakisouzoku
先週木曜24日に税制改正大綱が発表されました。

消費増税については、先の3党合意による社会保障と税の一体改革で、既に閣議決定されていますので、印象に残るのは、住宅ローン減税の拡充や自動車取得税の廃止など、どちらかというと、参院選をにらんでの減税志向を打ち出してきたのかなと感じました。

また、消費増税による中低所得者の方の逆新性に対応すべき軽減税率は、10%増税に見送られました。

その矛先をかわすために・・・

所得税や相続税の最高税率をUPさせた印象をぬぐいきれません。

相続税の基礎控除の4割削減は、一昨年から持ち上がってきていた内容でしたので・・・

ついに・・・いよいよかなという感じでした・・・

景気の落ち込みを防ぐべく、消費増税後の住宅取得等についての住宅ローン減税の拡充の配慮は、無難な対応だと感じました。

そして、目玉は、祖父母から孫への贈与、教育資金1500万円までの非課税でしょうか・・・

この非課税で、生前の有意義な時に小さいお子さんにお金をかけれられるになり、基本的には、とても良策だと思いました。

いずれにしても、増税や社会保障の負担増で・・・

家計の影響がでてくるでしょう・・・

ライフプランを考えて・・・

計画的に・・・

無駄を省き・・・

本当に必要なものにお金をかける・・・

優先順位を考えることも非常に重要なことかもしれません・・・

ぜひ、ライフプランの作成に挑戦してみてください・・・



本日は、『寄与分①』について、ご紹介させていただきます。

1.寄与分

①意義

寄与分とは、共同相続人中に、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者がある場合に、他の相続人との間の実質的な公平を図るため、その寄与相続人に対して相続分以上の財産を取得させる制度をいいます。

例えば、被相続人に子が2人おり、うち1人は終始被相続人と共同して家業に従事して遺産の維持・増加に多大な貢献をしたのに対して、他の子は早くから親元を離れて生活し財産の維持・増加には何ら貢献していない場合のように、財産の維持・増加に対する実質的な貢献度に明らかな差異があり、法定相続分による均等割合による承継では実質的な均衡を失する場合に、貢献者により多くの財産を取得させ、その間の衡平を図ろうとする制度です。


②実務上の課題

寄与分は当事者間で協議が成立しない場合に家庭裁判所が審判によって定めますが、『寄与分を定める処分にかかる審判は、家庭裁判所が共同相続人間の実質的な衡平を実現するため合目的に裁量権を行使してする形成的処分』であるとされ、遺産分割の審判が裁量的処分であることとともに、実務において注意を要します。

寄与分の具体的算定について、基準の明確性、客観性の確保が問題とされ、類型化や、算定基準、計算式の指針が提案されています。

以上、『寄与分①』について、ご紹介させていただきました。

次回は、『寄与分②』につて、ご紹介させていただきます。
13年01月27日 10時20分40秒
Posted by: arakisouzoku
今日の日本経済新聞WEB版に、訪ねて楽しい日本酒蔵元ランキングが掲載されていましたので、原文のまま、ご紹介させていただきます。

寒い冬場は日本酒の仕込みが盛んで、お酒がおいしい季節だ。全国には1500を超える蔵元があり、見学ができるところも多い。出来たてのお酒を試飲できるほか、レストランや資料館などを備える蔵元もある。訪ねて楽しい日本酒の蔵元を専門家に選んでもらった。

1位 末廣酒造(福島県会津若松市) 590ポイント
■仕込みの様子、間近で見る 酒どころ会津の伝統蔵。築100年以上にもなる木造の蔵は、お酒の香りとともに創業時の面影を漂わせる。蔵見学では仕込みの時期に朝早く訪れれば、蒸した米やこうじなどが入ったタンクを棒でかき交ぜる「かいいれ」作業を間近で見られることもある。毎年、予約制でオリジナルの日本酒製造も受け付けている。冬場に蔵に訪れ、酒造りを指揮する杜氏(とうじ)の指導の元、仕込みに挑戦できる。「併設のカフェでは、仕込み水で入れたコーヒーや大吟醸を使ったシフォンケーキを味わえる」(葉石かおりさん)
(1)無料(2)9時~16時半(年末年始休)(3)0242・27・0002(4)JR会津若松駅からバスで「大和町」下車、徒歩1分(5)予約が望ましい

2位 月桂冠大倉記念館(京都市) 550ポイント
■12万人が訪れる名所 月桂冠が運営するお酒の博物館。国の近代化遺産にも登録されており、年間約12万人が訪れる伏見有数の観光スポットでもある。京都市の有形民俗文化財に指定された酒造用具類のうち、約400点を常設展示している。お土産として、大人には純米酒のミニボトル、未成年は酒造り絵はがきがつく。「京都駅からもほど近く、観光にも便利。英語のパンフレットもあるので海外の人を連れていっても楽しめる」(芦沢恵さん)、「建物の周りの雰囲気も趣があり、柳並木がとても風流」(木原秀和さん)。
(1)大人300円(2)9時半~16時半(お盆、年末年始休)(3)075・623・2056(4)京阪電車中書島駅から徒歩約5分(5)予約が必要な施設もある

3位 石川酒造(東京都福生市) 260ポイント
■イタリア料理と一緒に 「多満(たま)自慢」などで知られる、豊かな多摩の自然に囲まれた蔵元。大きな古い酒蔵の中を見学でき「まるで江戸時代にタイムスリップした気分になる」(友田晶子さん)。試飲コーナーでは生原酒や梅酒など珍しいお酒も味わえる。和食やイタリア料理のレストランもあり「ピザに日本酒を合わせるなど新たな提案が魅力的。料理もおいしく、子ども連れでも楽しめる」(葉石さん)
(1)無料(2)9時~17時(年末年始など休)(3)042・553・0100(4)JR拝島駅からタクシーで約5分(5)要予約

4位 一ノ蔵(宮城県大崎市) 245ポイント
■震災乗り越え再開 東日本大震災で被災したが2カ月後に平日の見学を再開。試飲のほか、子ども向けのクイズコーナーもある。「DVDで工程を頭に入れて、ガラス越しに見学できる」(竹林ゆうこさん)、「近くに酒ミュージアム(入館料300円)を併設。レストランもあり、巡れば一ノ蔵が好きになる」(佐野吾郎さん)。
(1)無料(2)平日は9時半~15時、土日祝日は10時~15時(3)0229・55・3322(4)JR松山町駅からタクシーで約10分(5)要予約

5位 沢の鶴資料館(神戸市) 230ポイント
■灘の伝統を今に 約300年の歴史を誇る灘(なだ)の蔵元。1978年開館の資料館では古い酒道具を展示していたが、阪神大震災で全壊。99年に再建され、酒を江戸に運んだ樽廻船(たるかいせん)の模型など「灘酒の歴史や昔の酒造道具の展示が充実している」(狩野卓也さん)。
(1)無料(2)10時~16時(水曜日、お盆、年末年始休)(3)078・882・7788(4)阪神電車大石駅から徒歩約10分(5)予約は原則不要

6位 あさ開(盛岡市) 225ポイント
■三陸の食材味わう 酒蔵見学では、今では珍しい木おけを使った仕込みを見ることができる。多国籍料理が味わえるレストランには家族連れの来店も多い。「(三陸産の食材がそろった)物産館での買い物が楽しい」(竹林さん)
(1)無料(2)9時~16時(年末年始休)(3)019・624・7200(4)JR盛岡駅からタクシーで約10分(5)予約が望ましい

7位 木内酒造(茨城県那珂市) 220ポイント
■ビール工房を併設 「菊盛」などの日本酒を製造しているほか、ビール工房も備え有料でビール造りも体験できる。そば屋を併設し、地元食材を使ったつまみなども食べられる。不定期でジャズコンサートなどのイベントも開いている。
(1)無料(2)10時~15時(元日のみ休)(3)029・298・0105(4)JR常陸鴻巣駅から徒歩約5分(5)予約が望ましい

7位 神戸酒心館(神戸市) 220ポイント
■酒器などグッズが充実 「福寿」ブランドで知られ、夏と冬に見学が可能。酒蔵の長屋門を利用したギャラリーもある。「(酒器など)ここでしか買えないお酒グッズが充実している」(高山惠太郎さん)
(1)無料(2)14時開始、営業は6月1日~8月10日、1月初旬~3月末日(3)078・841・1121(4)阪神電車石屋川駅から徒歩約8分(5)要予約

9位 小澤酒造(東京都青梅市) 210ポイント
■奥多摩の自然楽しむ 「澤乃井」の製造元。近隣には蔵元が運営する櫛(くし)かんざし美術館や豆腐料理店、バーベキュー場などがあり、家族連れで1日過ごすことができる。奥多摩の豊かな景観も魅力の一つだ。
(1)無料(2)11時など(月曜、年末年始など休)(3)0428・78・8210(4)JR沢井駅から徒歩約5分(5)要予約

10位 賀茂泉(広島県東広島市) 180ポイント
■日本酒喫茶でお酒スイーツ 酒蔵が立ち並ぶ西条通りにある蔵元。近くには酒まんじゅうや酒ケーキなどがそろった日本酒喫茶もある。藍染工房も運営しており、初心者でも手軽にオリジナルの藍染が作れる。
(1)無料(2)平日の8時半~12時、13時半~17時(お盆、年末年始休)(3)082・423・2118(4)JR西条駅から徒歩約8分(5)要予約

【日本経済新聞WEB版 2013/1/27 6:30】

いかがでしたでしょうか・・・

個人的には、東京の小澤酒店に興味があります。

豆腐料理や櫛かんざしの美術館など、酒蔵いがいのみどころも多そうです。

でも、何といっても、第一位の会津若松市にある末廣酒造に興味大です・・・

大河ドラマでも会津若松に訪れる方が多くなると思います。

史蹟めぐりの合間に、酒蔵見物で一息つかれたらいかがでしょうか・・・

城下町だけに、昔ながらの銘菓のお店も点在しています。

今年の夏に妻の仙台帰省のおりに・・・

会津若松を経由しようかなと・・・考え中です・・・



本日は、『特別受益⑤』について、ご紹介させていただきます。

1.特別受益の評価

①特別受益の評価の基準時
具体的相続分を算定する際に控除する特別受益額の評価時点は、通説及び多数の審判例で相続開始時としています。つまり、過去になされた贈与であっても、その対象物の相続開始時の評価額にひき直して特別受益額とされるわけです。
これに対して、現実に遺産を分配する当たっての遺産自体の評価につきましては遺産分割時説が通説です。このため、実務では、特別受益及び寄与分につきましては相続開始時を基準として算定して具体的相続分を定め、これを前提として遺産分割時を基準として現実の分割を行うというのが多くの取り扱いとなっています。

②贈与の目的物の滅失又は価額の増減
受贈者の行為によって贈与の目的物が滅失したり価額の増減があった場合につきましては、相続人間の公平を維持するため、その目的物が相続開始当時、贈与当時の状態のままで存するものとみなしたうえで、そのような状態の目的物を相続開始時の時価で評価するものとされています。この場合の受贈者の行為には、行為のみならず過失も含むものと解されています。したがいまして、例えば贈与当時500万円の不動産を贈られその後これを1000万円で売却した場合も、その不動産が贈与当時の状態のままであるものと仮定して相続開始時の価格で5000万円と評価されるようであれば、当該贈与は5000万円の特別受益額となります。
なお、前記規定の反対解釈として、受贈者の行為によらずに贈与の目的物が滅失したり価額の増減が生じた場合につきましては、滅失のときには特別受益はないものと考え、価額の増減のときには、その増減した相続開始時の価額を基準として特別受益が算定されることになります。

③評価が問題となる受贈財産
.金銭
金銭の贈与を受けた場合につきましては、かつては金銭の価額の変動ということはないので受贈当時の金額で算定すべきであるとする見解多かったようです。
しかし、その後、インフレ、物価上昇を考慮し、その実質的価値を相続開始時の貨幣価値に換算評価すべきあるとする見解が有力が有力になっていたところ、最高裁も後者の考えを採用するに至りました。
最高裁昭和51年3月18日判決は、遺留分算定の基礎となる財産の価額についてではありますが、相続人が被相続人から贈与された金銭をいわゆる特別受益として加算する場合には、贈与の時の金額を相続開始の時の貨幣価値に換算した価額をもって評価すべきであるとしました。これは遺留分の算定の場合に関する判例ですが、具体的相続分を算定する場合につきましても別異に解すべき理由は無く、その後、実務はこれに沿って運用されていると思われます。

.農地
農地の評価につきましては、宅地転用の見込みの有無、強弱によって評価に開きがでるため問題となることが多いようです。最高裁家庭局は、『農地が宅地として確定している場合、あるいはそのような蓋然性が高い場合には、その事情を考慮して算定すべきであるとされています。』

以上、『特別受益⑤』について、ご紹介させていただきました。

時期は、『特別受益⑥』について、ご紹介させていただきます。


13年01月26日 12時50分29秒
Posted by: arakisouzoku
消費増税を控えた住宅取得の駆け込み需要は、いかほどとなってくるでしょうか・・・

先の消費税導入時に、ハウスメーカで住宅営業に携わっていた私は、その現場を実際に観てきました。

まさに、活況そのもの・・・

消費税導入時に販売された廉価型企画商品をベースに、それこそ、とりあえずこのプランでいいですからの契約も数多くありました。

メーカーによって契約までの手順に違いはありますが、私の在籍していた会社では、お客様の希望のプランを固め、仕様の確認をし、敷地の調査を行って外部設備まで含んだ正式な見積もりを提出してからの契約が原則でした。

消費税導入時には、とにかく、増税前の期限前に契約を締結してしまおうと企画プランの中から、とりあえず・・・これで契約という感じでした。

さらにいえば、契約後の追加工事は消費税がUPしてしまいますので、念のため増額分を見越して多めの契約にしておくということもありました。

住宅の営業マンにとって、この消費増税は、かっこうの契約誘導セールス・トークとなります。

当然、消費増税後の駆け込み需要の反動が怖いのですが。今度は8%から10%へのUPと住宅ローン減税の拡充というセールストークが活躍しそうです。

私も、たまに、住宅展示場に訪れます。

流石に、中に入っての見学は気がひけますので、平日の閑散としている時に、参考見学とお断りして、見学させていただくことはあります。

自分がモデルハウスの店長をやっていたころをなつかしく思いながら、ついつい目を向けてしまうのが、色々な情報を掲示しているコーナです。

時には、玄関前に机を出して風船等と一緒にその情報チラシを配布したりとか・・・
玄関先に設置したりとか・・・
リビングに設置したりとか・・・
2階に設置したりとか・・・
その工夫は、各社ごと、腕のみせどころです。

そして、その内容は、各社さんとも消費増税の件と住宅ローン減税の件、そして住宅ローンの低金利のことかなと想像します。

さらに、賃貸住宅を扱っている会社さんが、相続税の基礎控除減額をアピールすることでしょう。

来週平日に、各社さんごとのその掲示内容を、観に行こうと思っています。

どこのメーカーさんが、目立ったアピールをしているでしょうか?

もっとも、よその会社さんに、その辺の情報は、まかせておいて、あくまでも、いいプランといい建物で勝負という考えもあります。

ただ、お客様からしてみると、建物の善し悪しの他に、住宅ローンの提案、消費増税の対処、住宅ローン減税の取扱い、等々、周辺のことまで、こまめに気を遣ってくれる営業の方が、ありがたい存在なのではと・・・思います。

昔の住宅営業マン時代を懐かしく思い出しながら・・・展示場見学してきます。



本日は、『特別受益④』について紹介させていただきます。

1.再転相続と特別受益

相続が開始して遺産分割未了の間に第二次の相続が開始した場合において、第二次被相続から特別受益も受けた者があるときは、その持ち戻しをして具体的相続分を算定しなければなりません。


2.特別受益の確定

寄与分の確定につきましては家庭裁判所の審判事項であることが明文で規定されていますが、特別受益の確定につきましては現行民法に明文がないため、これが訴訟事項か審判事項か争いがあります。

この問題につきましては未だ定説は見ませんが、審判事項と解するのが実務の大勢ではないかと思われます。


3.相続分なきことの証明書

登記実務上、しばしば『相続分なきことの証明書』なるものが提出されることがあります。

これは、共同相続人の1人あるいは一部のものが『私は既に相続分を超過する贈与を受けているので、被相続人の死亡による相続人については相続する相続分はないことを証明します』という趣旨を記載した書面で、これと作成者の印鑑証明書を添付して、他の相続人から相続登記の申請があった場合、これを受理して相続登記をしているのが古くからの登記実務の扱いです。

ところで、このような登記実務がなされているために、また相続放棄の申述手続に手数と費用がかかることもあり、正規の相続放棄や遺産分割協議などの手続きによらずに相続人の一部の者に相続財産を取得させる便法として、超過特別受益などないにもかかわらず、これをあるかのごとくに記載した内容虚偽の証明書が作成されることが時として見受けられます。

このような内容虚偽の証明書は本来作成すべきではありませんが、現実問題としてこのような書面が作成された場合にその効力をいかに解するかが問題となります。

まず、作成者がその証明書の意味内容を理解していない場合は、もちろんその書面は無効と解されます。問題は、作成者がその意味内容を理解して作成している場合ですが、その証明書の作成及び交付という事実行為から一定の法律行為を推認できないかが問題とされています。

これにつきましてはかかる推認を否定する判例もありますが、最近は、相続分の譲渡、放棄、贈与があったとみたり、遺産分割協議の成立があったとする裁判例が増えているようです。

推認が可能かどうか。可能としてどのような法律行為の推認ができるかは、要は事実認定の問題に帰着するものと思われます。

以上、『特別受益④』について、紹介させていただきました。

次回は、『特別受益⑤』について、紹介させていただきます。

13年01月25日 10時39分16秒
Posted by: arakisouzoku
昨日24日、自民公明両党により2013年度の税制改正大綱が決まりました。

概ね、いままで、報道されていた内容で決着した模様です。

概ねのポイントは次の通りとなってきます。【読売新聞1月25日版を参照し記載】

【成長支援(13年度~)】

1.法人税
給与支給を増やした企業は増加額の10%減税(3年間)
雇用を増やした企業は1人あたり40万円減税

2.中小企業
交際費の損金算入が「800万円」まで可能に

3.贈与税
祖父母から孫への教育資金の一括贈与は1500万円まで非課税(15年末まで)

【消費税増税対応(14年4月~)】

1.住宅
ローン減税を17年末まで延長。年間で最大40万円(被災地は最大60万円)減税
自己資金での省エネ改修、年間で最大25万円減税

2.自動車
取得税はエコカー減税拡充、15年10月に廃止
重量税は存続。燃費の良い車はより減税

3.軽減税率
14年4月からの導入は見送り。15年10月の導入目指す

【格差是正】

1.所得税
最高税率を45%に上げ。課税所得『4000万円超』に適用

2.相続税
最高税率を55%に上げ。課税遺産『6億円超』に適用
基礎控除を4割縮小
小規模宅地の8割減額評価で、対象上限を330平方メートルに拡大

以上が、今回の税制改正大綱のポイントとなります。

消費税増税に配慮した住宅ローン減税の拡充や自動車取得税の廃止が決まりました。
軽減税率と自動車重量税は8%UP時には見送りとなっているようです。

経済成長支援として、法人税の雇用に対しての減税が決まりました。

その他、交際費の損金算入の拡充がきまりました。

何といっても、祖父母から孫への教育資金の一括贈与1500万円非課税(15年末まで)により、どれだけの資金が動いてくるでしょうか・・・

相続税の基礎控除の4割縮小が平成15年から実施されます。

いままで、相続税に縁がないと思っていた都市部や都市近郊にお住まいの不動産は自宅だけ・・・という方も相続税に縁のある方となってくるかもしれません。

そうであるならば・・・孫に教育資金で生前贈与を・・・と考えることもできます。

ここで、難しいのは財産の保有割合です。

老後に充分すぎるほどの金融資産に余裕があれば、教育資金としての生前贈与も容易に行えます。

金融資産にその余裕がなければ、その贈与は難しいこととなってきます。

ようは、自宅としての不動産の相続評価額が高くて、金融資産は老後に多少の余裕がある程度で相続税がかかってしまうようなケースでは、孫への生前贈与での相続税の評価減は実行できないこととなります。

ただし、基礎控除4割削減とセットで、住居用宅地の小規模住宅用地の特例の適用が240㎡から330㎡に拡充される予定となっています。

これで、基礎控除4割削減の影響をある程度は、抑えることができるでしょう。

ここで、大事なのは、現状の分析と思います。

自分の所有している不動産の売買相場の価値は・・・いくら位か・・・

自分の家の敷地は、何区画に分けて売却できるものなのか・・・

自分のもってる不動産の相続税の評価額はいくら位なのか・・・

小規模住宅用地の特例は、問題なく適用できるのか・・・

相続税はかかってくるのか・・・

また、2次相続ではどうなってくるか・・・

その他金融資産の運用はどうしていったらいいのか・・・

証券優遇税制が13年末で終わり、その後の日本版ISAの拡充のメリットは・・・

等々・・・

これからの相続増税にむけて、何をすべきか・・・

まずは、あたりまえに、自分の財産の特徴を掴むことだと思います。

そこから、分析・・・考える・・・実行する・・・

となってきます。

まずは、自分自身の財産を、改めて、冷静に見直してみましょう・・・


本日は、『特別受益③』について、ご紹介させていただきます。

1.特別受益者の範囲

特別受益者となるのは特別受益を受けた『共同相続人』であるが、実際上、次のような者について問題が生じます。

①代襲相続人

代襲相続人と特別受益の問題につきましては、その特別受益を受けた者が被代襲者であるか、あるいは代襲者であるかによって様相が異なります。

まず、被代襲者が特別受益を受けた場合に、代襲相続人は被代襲者の持戻義務を引き継ぐかという問題があります。

これにつきましては、かつては持戻義務を引き継がないとする見解が有力でしたが、最近は持戻義務を引き継ぐとする見解が有力となっています。

審判例では、被代襲者が受けた当該特別受益の性質が高等教育の費用という受益者の人格と共に消滅する一身専属的性格のものであることを理由として代襲相続人の持戻義務を否定したもの、代襲相続人が被代襲者の特別受益によって現実に経済的利益を受けている場合に限りその限度で持戻しをさせるべきとしたうえで、被相続人が出損した被代襲者の外国留学の費用につきましては代襲相続人の持戻義務を否定したものなどがあります。

一定の場合に持戻義務を引き継ぐと解する点で、折衷的立場といえます。

次に、代襲者自身が直接特別受益うぃ受けた場合につきましては、代襲者が被代襲者の死亡等により共同相続人となる前に受けたものは特別受益に該当しませんが、相続人となった後に受けたものは特別受益に該当し持戻義務を負うと解する見解が通説的でした。

しかし近時は、共同相続人間の実質的公平を図る見地から、特別受益者は相続開始時に共同相続人となっていれば足り、受益の時期に拘わらず持戻義務を負うと解する見解が有力に主張されています。


②包括受遺者

これにつきましては、『相続人と同一の権利義務を有する』ことから持戻義務を肯定する見解もあります。しかし、包括受遺者が共同相続人の一人であればともかく、それ以外の第三者であるときは、被相続人としては持戻しを予定していないのが通常であると考えられ、このような場合は、持戻義務を否定する見解が多数説となります。


③間接的受益者

相続人がその配偶者や子の特別受益を通じて間接的に経済的利益を受けている場合、これをその相続人の特別受益と解すべきでしょうか。

これにつきましては、学説は一般に否定的です。

審判例としましては、相続人の配偶者に生前贈与がなされた事例におきまして、贈与の経緯、価値、性質、これにより相続人が受けている利益などを考慮し、実質的には相続人に直接贈与されたのと異ならない認められるときは相続人の特別受益とみることができるとして持戻義務を肯定したものがあります。

間接的受益者まで含めると、特別受益者か否かの判断が困難となり、かえって紛争を増加させかねないことを考えると、原則として間接的受益は特別受益と解すべきではないと思われます。しかし、実質的には、上記審判例の事案のごとく実質的に見て直接受益と同視し得る事案もあり得るので、かかるときに、例外的に持戻義務を肯定すれば足りることと思われわす。

以上、『特別受益③』についてご紹介させていただきました。

次回は、『特別受益④』についてご紹介させていただきます
13年01月24日 06時36分11秒
Posted by: arakisouzoku
自民、公明両党は23日夜、与党税制協議会を開き、2013年度税制改正の大枠を決めたようです。

焦点となっていた軽減税率に関しては「(15年10月の)消費税率の10%引き上げ時に軽減税率制度を導入することを目指す」との表現で決着したようです。

公明党が求めていた14年4月の消費税8%引き上げ時の導入は見送りとなったようです。

軽減税率とは、食料品など生活必需品の税率を低く抑える措置をいいます。

自公両党は消費増税に伴う低所得層対策として導入する方針では一致しているようです。

また、自動車関連税制では、自動車取得税を消費税率が10%に上がる15年10月に廃止することで決まったようです。

税率8%の段階では取得税率の引き下げなどの軽減措置を講じることとなるようです。

自動車重量税は存続となり、燃費性能の良い車を対象にした「エコカー減税」を拡充して恒久化する方針を打ち出すこととなるようです。

これで、消費税率8%引き上げに伴う条件が調ってきたようです。

結果、自動車取得税の引き下げに配慮する程度となりそうです。

そして、同日の23日に厚生労働省は、2013年度以降の生活保護のうち、食費や光熱費などの生活費を賄う生活扶助の支給水準を最大で8%引き下げる方針を固めたようです。

3年間かけて段階的に引き下げるもようです。

自民党、公明党との調整を経て、週内にも引き下げ幅を決めるようです。

8%の引き下げが実現できれば、国と地方合わせて約1000億円の公費の削減につながるようです。

この削減は、生活保護の支給水準が04年以降据え置かれており、この間に物価が5%程度下落したことによるようです。

政府は24日に閣議決定する13年度の予算編成の基本方針で、生活保護費の削減を盛り込む方針のようです。

ただ、与党内には引き下げ幅をめぐって温度差があるようです。

自民党が23日開いた部会では衆院選公約の1割削減を求める意見が出たようです。

公明党は受給者への暮らしへの影響が大きいとして、1割削減に慎重な立場を取っているようです。

厚労省が示した6~8%をたたき台に、引き下げ幅の調整を急いでいくようです。

増税で生活が困窮し、年金や生活保護削減で生活が困窮し、円安や株高による恩恵は高齢者には、余り、期待できず(株等の金融資産の運用をしていれば別ですが・・・)、円安になって豊かになるのは輸出関連企業であって、消費者にとっては、電気料やガソリン代のUPに繋がってくるだけのものです。

これからは、かなり、しっかりと・・・

ライフプランを考えて行動していかないと大変なこととなるかもしれません・・・


本日は、『特別受益②』について、お話させていただきます。

1.特別受益の範囲

特別受益として持戻しの対象となる財産は、『遺贈』又は『婚姻、養子縁組のための贈与』もしくは『生計の資本としての贈与』です。

生前贈与について一定の限定が加えられた理由は、前記のような趣旨に基づく贈与であれば相続分の前渡しの趣旨で行われたものと通常見うること及び前記に該当しない少額の贈与まで含めると計算が煩雑となって面倒だからということになります。


①遺贈

遺贈はその目的にかかわりなく、すべて持戻しの対象となります。


②生前贈与

特別受益として持戻しの対象となる贈与であるか否かの設定は、当該生前贈与が相続財産の前渡しとみられる贈与であるか否かを基準にしながら相続人間の公平を考慮して判断されるべきであるとされています。

.『婚姻、養子縁組のための贈与』

持参金、嫁入り道具、結納金、支度金など婚姻又は養子縁組のために特に被相続人に支出してもらった費用がこれにあたるということに異論はありません。

葬式費用につきましては、これに含まれるという見解と含まれないという見解がありますが、通常の葬式費用は含まれないと解する見解が有力です。

.『生計の資本としての贈与』

『生計の資本』とは一般にかなり広い意味に解されています。

典型的な事例である子が別の世帯をもつ際に不動産を分与した場合や営業資金を贈与した場合、農家において農地を贈与した場合などに限らず、生計の基礎として役立つような贈与は一切これに含まれるとされており、相当額の贈与は特別な事情がない限りすべてこの特別受益とみて差し支えないとさえいわれています。

ただし、あくまで『生計』の基礎となるものに限られ、ある子だけが特別に可愛がられて小遣銭を多くもらったというような場合は、これに含まれないとされています。

また、扶養のために付与された財産も、扶養は義務の履行であって贈与ではないから、特別受益とはなりません。

教育費も、高校程度では通常これに含まれませんが、子の1人だけが大学教育を受けそのための学資を受けているような場合には、特別受益に当たると解されています。

もっとも、教育費が特別受益に当たるか否かは、被相続人も生前の資産収入及び家庭事情等具体的状況により異なり、審判では、肯定例も、否定例もあります。

.生命保険金と死亡退職金

これらは純粋な意味での相続財産には含まれません。

しかし、その効果において遺贈と同様の機能を有するため、遺産分割にあたっては特別受益に準じてこれらの持戻しを考慮すべきではないかということが実務上しばしば問題となります。

学説上は、相続人間の実質的公平を重視して、持戻しの対象となると解する見解が多数のようですが、審判例は分かれています。

例えば、生命保険金や国家公務員の死亡退職金についての実質的公平の見地から特別受益にあたるとしたもの、保険料の支払等被相続人の生存中その財産から何らかの出損があることなどを理由として生命保険金及び死亡退職金について特別受益にあたるものとしたものなど肯定審判例がある一方、生命保険金や死亡退職金は文理上特別受益に該当しないこと、これらは生活保障のために付与されるものであるからこれを相続分とは別に取得しても公平に反しないのみならず被相続人の通常の意思に沿うと思われることなどを理由に特別受益にあたることを否定した審判例もあります。

以上、『特別受益②』について、お話させていただきました。

次回は、『特別受益③』について、お話させていただきます。
13年01月23日 11時02分26秒
Posted by: arakisouzoku
自民・公明両党が24日にまとめる2013年度与党税制改正大綱の原案が、まとまってきました。

概要は、以下の通りとなるようです。

【個人向け】

①所得税の最高税率45%にUP、課税所得「4000万円超」に適用。(15年分所得から)

②相続税の最高税率55%にUP、基礎控除額は4割縮小(15年1月~)

③相続する居住用宅地の評価額を80%減額できる特例措置の対象面積の上限を「330平方メートル」に拡大(15年1月~)

④相続人が未成年の場合の相続税の控除額を拡大し、『20歳になるまでの年数×10万円』とする(15年1月~)

⑤住宅ローン減税を17年末まで4年延長。減税額は最大年40万円に拡大。

⑥被災者向けの住宅ローン減税も4年延長し、減税額は最大年60万円に拡大。

【法人向け】

①給与支給額を5%以上増加させた場合、増加額の10%を法人税から控除(13年度から3年間)

②雇用者数を1人増すごとに20万円を法人税から控除できる制度を「40万円」に拡充(13年度~)

③中小企業の交際費の損金算入の特例を拡大。年800万円まで全額損金算入可能に(13年度~)

④中小企業の事業を後継者に引き継ぐ際の優遇税制を拡充(15年1月~)

概要は、概ね、上記のとおりとなるようです。

相続税でいえば、都市部の地価の高い場所に土地や建物を所有している住民に影響が強く及ぼされることとなることから、居住用の宅地の80%減額の特例に幅を持たせたようです。

現状は、240㎡まで適用できた特例が、330㎡まで適用可能となるようです。

また、2世帯住宅の場合、この特例を使うためには、建物の内部で2世帯のの居住空間がつながっている必要がありましたが、この要件も13年末で撤廃されるようです。

また法人税では、給与支給額のUPや雇用を増やした場合に、減額ができるものとするようです。

新たな雇用や、賃金UPを目的としたもののようです。

いずれにしましても、増税です・・・

都心部に、土地や建物をご所有している方は、くれぐれも、ご注意ください。


本日は、『特別受益①』について、お話させていただきます。

1.特別受益の意義

①特別受益の意義

民法は、共同相続人間の平等を図るため、相続人に対して遺贈及び一定の生前贈与といった財産分与と見られるものがなされている場合に、その遺贈等を『特別受益』と呼び、これを遺産分割時に精算する規定を設けています。

すなわち、遺産分割に際し、相続財産に特別受益である生前贈与を加えたもの(遺贈は相続財産に含まれているので加算する必要はない)を相続財産とみなし(みなし相続財産)、これを基礎として各相続人の相続分(一定の相続分)を算定し、特別受益を受けた者については、この一定の相続分から特別受益分を控除し、その残額をもってその特別受益者が現実に受くべき相続分(具体的相続分)とするとしています。

このように、特別受益を相続分算定の基礎に算入する計算上の扱いを、『持戻し』と称していますが、特別受益の付与は相続分の前渡しの趣旨で行われることが多く、したがって持戻しをすることが一般的には被相続人の意思に推測されることもこの制度の根拠とされています。


②超過収益

特別受益が『一応の相続分』を超過する場合については、超過分を返還する必要はなく、ただその相続において新たに財産を取得することはできないとされています。

このようにすることが、多額の財産を与えた被相続人の意思解釈に合致するとともに、超過分につき返還すべきであると、特別受益者に不測の損害を与え、かつ法律関係を徒に煩雑にするからです。ただし、超過特別受益が他の相続人の遺留分を侵害するときは、その限度で遺留分減殺請求の対象となります。

ところで、超過特別受益者がいる場合に、超過特別受益者を除く相続人間ではどのように相続分を算定するか、逆にいえば超過受益によって減少する分をどのように分担するかにつきましては、大別すれば、①超過受益者は不存在とみなして他の相続人間で改めて相続分の算定をすべしとする見解の判例と②超過受益者を除き、他の相続人間で全相続人の相続分の割合で相続分の算定をすべしとする見解の判例があり、①と②で対立しています。

例えば、相続財産が6000万円、相続人は妻甲と嫡出子乙丙丁の4名で、乙は1800万円の生前贈与を受けており、丁は1200万円の遺贈を受けているとします。

この場合、みなし相続財産は相続財産6000万円に1800万円の生前贈与を受けた7800万円となり、一応の相続分は甲が3900万円、丙丁は各1500万円となり、丁についてはここから1200万円の遺贈を控除した残額300万円が具体的相続分となります。

これに対し、②の計算方法によれば(細かく言えばこの中でも3種の計算方法がありますが、ここでは代表的な見解に従います)、当初の計算による甲、丙、丁の具体的相続分、すなわち、甲3900万円、丙1300万円、丁100万円の比率によって、1200万円の遺贈を控除した現実の相続財産4800万円を分配することになり、その結果各自の具体的相続分は、甲が3532万755円、丙が1177万3585円、丁が90万5660円ということになります。


③持戻免除の意思表示

被相続人が、持ち戻しをしなくてよいといういわゆる持戻免除の意思表示をした場合には、持戻しをしなくてもかまわないとされています。

持戻制度は、前記の通り、持戻しをすることが被相続人の通常の意思にも適うということがその根拠とされているからです。

遺贈についての持戻免除の意思表示は遺贈が要式行為である関係から遺言によってなされる必要がありますが、生前贈与についての持戻免除の意思表意は、特別の方式は必要ありません。

贈与と同時でなくてもよく、また明示たると黙示たるとを問わないと解されています。

したがって、生前贈与による特別受益者としましては、持戻しを始める前に、持戻免除の意思表示があったと解し得ないかどうかを一応検討しておく必要があります。

例えば、共同相続人の一人に贈与がなされているにもかかわらず、この贈与に言及することになく遺言で相続分の指定をしているような場合には、持戻免除の意思表示を認めることができるものとした判例があります。

なお、持戻しを免除された特別受益が他の相続人の遺留分を侵害している場合につきましては、持戻免除の意思表示は当然に無効となると解する見解もありますが、多数説は、単に遺留分減殺請求権を与えるにとどまると解しています。

以上、『特別受益①』について、お話させていただきました。

13年01月22日 06時47分40秒
Posted by: arakisouzoku
住宅ローン減税案が自公で合意に至ったようです。

2013年末で期限の切れる住宅ローン減税を4年間延長し、所得税などの納税額から控除できる金額を、現行の2倍『年間で最大40万円』にすることで合意したようです。

4000万円までのローン残高の最大1%分を納税額から減らせる仕組みとなります。

減税期間は最大10年間で、控除額は最大400万円となります。

対象者は、消費税率が8%に上がる14年4月から、17年末までに入居した方となります。

また、省エネ性能に優れているなどの長期優良住宅については、控除額を、年間で最大50万円(10年間で最大500万円)に引き上げるそうです。

所得税などの納税額が少なく、住宅ローン減税の恩恵を十分に受けられない中低所得者に対する現金の給付期間は4年間とするようです。

一方で、自公民3党は、昨日夜、比較的所得の高い人を対象にした所得税や相続税の課税強化について協議したようですが、本日に決着を持ち越したようです。

いよいよ、税制改正大綱の全容が見えてきました。

消費税率UPに伴って、住宅取得者への配慮をしています。

これで、駆け込み需要は、和らぐことでしょう。

また、消費税のUPに伴って、富裕層への課税強化を図ろうとしています。

日経WEB版に富裕層への課税強化についてのアンケート結果が報じられていました。

『富裕層を主なターゲットにした所得税や相続税の増税について電子版読者は62.9%が「妥当」との回答でした。財政再建に向けて増税が避けられないときに、いかに公正を担保するのか。大衆増税である消費税率引き上げを実施するからには、やはり富裕層の負担増はセットとの見方が多いようです。』 【日経WEB 2013/1/22 6:00】

以下、賛否両論のコメントは次の通り記載されていました。

『増税賛成の読者のコメントは大きく3つに大別されます。

1つは伝統的な「持てるものが負担すべきだ」という考え方です。

○カネ持ちはもっと負担すべきだ(59歳、男性)

○富裕層は一般人がいるから成り立っている(49歳、男性)

2番目は貧富の差が近年、拡大していることへの対応として累進強化が必要だというもの。

○格差是正のための所得再分配を考える時期に来ている(71歳、男性)

○持てるものと持たざるものの差が開きすぎだ(40歳、女性)

最後は望ましい政策ではないが、やむを得ないというものです。

○プラス5%ならば微々たるもの(71歳、男性)

○消費増税を実現するため(65歳、男性)

「持てる人」に属すると思われる「やむを得ないが、税の使途を改善してほしい」(73歳、男性)という書き込みもありました。』 【日経WEB 2013/1/22 6:00】


また、反対意見のコメントは次の通り記載されていました。

『○国際的に高い水準。資産流出が加速する(38歳、男性)

○個人のやる気をそぐ(54歳、男性)

○レーガン米大統領の富裕層減税は毀誉褒貶(ほうへん)があったが、カーター大統領時代のスタグフレーションからの脱却に成功した(58歳、男性)』
【日経WEB 2013/1/22 6:00】

などなどの意見が寄せられたようです。

概ね、約63%の方は、富裕層増税には、賛同との回答でした。

富裕層の海外移住を懸念する声もありますが、日本人の言語の問題や立地の問題から、欧米の富裕層のようにカリブ悔への島々への移住は難しいであろうとの意見もあります。

そう意味では、日本は、比較的に富裕層への増税は、行い易いとの意見もあります。

増税は、いた仕方ないとしても、北欧のように高い税金負担の代わりに、国民の生活が保障されているなどの安心感を与えてくれることが、非常に重要かと思います。


本日は、『相続財産の範囲と評価⑩』について、お話させていただきます。

1、相続財産の評価方法

①評価の重要性

遺産分割は、総遺産を具体的相続分に応じて分割するものですから、各相続人が分割によって得た遺産を換価すれば、具体的相続分と等しくなってはじめて各相続人の公平が図られます。

このため、全遺産の客観的価値(時価)を把握することが必要となります。

もっとも、当事者間の合意による遺産分割協議におきましては、遺産の評価額を明らかにせず分割することも可能ですし、遺産の客観的価値のみならず、主観的価値をも考慮して遺産の評価を行うことも許されます。

しかし、後日に紛争の余地を残さないためには、分割合意の前提として遺産の客観的価値を明らかにしておくことが必要となります。

また、遺産分割審判事件におきましては、相続分に応じた分割がされていることを明らかにするため、前提問題として、遺産の客観的価値を認定することが不可欠であり、これを怠った審判は違法となる裁判例があります。


②評価の資料

評価額につきまして当事者間に争いがあるような場合や、専門的知識、経験を有する者以外には算定が困難な場合は、不動産鑑定士(土地)や公認会計士(非上場会社の株式等の価額や営業権)等に鑑定してもらうことが原則となります。

この費用は、家事審判規則11条によりますと、家事審判、調停の証拠調べの費用は国庫の立て替えが原則とされていますが、実務の現状では、鑑定費用を含めて家事事件の手続費用は、当事者の予納が原則的になっていますので、鑑定費用を予納することが必要となります。

なお、固定資産税評価額、相続税評価額、地価公示価格、都道府県内地価調査価格に一定の倍率を乗じる方法によって、土地の時価を算定する便法もありますが、大雑把な目安としてはともかく客観性に乏しくなります。

したがいまして、当事者が上記の評価方法に合意している場合におきまして、遺産のほとんどが土地であり、現物分割するとしましても、調整金の授受が全く不要になるような場合には、このような便法によって評価することも可能であると思われます。


③評価の具体例

.不動産

不動産の正式な鑑定におきましては、不動産の再調達原価について減価修正を行って価格を決める原価法、多数の取引事例から事情補正及び時点修正をし、かつ地域要因の比較や個別的要因の比較を行って価格を求める比較法、不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の原価の総和を算出し、還元利回りで還元して価格を求める収益法の3方式があります。

この3方式を併用することによりまして、初めて、不動産の適正な価格を算定することが可能になるといわれています。

なお、調停において家庭裁判所調査官の調査結果を主として不動産の時価認定の資料とすることもあります。

その土地の評価方法を要約すれば、まず不動産を確定したうえで、東京都宅地建物取引業界発行の『東京都地価図都市計画図』(大阪府の場合は、大阪府宅地建物取引業協会発行『大阪府宅地価格地点図』)によって近接類似の基準地を選定し、その基準値の実勢価格を把握し、宅地条件の比較をし、画地条件による補正、時点による修正をして更地価格を算出します。

その後、権利関係による補正を行います。すなわち、比較法によって評価しています。また、建物については原価方式によって、評価しています。


.株式

上場株式は、取引相場が明らかであり、分割時に最も近接した時点での取引価格、あるいは近接の一定期間の平均額によって算定します。

非上場株式の場合は、商法上の株式買取請求における価格の算定や相続税賦課のための税務署の評価方法を参考としています。

前者は①純資産評価方式、②収益還元方式、③配当還元方式、④類似業種批准方式があるとされていますが、実務では、会社の実態に応じて各方式を組み合わせて評価しています。

後者は、当該相続人が同族株主以外の株主になる場合は相続した株式を配当還元方式で評価し、相続人が同族株主となる場合は会社を大中小と分け、それに応じて定められた各評価方式によるものです。

いずれの方法によるにせよ、取引や経理についての相当高度な知識経験がなければ的確な評価をすることは困難であり、専門家の鑑定が必要とされる場合が多いようです。


以上、『相続財産の範囲と評価⑩』について、お話させていただきました。

次回は、『特別受益①』についてを、お話させていただきます。
13年01月21日 16時05分23秒
Posted by: arakisouzoku
本日の日本経済新聞WEB版に、日本生命が主力保険商品の保険料を4月以降も値上げせずに据え置く方針であることを発表したと掲載されていました。

ゆうちょの保険も4月以降の値上げは見送る予定との記事を、2~3日前に目にした記憶があります。

日本生命の場合、対象となるのは、主力商品の「みらいのカタチ」や学資保険などとなるようです。

「みらいのカタチ」は死亡保障や年金保険、養老保険などを契約者が組み合わせて加入する。昨年4月に抜本的に商品を改定したばかりという点も考慮し、保険料の据え置きを決めたようです・・・

金融庁は今年4月、予定利率の目安となる標準利率を1.5%から1.0%に引き下げるようです。

標準利率に合わせて契約者に約束した運用利回り(予定利率)を引き下げないと負担が増すため、多くの生保は保険料を引き上げる方針でいます。

日本生命も長期の定期保険や一時払い終身保険など一部商品については、保険料を1割前後引き上げる予定のようです。

社会保障の自己負担増加や、ここにきて、生命保険の保険料負担も増加の方向となってきました。

ここで、消費増税や復興増税の負担が・・・

のしかかってきます。

低中所得者の矛先をかわすために、所得税や相続税などで富裕層を対象とした増税が行われようとしています。

フランスのように、国内富裕層の方の国外移転を、危惧してしまいます。

株価は今日は、反落した模様です。

円高基調に為替が推移したとたんの反落のようです。

日本の春の訪れは・・・

いつになったら・・・

実感できるのでしょうか・・・



本日は、『相続の財産と評価⑨』について、お話させていただきます。

1.相続財産の評価時期

①具体的相続分算定のための評価時期

共同相続人中に、被相続人から婚姻、養子縁組のためもしくは生前の資本として贈与を受けたものがある場合、その特別受益者の贈与財産を持戻財産といいます。

この財産は、民法903条により各相続人の具体的相続分を算定する前に、その財産の価格を評価して、これを遺産の評価に合算します。

この評価時期に、つきましては、これまで説は分かれていましたが、最高裁の判例としまして『被相続が相続人に対しその生計の資本として贈与した財産の価額をいわゆる特別受益として遺留分算定の基礎となる財産に加える場合に、右記贈与財産が金銭であるときは、その贈与の時の金額を相続開始の時の貨幣価値に換算した価額をもって評価するものと解するのが、相当である。』として以来、民法903条の明文からも明らかとなっており、相続開始時期が実務上とられています。

②現実に遺産分割するための評価時期

遺産分割が、相続開始時より相当期間を経過して行われることがあります。

このような場合に、遺産の評価をいつの時点で行うかによって、個々の財産の価格変動とも関連して、各共同相続人間に不公平な結果が生じます。

この遺産分割の時期につきましては、相続開始時説と遺産分割時説とがあります。

.相続開始時説  この説は、遺産の評価を相続開始時の時価で評価するものとします。

遺産分割に遡及効があることを根拠とし、具体的相続分算定のための評価時期とパラレルに考えようとします。

.遺産分割時説  この説は、『遺産の分割は、共同相続人が相続に困りその共有に帰した相続財産を、その後分割の時点において、相続分に応じこれを分割するのを建前としているのであるから、相続財産の評価は相続開始時の価額ではなく、分割当時のそれによるべきものと解するのが相当である。』とする裁判例があります。

①すでに遺産分割の対象として遺産分割時説をとっていること、

②遺産分割がされたときにおける各共同相続人が取得する財産の価値的公平を図ろうとしていることを理由とします。

この説が通説であり、実務も現在はこの説によって運用されています。


この分割時とは、審判確定時をいいます。

しかし、通常評価時期と審判確定時の間には時間的間隔がありますから、厳密な意味で審判確定時の時価を算定することは困難となります。

審判時にできる限り接近した時点の時価を評価することになります。

また抗告審が原審判を取り消して差し戻した場合や、抗告審が審判に代わる裁判をする場合には、遺産の再評価が必要とされるこもあると思われます。

以上、『相続財産の範囲と評価⑨』について、お話させていただきました。

次回は、『相続財産の範囲と評価⑩』について、お話させていただきます。
13年01月20日 20時15分06秒
Posted by: arakisouzoku
韓国の通貨ウォン高が、止まらないようです。

通貨ウォンは、昨年後半から対ドルで上昇してきました。

昨年1年間の上昇率は7%を超えたようです。

今月中旬以降は、約1年5ヵ月ぶりの1ドル=1050ウォン台で推移しているようです。

このウォン高に輸出企業からは、悲鳴が上がっているようです。

韓国の輸出が採算割れとなる為替レートは大企業の場合で、1ドル=1059ウォンらしいのですが、現在は、その分水嶺にあるようです。

反対に、日本は円安が進んで、日本の輸出企業にとって、追い風となっています。

韓国経済は、他の主要国と比べて、輸出への依存度が高くウォン高が進めば、韓国景気の減速効果がさらに強まる恐れがあるとみられています。

輸出が好調であれば・・・

通貨高となり、景気減速の引き金となります・・・

いつも、いい状態のままは、無いということでしょうか・・・

『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり』・・・平家物語に例えるのも何かと思いますが・・・

ついつい、口ずさんでしまいました。

いい時があれば、悪い時がある・・・悪い時があれば、いい時がある・・・

そう、信じて、頑張ってまいります。

13年01月20日 09時22分32秒
Posted by: arakisouzoku
今日の日本経済新聞WEB版に、福井県の日本酒メーカーが海外での売り込みに成功して業績を伸ばしている記事が掲載されていました。

海外への営業を強化するのみでなく、同じ醸造酒であるワインの深い香りや口当たりの良さを意識して改良を重ねてきたようです。

その日本酒メ―カーは福井県鯖江市にある『加藤吉平商店』という会社で、『梵(ぼん)』というブランドで販売展開しているようです。

この会社は、JP鯖江駅から車で約15分にある武家屋敷の残る一角に酒蔵があります。

この酒蔵には、香港や米国の有名シェフやソムリエ、バイヤーなどが、日本酒の酒造りの体験に訪れているようです。

この会社の海外への営業は、代理店任せにはしていないようです。

加藤代表が、自ら出向き、営業展開しているようです。

その数は、実に、年間40回以上は渡航しているとのことです。

世界のお酒のうちに、日本酒のシェアは1%にも満たないそうです。

無限大ともいえる市場に早期に乗り込むことにより、日本酒=梵のイメージの構築も狙っているようです。

現在、米国に営業拠点が2か所あるそうですが、今春までには欧州に3か所の営業拠点を設ける予定でいるようです。

単に、売り込むだけでなく、チーズやオリーブオイルにも相性のいい日本酒をよりおいしく楽しんで頂くために、冷蔵保存を奨めたりと「飲食店や販売店のスタッフへの啓蒙活動」を地道に行っているようです。

ワインを意識した日本酒造りに取り組み、国際酒祭り等の品評会にも出品しているそうです。

1998年、カナダ・トロントで開催された国際酒祭りで「梵・氷山」が第1位グランプリを受賞したのを皮切りに、全米日本酒歓評会やインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)など品評会で次々と賞を獲得したそうです。

海外販売への道が開け、世界の公式行事の晩さん酒として採用されるようになりました。

2000年に英ロンドンで開催された国際酒祭りで第1位グランプリ酒となった「梵・日本の翼」は、0度で2年間熟成した純米大吟醸酒です。

口当たりが柔らかく、後味の切れの良さが評価され、日本政府専用機の機内酒になっているそうです。

そして、酒蔵には10年以上の経験を積んだ杜氏(とうじ)さんは、いないそうです。

その代わりに温湿度センサーのほか、気泡を使った洗米機、もろみの対流を制御できる仕込みタンクなど自社開発した機器で製造しているそうです。

杜氏さんの勘や経験を数値化することによって高品質の味の再現を可能にしたそうです。

完璧なレシピを用意して、機械で再現しているというところでしょうか・・・

従来の製造方法に拘らない・・・

ワインを意識した味わいへの改良・・・

代理店に頼らない海外営業・・・

などなど・・・

新しい視点で、新規開拓を行えたことに感嘆しました・・・

日本の良質なお米をつかった、何か、いい産業が産まれてくれば・・・

素晴らしいことと思います。



本日は、『相続財産の範囲と評価⑧』についてを、お話させて頂きます。

1、管理費用

、管理費用について
遺産の管理費用については、民法885条1項本文において『相続財産に関する費用は、その財産の中から、これを支弁する』としているので、相続財産によって清算されるものです。しかし、この清算は、遺産分割手続内で行うのか、分割手続とは別の民事訴訟で行うのかが問題となります。
これにつきましては、『相続債務は各相続人がその相続分に応じて負担すべきものであり、仮に相続人の1人が他の相続人のために相続債務又は相続財産の管理費用を立替払いをしたとしても、その償還請求権は遺産分割とは別途に行使すべきである。』として、消極に解する裁判例もありました。しかし、『相続財産の管理に必要な費用は相続財産から支弁すべきものであるから、分割すべき相続財産およびその収益の額を算定するに当たっては、当然右のような管理費用を控除すべきである』として、遺産分割手続内での清算を積極に解する見解が実務の主流となります。ただし、何らかの事情により管理費用のみが残されたときは、他の共同相続人に対し、民事訴訟手続によりその相続分に応じて請求する以外はありません
遺産の管理費用には、保存に必要な費用すなわち必要費が含まれることに争いはありませんが、利用・改良に必要な費用すなわち有益費、公租公課、相続債務の弁済費用等が含まれるかについては争いがあります。

.有益費
①積極例  相続人が建物につき保存のために支出した必要経費及び有益費については、同人が相続開始後から現在まで建物を使用したその賃借料と差し引きと認めるのが相当であるとの審判例があります。
②消極例  遺産分割のための相続財産の評価は、分割時を基準とすべく、そのときまでに加えられた遺産に対する改良費は、分割によりその物を取得する相続人に対し、遺産分割手続外にて償還請求し得るから、分割裁判において考慮する必要はないとの裁判例があります。

.公租公課
①積極例  遺産たる土地建物の一部を管理するにつき支出した固定資産税は、相続財産に関する費用として、相続財産から支弁すべきものであるとの裁判例があります。
②消極例  遺産に関する固定資産税については、相続人間で遺産分割審判とは別個に清算すべきであるとの裁判例があります。

.相続税
①積極例  相続人の一人が立替払いした相続税につき、相続人全員が、遺産分割における清算を希望しているときに、遺産分割手続内での清算を求めた審判例があります。
②消極例  相続税は、各共同相続人が遺産分割によって取得した具体的相続分に応じて、各相続人が負担すべきもので、遺産分割手続において清算すべきものではないとする審判例があります。

.相続債務の弁済費用
①消極例  相続人の一部の者が、遺産分割前に被相続人の債務を弁済したような場合には、その債務並びに弁済がいずれも正当と認められる限り、相続財産に関する費用と同様、遺産分割手続中で清算するのが相当であるとの裁判例があります。
②積極例  他の共同相続人のために相続債務の立替弁済をしたとしても、その償還は通常の民事訴訟手続きによるべきで、遺産分割の審判事件において求めることはできないとの裁判例があります。

以上、『相続財産の範囲と評価⑧』について、お話させていただきました。

次回は、『相続財産の範囲と評価⑨』について、お話させていただきます。

13年01月19日 08時01分09秒
Posted by: arakisouzoku
今日の読売新聞に、所得税・相続税の増税についての記事が掲載されていました。

自民・公明・民主の3党は、昨日、所得税・相続税の最高税率引き上げなどで合意に漕ぎつけたようです。

先の民主党政権時代に策定された税制改正大綱について、自民党は一部、慎重な姿勢を見せていたようですが、民主党が4割弱を占める参院での財政改正関連法案可決に向けて、自民党が民主党に大幅譲歩し、合意にいたったようです。

その内容は・・・

①所得税最高税率は45%で決着

公明党は、最高税率50%で主張していたようですが、民主党が主張していた45%で決着したようです。

ただし、45%が適用される所得の区分は決まっていないようです。

最大で約4.3万人が増税となる見通しのようです。


②相続増税

民主党勢県時代の税制改正大綱をそのまま反映して決着したようです。

相続増税について、自民党は慎重な考えを示していましたが、冒頭にお話しましたとおり、参院での決議を考慮して、自民党が大幅に譲歩したかたちとなったようです。

その内容は・・・

大きいのは葉基礎控除額の4割縮小です。

現状の基礎控除額5000万円+1000万円×法定相続人の数から3000万円+600万円×法定相続人の数に・・・4割減少となってきます。

現状では、亡くなった人の100人に4人しか課税対象となっていませんが、見直し後は、おおよそ6人となるような見込みとなっています。

地価の高い都市部では、実に20人を越えてくるだろうとの見方もあります。

自民党は、この都市部に20人との偏り方を懸念していたようです。

都市部に住宅をお持ちの方は、いままでは相続税なんか関係ないと思っていても、相続税の課税対象者となりうることが、予想されますので注意が必要です。

ここで、自民党は小規模住宅用地の特例(一定の要件を満たせば240㎡まで80%まで減額できる)の拡充や、死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)の拡大も検討しているようです。

また、最高税率は、55%に引き上げで決着したようです。

いよいよ、相続税の基礎控除額の4割縮小が導入されそうです。

これで、気をつけなければいけないのは、今まで、関係ないと思い込んでいた方たちも相続税の課税対象となりうることがありますので、まずは、相続税がかかるか否かを、疑って欲しいなと思います。

そして、配偶者の税額軽減や小規模住宅用地の特例などの相続税の特例は、申告期限までに遺産分割がまとまっていない財産については適用できません。

特例を適用すれば、相続税額は、かからないのだけれど、遺産分割がまとまってないがために、相続税がかかってしまうということが起こります。

もっとも、申告期限から3年以内に分割すれば、後追いで一部の特例は適用できますので、その時点で、更正の請求での還付を受けることはできますが・・・

それも、面倒ですから、理想は申告期限までに分割協議をまとめて特例は、必ず、受けておくことが、理想です。

他、無申告であると、特例は適用できません。

特例を遣うと、相続税は0円であっても、期限内申告書を提出していないと、特例が適用できずに相続税がかかってきてしまうことも考えられます。

くれぐれも、慎重に、気をつけて対応して欲しいなと思います・・・・



本日は、『相続財産の範囲と評価⑦』について、お話させていただきます。

1.代償財産

相続開始時から遺産分割時までに、遺産に含まれる建物等が焼失した場合の火災保険金や、相続人の1人が遺産中の物を処分した場合の対価(動産の即時取得が成立する場合や他の相続人が追認した場合)といった代償財産が、相続財産に含まれるかどうかは、問題である。含まれるとすれば、遺産分割手続で分割できるが、含まれないとすれば、民事訴訟手続に委ねざるを得ないようです。

代償財産が遺産分割の対象となるかについては、見解が分かれています。

①積極説

『相続財産に属する株式を、相続人が遺産分割前に勝手に処分したときは、その株式にかわり、同人に対する代償請求権が分割の対象となる』、『遺産たる土地と家屋のうち、土地が県の用地買収の対象となった場合には、遺産として相続の対象となるものは、右家屋と土地買収代金とであり、家屋等移転補償費(家屋の時価の約3倍)は、本件遺産分割により当該家屋を取得した相続人の所有となります。』

②消極説

『建物、部屋が相続開始後相手方により取り壊され、それによりその余の相続人が同人に対し損害賠償請求権、あるいは不当利得返還請求権を有するに至ったとしても、これらの債権は相続開始後生じた右相続人らの固有の債権であり、被相続人から承継された相続財産ということはできないから、協議あるいは調停による遺産分割に際し事実上清算するのは格別、審判において各相続人の具体的相続分を確定する上に考慮すべきでない』

裁判例は上記のように分かれていますが、積極説がやや優勢で、学説では積極説が通説のようです。

そして、積極説は、①遺産分割の制度趣旨は、全遺産を各相続人の個別的事情を考慮しながら、総合的、合目的に分配することにあります。

遺産から分離した財産がある場合には、本来の相続財産に代わる代償財産が存在する限り、これを遺産分割の対象とすることが制度趣旨に合致します。

②この代償財産の処理を民事訴訟に委ねざるを得ないとすると、当事者の負担も看過し難く、同一紛争を異なる手続で処理することになり妥当とはいえず、場合によっては、相続人間の具体的公平を損なうこととなる、ということを根拠にしています。

これは、すでに述べた『遺産からの収益』の場合の積極説ないしは折衷説とほぼ同様の理由です。

こうしてみると、同様に代償財産の把握(その前提としての遺産の把握)に困難が伴い、その内容に争いがあり、それを遺産分割手続で確定することが困難な事例は当然予想されます。

こうした場合『遺産からの収益』での折衷説と同様の考えが主張され、また裁判例でも採用されてくることが今後予想されます。

以上、『相続財産の範囲と評価⑦』について、お話させていただきました。

次回は、『相続財産の範囲と評価⑧』についてを、お話させていただきます。
13年01月18日 09時32分15秒
Posted by: arakisouzoku
今日の読売新聞に、税金に関する記事がいくつか掲載されていました。

その一つは、消費増税や社会保障に関する記事でした。

財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の2013年度予算に向けた意見書の原案に、高齢化で増え続ける社会保障費の財源に対し、『広く公平に負担を分かち合う消費税収に求めることが合理的で、更なる消費税率の引き上げは不可避である』として、消費税率は将来的には10%超に引き上げることが必要・・との考えが示されていたというものでした。

また、財政健全化策として社会保障の改革を促しており、具体的には、70~74歳の高齢者が医療期間の窓口で払う自己負担を1割に据え置いている特例措置について、13年度中に、本来の2割負担に戻すことを強く主張しているようです。

年金についても、『マクロ経済スライド』の仕組みの見直しの必要性を唱え、高齢者に対する年金支給の減額を早急に検討すべきとしたほかにも、生活保護費の見直しも求めているようです。

そのほかには・・・

富裕層が対象となる所得税最高税率45%、相続税最高税率55%にあげる案が軸になる見通しとなったようです。

所得税最高税率の適用される所得区分は、自公民3党間で調整中のもようです。

相続税の最高税率は、東京などの大都市部の反発が強く、詳細は詰まっていない状態のようです。

相続税に関しては基礎控除額が減額される案が話題となり続けていましたが、今年に入って、何も聞かれなくなってきました。

はたして、今年の税制改正大綱では、どのうようなこととなるでしょうか・・・

さらに、その他として・・・

納税者側にとって有利となる・・・

住宅給付金が2014年から5年間『年収600万円以下』を対象に実施される方向で最終調整に入ったようです。

経営者の優遇策として・・・

政府・与党は、中小企業の事業承継の優遇措置を先代経営者の親族以外が後継者となる場合も適用の対象とする優遇制度の拡大をすることで合意したようです。

ここにきて・・・

消費増税・・・社会保障の負担増・・・の、全容が見え始めてきました。

反して・・・消費増税後に配慮した住宅給付金なども盛り込まれそうです・・・

これらの家計に与える負担がどれほどになってくるのでしょうか・・・

さらには、円安で輸出関連企業が潤い始めたのとは対照に、ガソリンの値上がりが始まっています。

円安もいまのところは、家計を脅かすまでの効果となっているようです。

こんなときこそ・・・

将来を見据えて、子供の教育、住宅取得、老後の生活、介護、相続を考えたライフプランを、よくよく、考えることこそが重要と感じます。

いまこそ・・・

FPの真価が問われるときかもしれません・・・



本日は、『相続財産の範囲と評価⑥』について、お話させていただきます。

1.遺産からの収益

遺産から収益があがった場合、その収益が相続財産となるか否か、すなわち、その収益の分割は遺産分割手続によるのか共有物分割手続によるかが、問題となります。これについては、つぎの3点があります。

①積極説

相続人は、相続財産を管理しなければなりません。

この管理行為によって遺産分割時までに取得した収益(不動産賃貸料から管理費用を差し引いたもの等)は、相続開始当時に存在していた相続財産ではないが、遺産より産出されたものです。

遺産の包括的な性格、民法909条の趣旨によりして、これのみを分離して共有分割の方法によらしめるのは適当でなく、むしろ、一般の遺産とともに、遺産分割の審判の対象になるものと解すべきとしています。

②消極説

相続開始後、相手方が取得した相続財産である農地の小作料、自作収益、宅地の占有利益が相続財産に属しないことは、これらの収益がいずれも相続開始後生じたものであることから明らかです。

相続財産は分割に至るまで相続人の共有に属することから、これら相続財産からの収益も相続人の共有であると解されますが、しかし、あくまで相続財産とは別個の共有財産です。

③折衷説

相続開始後、相続財産から生じた果実は、相続財産とは別個の共有財産であり、その分割、清算は、原則的には、訴訟手続によるべきものですが、相続財産と同時に分割することによって権利の実現が簡便に得られるなどの合意性を考慮すると、当事者間に合意がある場合には、上記果実を相続財産と一括して遺産分割の対象とすることができると解すべきのようです。

この見解は、原則消極的に立ちながら、積極説の遺産の包括的把握、共同相続人間の平等・公平・紛争の全面的一回的解決という視点をも考慮したうえで、相続人の合意のもとに、遺産分割手続でもその分割ができるとします。その後、この見解が裁判所の主流を占めるに至りました。

以上、『相続財産の範囲と評価⑥』について、お話させていただきました。

次回は、『相続財産の範囲と評価⑦』について、お話させていただきます。

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