昨日の日経WEB版に、保険コンサルタントの後田さんの保険選びの記事が掲載されていました。

気をつけたい保険のセールストーク等について書かれています。

原文のまま、ご紹介させていただきます。

保険選びの参考にしてみてください。


保険の営業担当者から新規加入やプラン充実を薦められると、どういうものが自分にとって本当に必要なのか判断に迷うことも多いと思います。今回は私の経験上「相手にしなくていい保険セールストーク」だと考えていい3つのパターンをご紹介します。皆さんが保険を賢く見極めるためのヒントになるのではないでしょうか。

(1)「リスクが高まりますから保険で備えましょう」

これは例えば、中高年に医療保険などを薦める場合が考えられます。「入院リスクが高まる年齢になりますから、より保障内容が充実した保険で備えておきたいですよね」といった論法です。入院に限らず、がんにかかったり要介護状態になったりするリスクを挙げて売り込んでくる場合もあるでしょう。

しかし、そもそも入院やがんの確率がそんなに高いのであれば、医療保険やがん保険は機能しなくなるはずです。このコラムで繰り返し書いている通り、「購入者全員が当たる宝くじ」があるとすれば、賞金より購入代金の方が高くなるはずだからです。実際、比較的若くて健康な人が万が一に備える保障に安く加入できるのは、死亡率が低いからです。

具体的な例で考えてみましょう。表1は、ある保険会社(A社とします)の定期保険と、別の保険会社(同B社)の医療保険で主に入院に備える商品に男性が加入する場合の試算です。

A社の定期保険で35歳男性が20年間、2000万円の死亡保障のために払い込む保険料は月々3480円、総額83万5200円です。55歳までだと死亡保険金が支払われる可能性はゼロに近いかもしれませんが、入院給付金と手術給付金の合計額は業界平均で23万円程度です。

一方、B社の医療保険で55歳から一生涯の医療保障を得るには300万円近くかかります(男性の場合、平均余命を参考に27年分の保険料で計算しています)。50代後半からこれだけの出費は重くないでしょうか?

確かにがんで開腹手術する際には40万円、治療目的で放射線治療を受けたら10万円が支払われるなどの保障もあるので、業界平均である23万円の給付ではまかなえない手厚い内容ではあります。とはいえ、一生涯保険料を払い込む設計でも月々9000円、60歳までに払い終わる設計では4万5000円弱が必要なのです。

このように、心配事から保険を検討すると、そもそも「発生する確率が高い事態に保険の利用は向かない」という基本を忘れがちになります。要注意のポイントです。

(2)「国はあてにならない時代ですから、自助努力での備えが必要になってきます」

これは老後資金に備える商品などで使われる文句ですが、乱暴な論理だと思います。例えば国民年金には公的年金保険料以外に税金も使われているわけです。収益をあげなければならない民間の個人年金保険が、公的年金よりも加入者に有利な商品というのはあり得ないはずです。

また、今後の人口減やそれに伴う税収減といった構造問題で国の制度が行き詰まるときには、保険会社など民間の金融機関も無傷なわけがないと考えるのが自然ではないでしょうか。

(3)「ずっと私がアフターフォローさせていただきます」

私も保険販売に携わってきましたから、こうした「保険加入後のフォローをずっとお約束したい」という営業担当者の思いを否定するつもりはありません。ただ、営業担当者の報酬体系は歩合制なので、成績が下がると業界に居続けることができなくなります。実際にその可能性が非常に高いことも業界の歴史が証明しています。

さらに、消費者が保険加入を検討する際には「いつ何が起こるかわからない」という前提がありますが、それは営業担当者にも当てはまることでしょう。したがって「特定の担当者がその会社からいなくなっても困らない契約」を結ぶことが望ましいのです。

これら3つのパターンに共通しているのは、誰もが身近に感じる「不安」、公的制度への「不信感」、担当者の「思い」など情緒的な選んでしまいがちな要素が絡んでいることです。かくいう私自身も、何ごとにつけ感情に流されやすい傾向があります。だからこそ保険は「確率と経費」を計算して作られている金融商品であることをいつも忘れずにいたいですし、それを皆さんにお伝えしていきたいと思っています。
【日経WEB版2013/6/14 7:00】

いかがでしたでしょうか・・・

保険のセールストークに流されることなく、自分に本当に必要な保険を選ぶことが重要なことでしょう。

それには、自分の必要とする保障を自分の価値観で自分自身でライフプランを考えながら導き出さなければならないのではないでしょうか・・・

いくつもの保険会社の商品を扱っていて好きな保険商品を選べることを差別化していた保険の代理店が保険会社からの手数料の都合上、代理店にとっての都合のいい商品を提案していたという報道もされた時期があります。

自分の保障にあった保険商品を自分自身で選ぶことは、非常に面倒なこととなりますので、やはり、数多くの保険商品を扱っている代理店に選んでもらうのが効率はいいでしょう。

自分のライフプランを再度、考え直して、頭の整理を行ったうえでの相談が無難なような気がします。

まずは、ライフプランを考える・・・これに尽きるかもしれません・・・


本日は、『事業承継のコスト』について、お話させていただきます。

親族への事業承継も、M&Aの事業承継も、承継するに足る魅力がなければ成功は難しいこととなります。
要は、儲かる会社でなければ、誰も経営しようとは思わないのです。
しかし、儲かる会社ほど承継に対するコストが大きくなってきます。
その最大の要因は税金です。

事業承継の対象となる会社は、株式会社がほとんどです。
すなわち、経営権の委譲は、株式の移動により行われることとなります。
現経営者が保有する株式を、後継者に売却するか、贈与するか、あるいは相続させることとなるわけです。

売却による場合は、現経営者にとって、相続時または前回の事業承継時の株価と、今回の事業承継時の株価の差額が、譲渡益となってきます。
その譲渡益に対して、所得税がかかってくることとなってきます。
贈与の場合は贈与税が・・・相続によれば相続税が・・・それぞれかかってくることとなってきます。

現在、経営がうまくいって利益を出している会社ほど、これらの税金が重くのしかかってきます。
その税負担によるキャッシュアウトが事業承継を阻害しかねないことに注意が必要となります。
その対策としては、株価が上昇しないようにする株価対策等がありますが、利益の出ていない株価の低い会社に対しては、事業承継対策会社としての魅力は乏しいこととなります。

その他の方法としては、税額を抑える事業承継スキームを模索していく方法となります。
株式の移動が相続によるのか、贈与によるのかで、税額は異なってきます。
個人資産の帰属によっても、税率や税額は異なってくることとなってきます。

納税資金の準備も重要となってきます。
税制上、比較的有利に取り扱われることとなる保険が活用されるケースが多いようです。
それと同時に個人資産の見直しも必要となってきます。
現金化の難しい不動産はあらかじめ、分割したりとか組み替えるなどの準備が必要となってきます。

以上、『事業承継のコスト』について、お話させていただきました。

次回は、『会社の経営権と株主対策』について、お話させていただきます。